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マイキャリアストーリー

『自分を掘り下げ考える時間を大切にしてほしい』
サントリーウエルネス・コンタクトセンター 廣瀬奈加子さん【前編】

誰しも迷うキャリアの決断。先輩たちはいつ、何に悩み、どう決断してきたの? 現役で活躍し続ける女性たちに、これまでのキャリアの分岐点と、決断できた理由を語っていただきます。

今回は、サントリーウエルネス株式会社 コンタクトセンターの廣瀬奈加子さんにお話を伺いました。

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廣瀬 奈加子(ひろせ なかこ)さん

サントリーウエルネス株式会社 コンタクトセンター スペシャリスト
薬剤師 NR・サプリメントアドバイザー

薬学部から研究開発職へ。内なるモチベーション探しに苦戦した

「セサミンEX」「DHA&EPA+セサミンEX」などの健康食品のほか、スキンケア商品などの通信販売事業を展開するサントリーウエルネス株式会社。廣瀬奈加子さんは、お客様からのお問い合わせやご意見などに対応する「コンタクトセンター」のスペシャリストとして、2000人弱のオペレーターの研修や育成を担っています。

大学では薬理学を専攻し、薬剤師の資格を持つ廣瀬さん。その頃サントリーは薬の研究開発部門を持っており、「大学の先生に勧められるままに」入社を決めたといいます。
「入社当時は、男女雇用機会均等法の制定前。社会全体に、“女性は結婚・出産を機に退職する”という前提がありました。私は薬剤師の資格を持っているので、会社勤めを辞めても仕事は続けられるかな…などと考えていました。ゼミの先生にサントリーを勧められたとき、最初に思ったのは、『お酒が好きな両親だから、サントリーなら喜んでくれるだろう』ということ(笑)。研究職として何か成し遂げようといったモチベーションはまったくありませんでした」
もともとは、「お医者さんへの憧れがあった」という廣瀬さん。ただ、金銭面をはじめ、医学部進学へのハードルの高さを実感し、同じ医療領域のほかの道を探そうと薬剤師を目指したと話します。
「近所のクリニックに行くと、どうしたんですか?と優しく話を聞いてくれるお医者さんがいて、私もこんな風になりたいな、と子どもながらに思っていたんです。患者さん一人ひとりの気持ちに寄り添って、不安を取り除き、困っている人を助けられる仕事っていいなと。今思うと、コンタクトセンターでお客様に対応する仕事に、共通する要素があったのかもしれません」
サントリーに入社後は、薬の研究開発部門に配属され、以来18年間、研究員としてキャリアを重ねていきます。薬になりうる物質の効果効能や安全性を検証する仕事で、学んできた専門性を生かせる領域でした。ただ、自分の中では「やりたいことはこれだ」という感覚を持てずにいたといいます。
「周りの同僚や先輩たちは、『こんな薬を考え出そう』『物質を見つけ出そう』『研究結果を論文で発表しよう』と、熱意を持って日々研究に没頭していました。私は、そんな皆さんほどの意欲を持てないまま、サポート業務として実験結果のデータ集計や分析などの仕事を担当。周りを支える役割に、唯一、自分の価値を見出していました。
結婚や出産などのライフイベントがあれば、とくに何の疑問も持たずに辞めていたのかもしれません。たまたまそういったご縁がなかったので、漫然と仕事を続けていた…というのが、当時の状況でしたね」

事業譲渡という会社の決断が、ターニングポイントになった

大きな転機は40代に入って訪れます。サントリーが、薬の研究開発部門をほかの会社に事業譲渡することを決めたため、廣瀬さんを含む研究員は皆、選択を迫られることになったのです。
「他社に移ってこれまで通り薬の研究開発を続けるか、どんな仕事を担当するかわからなくてもサントリーという会社に残るか。いずれかの道を、約1年かけて選ぶことになりました」
このときが、自分は何がしたいのか、どんな働き方がしたいのかを真剣に考える、人生のターニングポイントになったという廣瀬さん。
「研究開発の仕事を続ければ、勤務地や業務内容が大きく変わることなく、これまで通りの環境で生活もできます。一方でサントリーを選べば、全国勤務となるため、どこでどんな仕事をするかわかりません。
両親と離れるのも大変かな…などと、いろいろなことを考えすぎてわからなくなっていたとき、妹から『お姉ちゃんは何がやりたいの?』とストレートに聞かれてはっとしました。『周りのことは気にせず、自分が一番やりたいことは何か。最後は自分の気持ちで選んだほうがいいんじゃない』と。振り返れば、薬の仕事になかなかモチベーションを持てなかったときも、サントリーという会社の人のあたたかさ、困った人を見放さない優しさがあったから続けてこられた。『やってみなはれ』という創業者の言葉に象徴される自由な風土もとても好きだったので、この会社に賭けて、残ろうと決めました」


「後編」に続く





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写真:MIKAGE
取材・執筆:田中 瑠子

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