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社員の成果に結びつくモチベーション管理とは?管理のポイントを紹介

社員のモチベーション管理は、組織にとって重要な課題の一つです。モチベーションの高い社員が多くいるチームは、高い生産性や離職率の低下が期待できます。

 

では、どうすれば社員のモチベーションを維持できるのでしょうか?この記事では、社員のモチベーション管理のポイントや、管理職や企業が取り組める具体的な方法を解説します。

モチベーション管理とは

「モチベーション管理」とは、社員のモチベーションを高い状態で維持・管理することです。社員のモチベーションが低下してしまうと、生産性の低下や離職率の増加など、会社の業績悪化につながるようなマイナス面の影響も出てしまいます。

モチベーションは、その時の仕事の状況やプライベートなど様々な要因に影響されて変化するものでもあります。企業は、組織として社員に積極的に関わり、意図的にモチベーションの維持・管理をすることで、社員のモチベーションをなるべく低下させないことを意識する必要があります。

モチベーションの種類

モチベーションには「内発的動機づけ」と「外発的動機づけ」の2つの種類があります。モチベーション管理をする時は、この2種類それぞれに対して対策を考えることが大切です。

内発的動機づけ

内発的動機づけは、人の心の内部から生まれるモチベーションが上がるきっかけを指します。例えば、「与えられた仕事に対する興味や関心」「仕事に対してのやりがい・充足感」「達成感」など、個人の内側から起こる感情がモチベーションに繋がります。

やりがいや興味関心は個人により異なるものです。そのため、内発的動機づけに万人に有効な方法はありません。その代わり、一度、内発的動機づけによりモチベーションに火がついた場合、高い状態でモチベーションを維持することも可能です。

内発的動機づけの方法は個人に依存するため、企業や人事が組織的に行うよりも、上司や本人が個々にあった方法で取り組むことが重要です。

外発的動機づけ

外発的動機づけは、外部からのモチベーションが上がるきっかけを指します。

具体的には「報酬を上げる」「高評価をする」「希望の仕事内容へのアサイン」などの報奨に関わるもの、「成績に応じたボーナスカット」や「辛口の評価」などの罰に関わるものなどがあります。

ちなみに、報奨と罰は高い割合で社員のモチベーションを引き上げることができますが、多くの場合は一時的な効果しか得られません。報奨や罰則による動機づけは継続しないこと、乱発すれば効果は薄まることに留意しましょう。

また、外発的動機づけは、管理職個人から部下へ与えるのは簡単ではなく、企業や人事がタイミングを見極めながら、組織として取り組むことが重要になります。

管理職によるモチベーション管理の方法

続いて、社員のモチベーション管理をするための具体的な方法について説明します。まずは管理職による社員のモチベーション管理の方法です。

コミュニケーションの量と質を確保する

管理職が行うモチベーション管理は、主に内発的動機づけが中心になります。つまり部下の興味や関心を知り、仕事に対してのやりがいや充足感・達成感を得る手伝いをする方法です。

そのためにはまず部下の人となりを知ることがとても大切です。特にチームや部署の発足当時は相手のことを知るチャンスです。

あなたが少人数のチームのリーダーであれば、週に一回など定期的に部下とのミーティングを設けるのも良いでしょう。「この人は自分のことを気にかけてくれている」という安心感や、「上司とミーティングをしたらやる気が出る」「詰まっていた仕事が前へ進む」などの充足感が得られれば、部下のモチベーションを維持することができるでしょう。

部下個人の力を引き出すマネジメントについては、ぜひ「ピープルマネジメント」の記事をご覧ください。
「人」で組織を強める「ピープルマネジメント」とは?手法や注意点を解説

具体的な目標設定を行う

具体的な目標設定を行うのも、モチベーション管理には良い方法です。

仕事の達成感を得るためには、達成するためのゴールがあった方が分かりやすいものです。ただしあまりに高い目標を設定しては、ゴールに届かず逆にモチベーションを下げる要因になってしまいます。

目標を設定する時は、個々の能力や性格に合わせて、適した目標を設定するように心がけましょう。また、目標は曖昧なものではなく具体的なものにすることが重要です。数字などの定量的な目標や、「できた・できなかった」が明確なものが好ましいです。さらに、結果が出るまでに時間がかかる長期の目標とは別に、毎週毎月振り返れるような短期の目標を定めるのも良いですね。

目標設定のコツについてはぜひこちらの記事もご覧ください。
管理職の目標設定のコツ。組織やメンバーを成長させるための考え方

フィードバックを行う

目標を設定したら、定期的なミーティングで進捗を振り返り、フィードバックを行うようにしましょう。

自分の仕事がきちんと成果につながっているかどうかは、短期間ではわかりづらく、モチベーションも途切れてしまいがちです。そこで、短期的な目標の確認や、直近の部下の仕事がどのようなものだったかをこまめにフィードバックする機会が必要になります。

企業によるモチベーション管理の方法

続いて、企業が取り組む社員のモチベーション管理の方法を解説します。

チーム制・メンター制度の導入

チーム制やメンター制度を導入することも、社員のモチベーション管理に適した方法です。

一般的に、社内のコミュニケーションが活発になり、周囲の環境が良好であるとモチベーションは維持される傾向にあります。チーム制、メンター制と、社内の人と関わる単位を小さくすることで、社員同士や上司と部下の結びつきを強めることができます。

大きな部署でたくさんの同僚がいると、広く浅くの付き合いになり、モチベーションを高めるようなコミュニケーションを取ることの難易度は上がってしまうのです。

社内コミュニケーションの効果についてはぜひこちらの記事もご覧ください。
社内コミュニケーションを活性化する重要性とは?事例を紹介

研修の実施

モチベーション管理の一環として、研修の実施も効果的です。

業務に関するスキル面の研修は、仕事への興味・関心を持つきっかけになるかもしれません。また、セルフマネジメントやキャリアに関する研修であれば、自分の中にあるやりがいを見つけるきっかけとなるでしょう。

研修を実施する際は「受講する研修の内容が今の仕事においてどう活用できるか」などのアクションプランを考えるプログラムを入れるのも良いでしょう。研修の内容と日頃の仕事とを結びつけることで、明日からやりたいことが生まれたり、目標が生まれ、高いモチベーションを生み出すことができます。

ITツールの導入

社員のモチベーション管理を行うためには、社員の状態を知ることが大切です。人事評価や社員の状態を把握するためのシステムを導入するのも有効です。

社員のデータを一覧で見ることができ、以前のデータとの比較が容易になれば、モチベーションの源泉や上下も把握しやすくなります。

成果を他者に共有する

社員が出した成果や成功までのプロセス、また努力のプロセスを上司と部下間だけでなく、他者に共有することも、モチベーション向上につながります。そのための表彰式やチーム会を設けるのも良いでしょう。

内発的動機づけによる充足感は目標達成によっても満たされますが、「自分の能力が他者に認められた瞬間」「周囲に必要とされている状態」でも感じることができます。他者に褒められる・認められる機会を、企業が意識して作っていくことが大切です。

まとめ:適切なモチベーション管理で生産性を上げよう

社員のモチベーション管理は自然に任せるだけでは足りません。管理職や企業が意識的に行っていくことで、優秀な社員の離職を防ぎ、生産性の高い組織を実現できます。

適切にモチベーション管理をして、社員の士気が高く、成果が生まれる環境を目指しましょう。

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