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マイキャリアストーリー

『 “楽しく働ける環境”を自ら作りにいく』
第一三共・グローバルDX デジタル&テクノロジー部 福間明子さん【前編】

誰しも迷うキャリアの決断。先輩たちはいつ、何に悩み、どう決断してきたの? 現役で活躍し続ける女性たちに、これまでのキャリアの分岐点と、決断できた理由を語っていただきます。

今回は、第一三共株式会社 グローバルDX デジタル&テクノロジー部の福間明子さんをインタビュー。子育てとの両立やマネジメントポジションへの挑戦など、キャリアの中で感じた葛藤とその乗り越え方についてお話を伺いました。

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福間 明子(ふくま あきこ)さん

第一三共株式会社
グローバルDX デジタル&テクノロジー部
ビジネスエンゲージメントグループ長

手に職をつけたいと、
高1で見据えた進路が今につながる

― 「革新的医薬品を継続的に創出し、多様な医療ニーズに応える医薬品を提供する」をミッションに、多くの新薬を生み出している第一三共。福間明子さんは、新卒入社以来、薬の副作用を評価・分析・報告する部署から、新薬の研究開発関連職、広報・IR(Investor Relations)などを担当。2021年より、デジタル&テクノロジー部にて社内ITの導入などを進めています。
“薬に携わる仕事”に興味を持ったのは高校1年生のときだったと語る福間さん。手に職をつけて働きたいという思いが、「薬剤師」という仕事への関心につながっていったといいます。
「小学6年生から中学3年生までアメリカで過ごしたこともあり、当初は英語力を生かして外交官になりたいと思っていました。でも、帰国後に“帰国子女枠”のある高校に入ったら、周りの英語力の高さに自信喪失…。そんなときに、実験好きな化学の先生に出会い、ものづくりの面白さを知ったことから、理系に進もうと考え始めました。
母は専業主婦でしたが、叔母はバリバリと働いていて、その姿がカッコよかった。自分も自分の力で生きていきたい、そのためには手に職をつけなくちゃと考えた結果、大好きな実験もできる薬学部に進学しようと決めました」
― 進学した薬学部は、「午前中は座学、午後はずっと実験」という授業スタイルで、実験を通じて薬づくりを学べる、飽きることのない環境だったそう。その後、就職先として製薬会社を選んだのは、実習で病院薬剤師の仕事に触れたことがきっかけでした。
「実習に行ったのは、あるがん専門病院。小児がんの子どもたちの処方箋に携わったり、無菌室に入る子どもたちのための水の消毒などを担当しました。闘病中の子どもたちの姿を薬剤部から目の当たりにし、『私は治療につながる薬を作る側で、子どもたちの力になりたい』と製薬会社に進むことを決めました」

自分が求める働き方へ、
社内転職制度で環境を変えた

― 旧三共に入社後、配属されたのは薬の有害事象を扱う部署でした。自社の薬を使って何らかの有害事象が生じた際に、その内容を確認、評価・分析し、薬との関係性が否定できず、それまで知られていない有害事象であれば、厚生労働省への報告を進める仕事です。 約15年間在籍する中で、2年間のアメリカ駐在も経験した福間さん。大きな転機は帰国後に訪れました。
「アメリカから帰国後に、結婚、出産を経て復職したんです。せっかく駐在に行かせてもらったのだから、その経験を生かしてグローバルに働きたいと思っていました。でも、当時の上司からは、育児に支障が出ないように時差によって夜遅い対応が求められる海外との業務はしなくていい、と言われてしまった。私がどんなに、この仕事がやりたい、夫や両親の協力もあるから大丈夫だと言ってもなかなか就けなくて…。悶々としていたときに、たまたま社内転職制度の存在を知り、知ってる人も多く、創薬により近い研究開発本部への応募を決めました」
― 異動先の研究開発本部では、新薬開発のプロジェクトマネジメントを担当。それまでの業務とはまったく違う、まさに“転職”のような変化だったといいますが、それでもチャレンジできた理由は何だったのでしょう。
「一番大きな出来事は、娘が保育園になかなか慣れなかったことでした。毎朝、行きたくないと大泣きする娘をなんとか保育園に預けて仕事に行く毎日。そんな中で、仕事にモヤモヤを抱えている自分がいた。『私は何のために働いているのだろう』と自問する中で、『働くと決めたのなら、楽しく働ける部署を探そう』と思ったんです」
― ちょうどその頃、人事部主催の女性キャリア支援の研修プログラムに参加したことも、行動を起こす一つのきっかけになったといいます。
「さまざまな部署で働く女性に出会い、出産後もいきいき働く先輩に話を聞いて、『社内にはこんなにイキイキと色々な仕事をしている人がいるんだ!』と目から鱗が落ちました。悶々と悩んでいるくらいだったら、新しい環境へと自分から動かなくちゃと思えました」
― プロジェクトマネジメントは、スケジュール調整や予算配分を考えながら新薬開発が円滑に進むよう開発担当メンバーなどをサポートする仕事でした。担当したのは血液が固まるのを防ぐ薬と、がんの痛みを抑える疼痛剤の開発プロジェクト。異動当初は、会議で交わされる専門用語が一切分からず議事録も書けないほどでしたが、約1年間、先輩とペアで仕事を進める中で覚えていったといいます。
「研究開発本部では、医療現場を知るために病院実習の機会があり、私が担当していた薬が実際に使われているところを見ることができました。また、がんの疼痛剤のプロジェクトでは、末期がんの緩和医療の担当看護師さんから、痛みが和らいだことで最期の時間を家族と自宅で過ごすことができた患者さんの話を聞くことができ、疼痛剤の重要性を知ることができました。薬づくりで社会の役に立ちたいという、学生時代に抱いた思いがつながった瞬間でしたね」
― プロジェクトマネージャーとしてチームビルディングを学べたことも、今につながる大事な糧になっていると話します。
「開発を進める中で、さまざまな調整業務が発生します。例えば、臨床試験のタイミングで治験薬がほしい臨床開発側と、他の新薬開発との都合でスケジュールを合わせるのが難しい製造側との間で、デリケートなスケジュール調整を行うこともあります。
お互いが置かれた立場を考えてコミュニケーションをとることはもちろん、時に工場に出向いて、懇親の場やプロジェクト進捗共有の場を設けたり、試験の計画段階から製造部門の人にミーティングに入ってもらうこともありました。どの職種の方にも、『このチームの一員である』と思ってもらえることが、プロジェクトを円滑に動かしていくために大切なことだと考えたからです。
その後、広報を経て、現在のデジタル&テクノロジー部に来ましたが、プロジェクトマネージャーとして多方面に差配する仕事のやり方は、今でも役立っています」

「後編」につづく


■福間明子さんのインタビュー動画





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写真:MIKAGE
取材・執筆:田中 瑠子

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