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仕事にまつわる体験談

30代、忙しい中でキャリアアップをする方法

キャリア職で活躍する女性たち。キラキラと働く裏で、これまで体験してきた仕事上の壁は数知れず。どんな壁に遭遇し、どうやって解決したのか。リアルな体験談から、働く女性の悩み解決のヒントを探ります。

中長期的に「やりたいこと」を決め、逆算して私の武器を作る

今回、登場いただくのは人材系企業の企画職で働くKさん35歳。現在の会社に転職して5年、以前は呉服店で個人向け販売をしていました。大きくキャリアを変えた背景には何があったのでしょうか?

「前職の3年目から販売員研修の仕事も任されるようになり、そこで産業カウンセラーの資格を取り、人材の仕事に興味を持ち、31歳で今の会社に転職しました。その後はキャリア系の国家資格も取得しています」

現在の会社に入社後も、個人営業や法人営業、そして現在の企画の仕事へとしなやかにキャリアステップを踏んでいるように感じます。30代は自身のキャリア選択に悩む時期でもありますが、なぜここまで順調なのでしょうか。

「いつも自分の中で中長期的にやりたいことを決めています。そして、自分の希望が叶いそうなタイミングですぐ動けるよう、自分の武器は少しでも増やす。『やりたいこと』から逆算して、いま『やるべきこと』を考える。だから資格取得にも取り組みますし、部署異動も自分から決断できるのだと思います。今年、管理職をしていた営業から新たに企画職に異動したのですが、それも『キャリアプランを変えるなら今かな』という先を見越した考えからです。現場のエキスパートとして管理職経験を積むのか、他の職種の一般社員から新しくキャリアを形成するのか、『自分が将来なりたい像』から逆算して考えました」

ただし、キャリアを考える時にある程度の「ゆとり」は残していると言います。

「中長期のゴールはいくつか用意して、道を一つに絞りすぎないことが大切です。仕事なので、全てが自分の思い通りになるわけではありません。途中で枝分かれしても大丈夫な余裕は残しておくようにしています。第一希望はダメだったけど、第二希望のルートに乗れたから良し! と前向きに思えるように」

半期に一度、職務経歴書を書き換えて現在地を知る

いつも冷静に先を見据えて考えているKさん。しかし、30代は仕事もプライベートも忙しく、なかなか自分のキャリアプランを見つめ直す余裕もないのが実情。どのようにしてその機会を作っているのでしょうか?

「転職や異動の希望有無に関わらず、半期に1回職務経歴書を書き換えています。自分がいま持っている武器や実績を棚卸できて、冷静にキャリアを見つめるきっかけにもなります。そうすれば、いざ転職したいと思った時にすぐに動けますよね。転職も異動も自分がしたいと思った時に考え始めるのは遅いのかなと思います」

一見“バリキャリ”路線にも見えるKさんですが、意外にも働く上で大切にしているのは「自分の無理ないペースを保つこと」だと言います。

「仕事は長く続けることが大切だから、心地よく働くべきだと思います。正直、常に上へ上へ目指してストイックに頑張りすぎるのではなく、自分ができる塩梅で許してあげることが必要。実は、以前家族の都合で時短勤務をしていた時期がありました。それは自分のキャリアの中でも想定外のことだったのですが、働き方や仕事観を見直すきっかけにもなって。例えば、これまで残業してまで取り組んでいた業務は本当に今やらなくてはいけないことなのか、明日の朝でも良いのではないかなど細かいことにも気が付きましたし、もっと仕事も自分主体で構えていいのだと気が付きました。自分のペースで最大にパフォーマンスを上げることが大切じゃないかと思います」

キャリアも働き方も、自分のペースで無理なく組み立てる。そのためには目の前のことに一生懸命になりすぎるのではなく、定期的に自分の現在と未来を考える時間を確保するKさんの手法。ぜひ実践してみてはいかがでしょうか。

(取材・執筆:菱山恵巳子)

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