もう時間に追われない!女性管理職のための時間管理術 のイメージ画像

管理職ラボ

もう時間に追われない!女性管理職のための時間管理術 

現代の女性管理職は、自身の業務をこなしながら、チームのマネジメントも担う多忙な日々を送っています。さらに家庭との両立も求められる中で、「時間がない」という悩みは誰しもが抱えるもの。今回は、時間術の専門家である吉武麻子さんが、時間に追われるのではなく、自分で時間をコントロールする方法を解説します。前後編、前編です。

 監修者:吉武 麻子(よしたけあさこ)のイメージ画像

監修者:吉武 麻子(よしたけあさこ)

TIME COORDINATE株式会社代表取締役
大学卒業後、旅行会社勤務を経て、26歳で韓国留学。その後、現地法人でキャスティングディレクターとして24時間365日仕事に追われる日々を過ごす。帰国後、キャリアとライフイベントの狭間で葛藤した経験から、疲弊せずに毎日を楽しみながら仕事のパフォーマンスもあげていく「タイムコーディネート術」を考案し、のべ4000名以上に指南。著書に『目標や夢が達成できる 1年・1カ月・1週間・1日の時間術』『無駄をスッキリさせて、人生の質を高める 時間デトックス』など。プライベートでは2児の母。

女性管理職が「時間がない!」と感じる2つの理由

ー特に女性管理職ならではの陥りやすい時間の悩みのパターンは?
吉武:大きく分けて2つあります。1つ目は、「任せていく」ことがハードルになっているパターン。管理職になる女性はプレイヤーとして実績を出されてきた優秀な方が多いです。部下に業務を任せることが大切だと頭ではわかっていても、「自分がやった方が早い」「自分の方がクオリティを保てる」という思いに引っ張られ、実際は任せきれないという状況になり、とにかく忙しくなってしまいがちです。

2つ目が家庭との両立です。例えば未就学児の育児中ですと、保育園のお迎えの時間が決まっています。その時間を守るためには、単純に働く時間を制限しなければなりません。そして職場やパートナーとの細かい調整も必要です。時間の限りがある中で、周囲と調整しながら働く環境を整備するのは結構厳しいもの。ここでも「調整のために職場やパートナーと話している時間がもったいないから、家事も育児も仕事も自分でやってしまおう!」というパターンに陥ってしまう方は少なくありません。

「忙しいから時間がない」ではない?まずは「時間のコントロール権」を取り戻そう

ー「時間がない」と感じる時、見落としているポイントは?
吉武:そもそも、現代社会においては、忙しい人が大半だと思います。忙しいから物理的に時間を生み出していこうと考えるのではなく、忙しくても時間のコントロール権を自分で握ることが大切です。

時間のコントロール権を握っている状態というのは、忙しい中でも自分で納得感がある時間の使い方をしていること。しかし、仕事も家庭も、とにかく来たものに全て対応する状況になってしまうと、コントロール権を握れていないと言えます。そうすると「時間がない」「忙しい」と疲弊してしまうのです。‎

従来の時間管理は、時短効率化を活用して隙間時間を生み出し、コツコツと小さなことをこなし、より多くのことをこなしていくことを目的としていました。しかし、それではタスクの「わんこそば状態」です。1つの仕事が終わったら次の仕事がやってきて、家事をやったら次の家事がやってくる…というように、永遠に新しいタスクが発生し、時間に追われ続けてしまいます。

そうではなく、わんこそばに蓋をするように、自分自身で「私がやれるのはここまでです」と蓋を閉める。そうすることで、時間のコントロール権を握ることができます。

ー時間のコントロール権を握るために、具体的にどのようなアプローチが必要?
吉武:まずは、どのような時間の使い方をすれば、ベストパフォーマンスを出せるのかを知ることです。どれくらいの忙しさだと体調が悪くなるか、睡眠や休暇はどれくらい必要なのか、生理周期によってどの週はどれくらい働けるのかなど。また、どんな状況だと集中ができるかなども、振り返ります。

自分がフラットな精神状態でいられるための時間の使い方を知っておくと、忙しくても右往左往せずにいられると思います。

フラットな精神状態でいるためには、パフォーマンス力の土台になる睡眠時間を確保することが最も重要です。現実と理想の睡眠時間を算出した上で、理想の睡眠時間をまず24時間から引きます。残った時間が使える時間です。

さらに、自分のための時間=自分時間も大切です。家庭と仕事の両立で自分時間まで全部削ってしまうと、やはり精神的にもきつくなってきます。1週間に1度の趣味でも、毎朝15分間の朝ドラ鑑賞でも、自分を安定させるための自分時間はどれくらい必要なのか、把握しておきましょう。

その上で、自分が目指したい・後悔しない人生とは何かを考え、その中で仕事の時間をどう使うかを組み立て、24時間をどう過ごすかを決める。そうすれば、自分が心地よく、楽しく、居心地よく過ごせる時間の使い方ができて、時間のコントロール権を握ることができます。

時間の使い方は、人生において何を大切にしているかという価値観の部分がベースになってくるので、100人いたら100通りあると思います。ただし、1日が24時間と限られているのは平等。やりたいことを詰めると、結構24時間を越えてしまうこともあって。24時間の中で、働く私、親としての私、個人としての私、家を整える私、娘としての私、妻としての私、地域活動の一員としての私…など、様々な役割に対して具体的に何時間使うか割り振ってください。

そして現在、何に何時間使っているのか具体的に数字で出してみてください。時間の使い方で、現実と理想でギャップがある部分を埋めるためには、今抱えているものを手放していく必要があります。優先度を書き出して、手放せるところから手放していく。すると時間の使い方が、理想に徐々に近づいていきます。

時間に追われなくなると、自分も大切な人ももっと大切にできる

ー時間管理がうまくいくと、どのような変化が起こる? ‎
吉武:今まで何となくやってきたことが、目的がなかったことだった、人生に役立つことではなかったと気づくこともあります。そういったことを手放して、自分にとって大切なことに時間を使えるようになるので、自分自身も周りの人も大切にできるようになりますよ。

また、自分の時間はないと思っていたけど、録画した朝ドラを15分間見るだけで、すっきりして、次の日にモチベーション高く動けるという方もいます。要は何が自分にとって必要で、不要かが明確になるので、実際の忙しさは変わってないけど、負担が減ったという方は結構いらっしゃいます。 ‎

あとは「ありがとうの魔法」が解けたという方もいますね。仕事で「ありがとう」と言われることがモチベーションになっていたけど、それだと他人軸での時間の使い方しかできず、疲れてしまいます。人に合わせて働いていると、本来、一番大切にしたい家族を後回しにしてしまうことも。時間の使い方を整理することで、自分自身や自分が大切に思うことに使えるようになり、気持ちが楽になったという変化が起きます。

ーー


後編では、仕事やマネジメント、家庭との両立において、時間のコントロール権を握るための具体的な方法を解説します。


(取材・執筆/菱山恵巳子)


  • line
  • リンクトイン

RANKINGランキング

  • 週間
  • 月間