セルフマネジメントとは?必要な能力・高め方・メリットを解説のイメージ画像

管理職ラボ

セルフマネジメントとは?必要な能力・高め方・メリットを解説

自分らしい生き方・働き方を実現する選択肢が増えている今の時代ですが、それを実現するためには実は「セルフマネジメント力」を磨くことが大切です。この記事では、セルフマネジメントを効果的に実践するポイントを解説します。

セルフマネジメントとは何か? 大切な理由

セルフマネジメントとは、直訳すると「自己管理」です。自分が実現したいことや目標達成に向けて、自分の心・技・体・行動をコントロールし、現状をより良い状態へと改善していく力が「セルフマネジメント力」です。

ダイエットに例えると、本気で体型や体質を改善したい場合、目標の体型に向けて食事・運動・睡眠などさまざまな行動を自己管理によって改善します。つまり、セルフマネジメントは、目標達成のための手段なのです。

具体的な目標やあるべき状態が定まっているならば、セルフマネジメントによって適切なプロセスを意識的に歩むことで、達成確率を高めることができます。たとえ目標が達成できなかったとしても、自己管理されたプロセスを歩んでいれば、その時間は人生の充実度を必ず高めてくれるのです。

逆に言うと、目標達成にこだわらなければ、気の向くままに暮らしていても構わないわけです。もちろん、法律や最低限のマナーは守ることが前提ですが、自分の正直な気持ちを大切にしたくなる時は多いものです。ただし、日本では周囲に迷惑をかけないようにすることが重要視されており、ある程度のセルフマネジメント力は仕事以外の場面でも求められます。

セフルマネジメントが上手くいかない理由

目標達成は基本的に時間がかかるもの。立てた目標が高ければ高いほど、達成されるまでの時間も長くなります。その間、ずっと未達成な状態を意識することになりますから、苦しくなる時もあります。物理的に達成までの距離を実感できないことも多いので、「達成できない自分が悪い」と罪悪感を抱えてしまうことさえあるかもしれません。

実はこのストイック過ぎる姿勢は、セルフマネジメントの継続にマイナスです。「昨日よりも少し良くできたからOK!」「先月は上手くいかなかったけど今月は頑張ったから帳消しかな」といった、“適度なゆるさ”を大切にしてください。

むしろ過度なストイックさは、周囲へ不満をいただく原因となり、最終的には一人相撲となるリスク(そして、その相撲にも負ける)につながるので注意しましょう。

セルフマネジメント力を高める方法

続いて、セルフマネジメント力を高めるために必要な3つのスキルを紹介します。

①自己分析力
セルフマネジメント力を高めるためにも自己分析は重要です。好き嫌い、大切にしていることは何か、どんな時にモチベーションが高まるのか、粘り強さはどのくらいか、得意なことや苦手なことは何か等々。自分を的確に理解しているからこそ、最適なセルフマネジメントの方法を考えられるようになります。
マネジメントスキルを高めるためにも! 管理職がすべき自己分析とは


②PDCA力
自分を理解し、自分の置かれた現状を把握したら、何を・いつまでに・どのくらい変化させたいのかを具体的に目標設定します。1年後に資料作成スピードを2倍にしたい、3年後に海外赴任に挑戦できる英語力を身に着けたい、5年後に管理職に昇進したいなど。目標を具体的に設定します。

小さな目標をちょっとずつ達成していくベビーステップが馴染む人もいれば、一見すると無茶に思える目標に挑戦するくらいの方が燃える人もいます。自己分析を踏まえて、「自分がもっともモチベーションを維持できる良い塩梅の目標」にすることがポイントです。

そして目標を設定したら、達成状況や取り組み内容を定期的に振り返り、問題点を洗い出して、少しずつ改善していきましょう。いわゆるPDCAサイクルですね。負担にならない程度に、3ヶ月や半年に1回程度、ざっくり振り返るだけでも効果があります。


③環境構築力
そして最後が「環境構築力」です。セルフマネジメントという言葉を聞くと、自己管理をひとりで完結することを想像しがちですが、それは違います。そもそも誰もが一人では生きておらず、家族・友人・同僚・知人、濃淡はあれども、他者からの影響を受けていますから、一人で完結していることなどありません。

達成したい目標やこれから取り組むことを周囲に知ってもらい、自己管理がおざなりになっていたら指摘するようお願いする、同じ目標を目指している集団に身をおく等々。周りからの目が向く環境を自らつくりだすことで、周囲の力を借りながら、セルフマネジメント力を高めるのです。

コーチング活用のススメ

セルフマネジメント力を高めるスキルをご紹介しましたが、自己分析やPDCAの精度を自分だけで上げていくのは難しいものです。そこでオススメしたいのがビジネスコーチの活用です。

コーチという言葉はもともと「馬車」のことを指し、「大切な人をその人が望むところまで送り届ける」という意味で使われていました。そこから「人の目標達成を支援する活動=コーチング」となり、コーチングの専門家がコーチと呼ばれています。

良いコーチと対話を重ねれば、新しい視点や気づきを得て、目標達成に向けて望ましい行動を実践することができます。私自身も5年ほど前から隔月1回のペースでコーチングを受け続けていますが、以前よりも格段にセルフマネジメント力が高まり、人生や仕事がより主体的で、手触り感があるものになりました。コーチングの敷居が高い方は、信頼できる上司・同僚・友人に協力してもらうと良いでしょう。

部下の育成につながる! 管理職が身に付けるべきコーチングスキルとは

まとめ

目標達成の確率を高めてくれるセルフマネジメント力ですが、ストイックになりすぎず、適度なゆるさを持つことが重要です。また、的確な自己分析をもとに、PDCAと環境構築を継続すれば、確実にセルフマネジメント力は高まっていきます。

セルフマネジメント力が高まれば、人生や仕事は「自分が作り上げている作品」という実感が生まれ、毎日の充実感が高まります。ぜひ取り組んでいきましょう。



同じ監修者の記事はこちら
「管理職とメンバーの信頼関係構築のポイント」
「管理職に求められる役割と、マネジメントの基本業務とは」
「管理職の目標設定のコツ。組織やメンバーを成長させるための考え方」
「マネジメントスキルを高めるためにも! 管理職がすべき自己分析とは」
「部下のキャリア形成支援のために、管理職が心がけておくべきこと」

監修者:中野 崇のイメージ画像

監修者:中野 崇

Zoku Zoku Consulting 代表 ビジネスプロデューサー/ビジネスデザイナー

早稲田大学教育学部卒。良品計画を経て2005年にマクロミルへ。上海支社の立ち上げ(事業部長)、韓国支社の経営再建(取締役)、SaaS型事業開発・統合マーケティング部門の立ち上げ・グローバルMission/Vision/Value策定(いずれも執行役員)、電通マクロミルインサイトのCEOなど、第2創業期の要職を歴任。課長・部長・執行役員・取締役・代表取締役を経験し、延べマネジメント人数は500名超。2018年よりZoku Zoku Consultingを開業。豊富なマネジメント経験と新規事業開発経験を活かし、新規事業開発×チームビルディングを同時に実現する伴走型・OJT型のコンサルティングを提供している。

https://zokuzoku-design.co.jp/



【著書】『管理職のための数値化技術(日経BP)』、『多彩なタレントを束ね、プロジェクトを成功に導く ビジネスプロデューサーの仕事(すばる舎)』など

【Udemy】『現状分析からはじめるマネジメントの超基本』、『リモートワーク時代のマネジメント術』など多数。

一連のコンテンツを通して、自分らしい生き方・キャリアを実現する、ビジネス基礎スキルの向上ノウハウを発信している。

 

  • line
  • リンクトイン

RANKINGランキング

  • 週間
  • 月間