『働く中に、自分なりの面白さを見出していきたい』<br>WILLER ACROSS ビジネスプロデュース事業グループ グループ長 清水優子さん【後編】のイメージ画像

マイキャリアストーリー

『働く中に、自分なりの面白さを見出していきたい』
WILLER ACROSS ビジネスプロデュース事業グループ グループ長 清水優子さん【後編】

誰しも迷うキャリアの決断。管理職として活躍する女性はいつ、何に悩み、どう決断してきたのか。キャリアの分岐点と、決断できた理由を語っていただきます。

今回は前回に引き続き、WILLER ACROSS株式会社でグループ長を務める清水優子さんにお話を伺いました。

清水 優子(しみず ゆうこ)さんのイメージ画像

清水 優子(しみず ゆうこ)さん

WILLER ACROSS株式会社 クリエイティブビジネス本部 ビジネスプロデュース事業グループ グループ長
2016年、WILLER TRAVEL(現WILLER)に新卒入社。海外・新規事業開発、国内ソリューション事業、IPソリューション事業などを経て、新規事業開発を担当。WILLERの分社化にあたり、新会社WILLER ACROSSの基盤づくりと新部署の立ち上げを経験。社内・クライアントパートナーからの信頼も厚く、初対面でも一気に距離を縮める“ゼロ距離コミュニケーション”が特技

“移動×課題解決”。新会社のビジョンを、ゼロから描く

WILLERの分社化により、WILLER ACROSSが新たな会社として立ち上がる——。2022年の設立の節目で、清水さんは新規事業開発を担う部隊の立ち上げと、会社のビジョン設計に深く関わることになりました。
「WILLER ACROSS 宿谷勝士代表とともに、『WILLERグループ全体が目指す方向性の中でWILLER ACROSSは社会に何を価値として提供していくのか』をビジョン設計の段階から対話を重ねていきました」
社名のACROSSは、「ACCESS(移動)とCROSS(融合)を組み合わせた造語」で、「ACCESS(移動)を軸に、さまざまなものを掛け合わせ、CROSS(融合)させながら価値を創造し、課題を解決していく」という思いが込められています。社名は社員全員で考えたそうです。社員を信じて任せるグループのカルチャーは、入社当時から変わっていないと話します。
「クールジャパントラベルに出向した時から一緒に仕事をしてきた宿谷が、『あなたは思いを具体的に絵に描いていくことが好きでしょう』と、私を引き上げてくれました。
実際、先のことを考えるのはとても好きです。今年1年の戦略だけではなく、3年後、5年後にどうなっていきたいか。いろいろな可能性を組み立てて絵に描いて、それを実現できる手立てを探していく。自社だけでは成り立たないので、どういうパートナーとどう連携していくかを考えると楽しくてワクワクします。最近は、そうしたことを考えるのが趣味みたいになっています(笑)」

答えは押しつけない。考えを引き出し、チームの力を最大化させる

当初、新規事業開発を一人で担っていましたが、事業拡大に合わせてメンバーが2人ジョイン。2025年からは室長となり、若手メンバーのマネジメントも行っています。
今、清水さんがメンバーとともに向き合っているのは、移動・交通領域のリアルな社会課題。バスドライバーの人員不足により、路線の縮小を迫られる地域も少なくありません。特定技能制度に運輸が追加され、外国人ドライバーの雇用が選択肢に入っている昨今、雇用推進したい地方自治体から「どう進めれば良いのか」と相談をもらうケースも多いと言います。
「私たちの強みは、全国の交通事業者さんとつながり、事業者のさまざまな課題に向き合うなかで、リアルな課題を普段から耳にしていることです。事業者さんの課題解決につなげると同時に、その声を行政に届けてアシストする。そういう“間の役割”だからこそ、できることがあると思っています。WILLERグループとして、移動・交通、観光というこれまで培ってきた知見を根っことして持ちながら、地域の実情に合わせてカスタムし、最適解を組み合わせて提案の幅を広げていきたいです」
メンバーと接する上で大事にしているのは、“考えることの面白さ”を伝えること。あらかじめ用意されたメニューを提案するカタログセールスではないからこそ、向き合っている企業や自治体などのパートナーが何を目指し、どこに課題があるのかを一緒に考えていきたいと、清水さんは話します。
「何か課題が見えてきたときに、私が先に意見を言ってしまうと、メンバーはそこに合わせがちになります。なので、必ず先に『あなたはどう思う?』とメンバーに聞くようにしています。答えそのものだけでなく、なぜそう思ったのか、どういうプロセスでその考えに至ったのかも聞いていく。すると、『そういう視点があったのか!』と私自身の気づきにもなり、チーム全体の提案の精度が上がっていきます。私が培ってきたノウハウがメンバーに渡り、メンバーからは新しい視点が返ってくる。その相乗効果で、面白い提案を生み出していけたらと考えています」
室長という役職に就いたのは、「任されたからという側面が大きい」そう。でも、そこから見える景色は、以前とは確実に変わっていました。
「前までは『自分で全部やらなきゃ』と気負っていたところがありましたが、今は、複数の視点から意見を出し合えるチームのほうが最終的に良い成果が出ると実感しています。今後3年、5年先の未来を考えていっても、若手が活躍して伸びていく組織は強い。“成果が同じなら誰がやっても一緒”ということではなく、人材育成によって生まれた成果には、大きな意味があります。その視点は、管理職になってはじめて得たものです」

できない理由は探さない。実現できる方法を考えていく

入社時から変わらず今まで思い続けているのは、“できない理由を探すのではなく、どうやったら実現できるかを考えよう”ということ。清水さんにとって“考える”とは、「目指す場所と今の自分の間にある空白を、どう埋めるかを描く作業」だと話します。
「階段を引いたり、坂道を作ったり、ぐるっと回り道をしてみたり。自分だけでは届かなくても、誰かの力を借りることで辿り着けるのなら、周りをどう巻き込んでいくのかを考えていきます。いろいろな線を引くのが好きだし、そうして仕事をしたほうが絶対に楽しい」
仕事をするうえで、「一瞬一瞬、そのときの自分を好きでいられるか」を大切にしていると話す清水さん。「それをしている今の自分は好きかどうか」を、日々選択する中での指標のひとつとして大事にしているそうです。
だからこそ、「自分が楽しいと思っていないと、良いパフォーマンスはできない」と語ります。目の前の仕事に楽しみや面白さを見出していく“考え方のコツ”はあるのでしょうか。
「“働く”うえで自分が何を大事にしているのか、立ち返って自分と対話してみることが大切だと思います。それは、仕事をする中でも変わっていくものです。例えば私は、いろいろな企業や自治体の方と出会い、新しい考え方、それまで持っていなかった視点に触れられるのがとても好きです。難しい課題にぶつかるたびに、人との出会いが自分の可能性を広げてくれると実感してきました」
これまでのキャリアを振り返ると、「30代前後で転職を悩んだ時期もあった」と語る清水さん。ただその絶妙なタイミングで「こんなプロジェクトに挑戦しないか」と上司に背中を押され、新しいミッションに面白さを見出してきたのだそう。
「私自身が日々、『もっと、こういうことがやりたい』と周囲にどんどん発信していたのも大きかったと思います。皆さんも、もし、『こういうことが好き』、『こういう仕事をしているときにワクワクする』と整理できたら、それを上司や仕事を任せる立場の人に伝えてみてはいかがでしょう。一歩踏み出して伝えてみることが、思ってもないボールをもらえるチャンスにつながるはずです」


→「前編記事





~あわせて読みたい記事~
◇目指すあり方は、“変化し続けられる人”であること(株式会社TRUNK 松井美侑季さんのインタビュー)
◇今まで見たことのない“空の景色”を作り上げていきたい(株式会社ZIPAIR Tokyo 安田美智子さんのインタビュー)





写真:MIKAGE
取材・執筆:田中 瑠子

  • line
  • リンクトイン

RANKINGランキング

  • 週間
  • 月間