『変化を受け入れ、楽しむ姿勢が学びの機会を広げていく』<br>auじぶん銀行株式会社 執行役員 審査本部長 正藤清美さん【後編】のイメージ画像

マイキャリアストーリー

『変化を受け入れ、楽しむ姿勢が学びの機会を広げていく』
auじぶん銀行株式会社 執行役員 審査本部長 正藤清美さん【後編】

誰しも迷うキャリアの決断。管理職として活躍する女性はいつ、何に悩み、どう決断してきたのか。キャリアの分岐点と、決断できた理由を語っていただきます。

今回は前回に引き続き、auじぶん銀行株式会社 執行役員の正藤清美さんにお話を伺いました。

正藤 清美(まさとう きよみ)さんのイメージ画像

正藤 清美(まさとう きよみ)さん

auじぶん銀行株式会社 執行役員 審査本部長。
2000年、りそな銀行(旧:あさひ銀行)に新卒入社。マーケティングおよびローン商品の企画・開発推進業務に従事し、支店での営業も経験。2010年、住信SBIネット銀行へ転職し、主にローン商品の企画・開発を担当。2014年7月、auじぶん銀行に入社。約1年で住宅ローン事業を立ち上げ、2020年には執行役員・ローンビジネス本部長に就任。2022年、カードローンおよび不動産・提携ローン事業を担う「コンシューマーファイナンス本部」の新設に伴い、本部長として事業拡大を推進。2024年に外貨・資産運用事業を統括するサービス企画推進本部長を経て、2025年に審査本部長に就任し、現在に至る。

邦銀初、完全ペーパーレスの住宅ローン。100人超のメンバーを動かした「熱意」

正藤さんがauじぶん銀行に入社すると、すぐにプロジェクトが立ち上がり、約1年で住宅ローンの提供が開始されました。当時、業界に先駆けて実現したのが、邦銀で初めて(※1)となる“契約手続きまでネットで完結する住宅ローン”でした。
(※1)一般社団法人全国銀行協会の会員のうち、外国銀行を除く139行における住宅ローン契約までの手続き調査を実施。じぶん銀行調べ(2015年10月28日(水)時点)。
「当時のネット銀行の住宅ローンは、ネット完結を掲げながらも、最後に交わす契約は書面でした。お客様と郵送でやり取りするので、その分だけ日数がかかっていました。業界内で長く続いてきた紙文化に対して『なぜ紙ベースでなくてはいけないのだろう』という素朴な疑問を解消しようと、“本当のペーパーレス契約”ができる仕組みづくりに取り組みました。
ペーパーレス化は、契約にかかる時間を短縮できることに加え、書面による契約書が不要となるため、印紙税の負担もなくなるなど、お客様にとってメリットの大きい取り組みです。コンプライアンス部門やリスク管理部門など全社一丸となった前向きな空気感が、邦銀初のチャレンジを後押ししてくれました」
プロジェクトには、システム開発部門やベンダーを含む100人以上が関わりました。業務側を束ねていた正藤さんは、システム側のリーダーと綿密にコミュニケーションを重ねながら、メンバー全員が同じリリース期限を共有できるよう、プロジェクトを進めました。
「当時のプロジェクトメンバーからは、『みんなで成功させるんだ、良いものを作るんだという熱量がすごかった』と今でも懐かしがられます。前職での商品開発経験から、お客様のニーズに応えるサービスを作ることができれば、必ず大きな売上につながっていくという確信がありました。任された以上、何としても事業成長に貢献する商品を作りたかった。関わるメンバーの数だけそれぞれの立場や課題がありましたが、一人ひとりの持ち場を把握しようと動き回ったことが、良いチームワークにつながったと感じています」

「これ、本当に必要?」メンバーとの対話から改善策を見出していく

住宅ローンの立ち上げ以降、正藤さんはカードローン部門、投資用ローンの新規事業、外貨・資産運用を統括するサービス企画推進本部長などを歴任し、2025年には審査本部長に就任しました。
「これまで担当領域はいくつも変わっていますが、『この仕事は本当に必要?』という視点を大事に、業務改善に向き合ってきました。
審査本部では、審査を迅速化するために業務プロセスを見直し、住宅ローン以外のローン審査にかかる日数を、従来の半分にまで短縮しました。メンバーとは常に、『今一番時間がかかっている業務は何?』『それって本当になくせないのかな』といった話をしています。煩雑だったり重複していたりする業務があれば、不要なものをなくし、必要最低限に絞り込むことで、結果として、お客様にとっての利便性が高まり、メンバーのストレスが減り、成果も上がるという良いサイクルを生み出すことができました」
入社以来、次長職から執行役員へと着実に役職が上がっているものの、「社内の役割が変わっただけで、自分が偉くなったわけではない」と自身を語る正藤さん。「部下というより、一緒に働いている仲間」として、何気ない会話の積み重ねを大切にしてきたと話します。
「いろいろな価値観を持った人が、自由に意見を言い合える環境のほうが、一緒に良いものを作っていけると思うんです。たとえば、デジタルネイティブ世代の若手メンバーの発想にこそ、これからの仕事のヒントがたくさん詰まっていたりします。いろいろな人から学んでいこうと耳を傾ける謙虚さがなければ、変化に取り残されてしまいますからね」

人生の優先順位は人それぞれ。自分の思いを押し付けない

今、正藤さんが管理職として大切にしているのは、ライフステージに関わらず、一人ひとりの働き方や価値観を尊重すること。ライフイベントなどさまざまな事情に応じたフォローも欠かせないと話します。
「入社当初から私を知るメンバーからは『優しくなったよね』と言われます。以前の私は、自分が“仕事好き”だったがゆえに、メンバーには、少し難易度が高くても、面白さややりがいを感じられる業務を任せることが良いことだと思い込んでいたところがありました。また、自分の若い頃の価値観のまま指導していたところもあったと思います。でも、人にはそれぞれの考えや人生のタイミングがあります。『今は仕事最優先で働きたい』という人もいれば、『家族の時間が何よりも大事』と考える人もいる。多様な考え方や優先順位に思いを寄せ、まず自分が変わらなくてはと意識してきました。その積み重ねが、今の私につながっています」
住宅ローンの立ち上げをはじめ、「想定とは違う仕事をすることも多かった」と自身のキャリアを振り返る正藤さん。だからこそ、変化を楽しむ気持ちが大事だと話します。
「そもそも、キャリアは計画通りにはいかないものだと思います。私も、思いがけずさまざまな業務に携わらせてもらい、何度も想定外にぶつかったからこそ学びがあり、視野が広がっていきました。自分が描いた道にこだわりすぎず、変化を取り込んでいこうという気持ちでいることが大切だと思っています」


→「前編記事





~あわせて読みたい記事~
◇違いを前提にコミュニケーションをとっていく(キヤノンマーケティングジャパン ichikara Lab 室長 吉武裕子さんのインタビュー)
◇仕事を楽しむために自分の“得意”を知ることが大事(MIXI・みてねプロダクト開発部 小野寺旬さんのインタビュー)





写真:MIKAGE
取材・執筆:田中 瑠子

  • line
  • リンクトイン

RANKINGランキング

  • 週間
  • 月間