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マイキャリアストーリー

『日本に投資文化を根付かせたい』
レオス・キャピタルワークス 広報 仲岡由麗江さん【前編】

誰しも迷うキャリアの決断。先輩たちはいつ、何に悩み、どう決断してきたの? 現役で活躍し続ける女性たちに、これまでのキャリアの分岐点と、決断できた理由を語っていただきます。

今回は、レオス・キャピタルワークス株式会社 広報部長の仲岡由麗江さんにお話を伺いました。

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仲岡 由麗江(なかおか ゆりえ)さん

レオス・キャピタルワークス株式会社 広報部長兼サステナビリティ経営デザイン室長
2021年8月入社。経営企画&広報・IR室(旧)で上場の実務を担当。2023年7月より現職。

提案とお客様次第で価値が変化する“金融商材”の営業に惹かれた

- 「資本市場を通じて社会に貢献します」を経営理念に、資産運用事業を手掛けるレオス・キャピタルワークス。2023年4月には東証グロース市場への上場(IPO)を果たしました。そのIPOに向けたプロジェクトメンバーとして、上場実務を担当したのが、2021年7月に同社に入社し、現在広報部長を務める仲岡由麗江さんでした。
金融業界で、長く投資信託の営業を経験してきた仲岡さんにとっても、IPO準備はまったくの未経験領域だったと振り返ります。
「前職は投資信託の販売会社だったのですが、レオス・キャピタルワークスは、当時の取引先でした。営業担当として関係を築く中で、『日本に投資文化を根付かせたい』『金融格差を是正したい』という経営陣の本気を感じていました。そしていつしか、短期的な利益を求めるばかりではない、社会課題に向いた経営理念に惹かれていきました。そんな中、IPOに向けた新プロジェクトに参画しないかとお誘いを受け、こんなチャンスは二度とないと飛び込みました」
- 大学卒業後は銀行に入行し、金融業界一筋でキャリアを重ねてきた仲岡さん。ただ、学生時代は、金融領域に進むとは思ってもいなかったと話します。
「大学の専攻はドイツ文学でした。ピアノと旅行が好きで、親和性を感じたのがドイツだったから。文章を書くことも読むこともとても好きだったので、『出版業界に入って、将来は翻訳家になれたらいいな』とぼんやりと考えていました」
- 転機となったのは、大学3年時に、父親が倒れたことでした。介護が必要な状況になり、家族の置かれる状況が一変。「早く就職して稼ぐ力をつける」ことが、優先順位の高い喫緊の課題になったといいます。
「父の看病などでバタバタとしているうちに、憧れを抱いていた出版業界やメディア全般の募集は締め切られてしまっていて…。でも、とにかく早く就職することが重要だったので、金融業界に絞って片っぱしから受け始めました。親族に金融業界で働く人が多く、働くイメージがつきやすかったからです。
特定の“もの”を売るよりも、お客様の考え方や解釈によって、商品の価値がいかようにも変容する商材のほうが面白そうだな、という思いもありました。金融はまさに、その自由度が高い領域だと思ったのです」

東京での仕事に憧れ、投資運用の世界に飛び込んだ

- そうした経緯で入行した銀行でリテール営業を5年経験。大変だと嫌厭されがちな新規飛び込み営業も、どんな出会いがあるかわからない面白さがあったといいます。
投資信託の領域に入ったのは、5年目を迎えたとき。大阪勤務だった仲岡さんが、東京での新店舗立ち上げプロジェクトに参画したことがきっかけでした。
「ゼロからのプロジェクト立ち上げが刺激的で、東京にはこんな仕事がたくさんあるんだ!と思い込んでしまって(笑)。東京に拠点を移してもっとチャレンジしたい、と考えるようになりました。でも、当時の銀行で、転勤の希望はすぐに通らず、『(東京に行くためには)まずは支店長を目指そう』と上司に言われてしまった。そのキャリアパスしかないのであれば自分がやりたいこととは違う、転職を検討しようと動き出しました」
- ちょうど、投資信託に興味を持ち始めていた仲岡さん。当時メンターだった先輩の友人が東京で投資信託の運用会社にいると知り、すぐに会いに行くことにしました。そこで、投資を広める仕事に可能性を感じ、転職を決意します。
当時、銀行から転職するケースはとても珍しかったそうですが、「新しい領域に挑戦したい」という気持ちから、迷いはなかったといいます。

転職先の投資信託の運用会社では約5年間、商品体系の基礎を学び、企画から営業までを担当。知識を身に着けるうちに、「資産運用について、よく知る人だけがうまく資産を増やすことができる。そうではない人との格差がどんどん広がっていく」ことに課題を感じるようになったといいます。
「投資がもっと身近に、誰でも知りうる知識になればいいのにと、考えるようになりました。
では、日本で最もスピーディに投資文化を広げられるところはどこかと考えたとき、当時の私が出した答えが、“インターネット証券の営業”でした」
- 現状に課題を感じたら、その課題が解決できる環境に身を移していきたい。そんな思いで、インターネット証券の世界に飛び込んだ仲岡さん。圧倒的なスピードで事業が成長する中、重要な意思決定を次々と任され、やりがいに満ちていたといいます。
しかし、その一方で、“顧客数の獲得”という短期目標を追う日々に疑問も感じるように…。
「投資文化を根付かせることで、日本の社会をもっと豊かにしていきたい。そんな志を持って始めたインターネット証券での投資信託営業の仕事でしたが、気づけば目先の数値目標に追われるばかりの自分がいました。『自分の仕事は、お客様に投資の本質を伝えられているのだろうか。』とモヤモヤを抱える中で出会ったのが、レオス・キャピタルワークスでした」

(→後編に続く)





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写真:MIKAGE
取材・執筆:田中 瑠子

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