『目指すあり方は、“変化し続けられる人”であること』<br>TRUNK・プランニングディレクター 松井美侑季さん【後編】のイメージ画像

マイキャリアストーリー

『目指すあり方は、“変化し続けられる人”であること』
TRUNK・プランニングディレクター 松井美侑季さん【後編】

誰しも迷うキャリアの決断。先輩たちはいつ、何に悩み、どう決断してきたの? 現役で活躍し続ける女性たちに、これまでのキャリアの分岐点と、決断できた理由を語っていただきます。

今回は前回に引き続き、株式会社TRUNKでTRUNKアトリエ プランニングディレクターを担う松井美侑季さんをインタビュー。子育てとの両立で得た気づきや行動、マネジメントで大事にしている考え方についてお話を伺いました。

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松井美侑季(まつい・みゆき)さん

株式会社TRUNK
TRUNKアトリエ プランニングディレクター プロジェクトリーダー 採用担当
大学卒業後、教育関連企業を経てテイクアンドギヴ・ニーズに入社。ウェディングプランナーや人材育成、広告、マーケティング、商品開発職などを経て、2019年にTRUNKに入社。

自分なりのワークスタイルを周りに宣言。働きやすい環境を作ってきた

- 2019年に、ウェディング事業を手掛ける親会社テイクアンドギヴ・ニーズからTRUNKに入社した松井さん。子育てと両立しながら、ウェディング事業の広告づくりや商品開発、現職でのホテルの企画立案など、さまざまな職種を経験してきました。
子どもが生まれたことで仕事観に変化があったのかを尋ねると、「ずっと働き続けていくという意志がより強くなった」と返ってきました。
「子どもの人生にも、家族の時間にも向き合って、自分自身のプライベートも大切にしたい。自分の人生を妥協せず、仕事もすべて、やりたいことは全部やりたいんだ!と、貪欲さが増しました(笑)。
子育てをしていると、どうしても子育て以外に投じられる物理的な時間が減ってしまうため、仕事やプライベートが制約されがちです。それを実感したとき、“子育てによる制約をキャリアの制限につなげたくない”と強く思ったんです」
- では、制約がある中で、仕事にも妥協なく向き合うためにはどうすればよいのか。松井さんは、それを実現できる環境を自分で作っていこうと、周りとのコミュニケーションを変え始めたといいます。
「仕事に復帰したばかりの頃は、子どものことで休みを取ったり、早退したりすることに後ろめたさを感じていました。でも、申し訳ないという気持ちのままチームで仕事をしていくのは、お互いに気持ちよくありません。
そこで、周りに『私はこういう働き方で成果を出します』と伝え、少しずつ理解を得ていこうと考えました。16時に帰って夜に仕事を終えたり、早朝に出社したりと、自分が続けられる働き方で、『こんなやり方になりますが、一緒にやっていきましょう』と発信を続けていきました。今、理解のある恵まれたチーム環境で妥協なくお仕事ができているのは、自分なりに工夫して周りとコミュニケーションを積み重ねてきた結果でもあると思います」
- 松井さんは、家族とも、「どんな仕事をしているのか」、「どんなキャリアを目指しているのか」などを話すことが多いそう。
「やっていること、考えていることを伝え、理解してもらえるように対話を重ねることは、自分が自由に動ける環境づくりにつながります。それは、家族でも仕事のチームメンバーでも同じことだと思っています」

メンバーの経験・スキルを尊重し、一緒にホテルづくりを担う

- 現在、TRUNKアトリエ 企画チームのリーダーとして2人のメンバーと働く松井さん。専門スキルと経験の豊富なメンバーに恵まれ、「部下というより、同じ目標に向かうチームの仲間」と話します。
「メンバーは2人ともホテル事業に精通していて、私以上に専門的な経験を持っています。そんな2人をマネジメントするというよりも、チームをまとめる役割を私が担っているだけという感覚です。それぞれの強みやいいところを生かして、チームの力を最大化することを目指しています」
- メンバーに強みを発揮してもらうために、リーダーとしてやるべきことは「向かう方向を示すこと」だと話す松井さん。大切なのは、細かな指示よりも、個人の得意領域へのリスペクトだといいます。
「TRUNKには、ブランドとして大事にしていること、表現のトンマナ(デザインに一貫性を持たせるためのルール)など、ホテルづくりで守るべき指標が明確にあります。そこは自分がよく理解し、方向性に大きなズレが生じないよう引っ張っていく必要があるでしょう。
でも、型にはめてまとめるという意識はあまりなくて、メンバー一人ひとりが持つ専門知識やノウハウを信頼し、任せながら、一緒にホテルを作っていきたい。みんなが気持ちよく、それぞれの強みを最大限に発揮できる環境が、チームの力を高めていくのだと考えています」

期待以上の仕事をお返しすることで、新たな仕事が舞い込んでくる

- マネジメントポジションは、会社からチャンスを与えられたことをきっかけに挑戦したといいますが、視野を広げるために、今後もマネジメント経験を重ねていきたいと話します。
「経験がなくても挑戦を後押ししてくれるのがTRUNKのいいところ。一方で、やりたいことがあるのなら、それができる環境を自分で作る努力も大事だと思っています。会社が目指す方針や、ホテルで実現したい世界観を踏まえつつ、自分だったらもっとこう改善したい、ここが足りないのではないか…と自分事として捉えることを常に心がけています。
特定の専門分野一本でやってきたわけではないからこそ、周りを頼り、巻き込み、周囲の人の力を最大限に引き出していいものを作っていくことが得意なのかもしれません」
- 自ら周りを巻き込みつつ、逆に周囲からの「この仕事をお願いしたい」というオファーにも巻き込まれながらキャリアを重ねてきたようにも見えます。舞い込んだ依頼をチャンスに変えていくために、何を心がけてきたのでしょうか。
「私は、根っからの“ホスピタリティ業界好き”なんです。誰かのために誠実に仕事をしたい、という気持ちが強くて、頼まれたものには期待以上のものをお返ししたい。その積み重ねが信頼を作り、次の仕事につながっているのかもしれません。」
- 最後に、これから松井さんがTRUNKでチャレンジしたいことを尋ねてみました。
「やりたいことはいっぱいありますが、TRUNKで働くみんなが自分の理想のライフスタイルを諦めずにキャリアを重ねられるような環境をつくっていければと考えています。そのために、周囲を巻き込み、ときに巻き込まれながら、しなやかに変化し続ける人でありたいです。」

→前編はこちら





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写真:MIKAGE
取材・執筆:田中 瑠子

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