『仕事を楽しむために自分の“得意”を知ることが大事』
MIXI・みてねプロダクト開発部 小野寺旬さん【後編】
誰しも迷うキャリアの決断。先輩たちはいつ、何に悩み、どう決断してきたの? 現役で活躍し続ける女性たちに、これまでのキャリアの分岐点と、決断できた理由を語っていただきます。
今回は前回に引き続き、株式会社MIXI みてねプロダクト開発部 プロダクト開発Mグループ マネージャーの小野寺 旬さんにお話を伺いました。
小野寺 旬(おのでら じゅん)さん
株式会社MIXI
Vantageスタジオ
みてねプロダクト開発部
プロダクト開発Mグループ マネージャー
働き方の自由度が高い「マーブルワークスタイル」に共感
- MIXIを選んだのは、エンジニアが企画段階からチームの一員として携われる点に魅力を感じたからだと話す小野寺さん。
エンジニアとして手を動かすことだけにとどまらず、企画フェーズや施策の実行段階など、WhatやWhyを考えるところにもエンジニアとして入っていきたい。そんな環境を求めていた小野寺さんにとって、MIXIの働き方は理想に近かったといいます。 - 「転職を考えるなかで、さまざまな会社の情報を収集しましたが、その中でも、『家族アルバム みてね』の事業組織は、エンジニア、デザイナー、プロダクトマネージャー、QA(品質保証)のメンバーがプロダクトを通してユーザーへの価値提供にワンチームで取り組んでいる様子があり、こんな環境で働いてみたいと思いました。
女性向けメディアを手掛けていた前職では、組織体制の変更もあり、企画職と開発チームが分断していく流れがありました。エンジニアが施策に対して意見する機会が少なく、職種を越境しながらコミュニケーションをとっていきたい、と思う私には、やりたい方向性とのミスマッチを感じてしまったんです。
MIXIには、決められたロールだけじゃない幅広いスキルが求められる環境があるだろうと、期待感がありました」
- 2歳児の子育てと両立しながら転職活動をしていたという小野寺さん。働き方の自由度の高さという点でも、MIXIの制度や社風は安心材料だったと話します。
- 「MIXIでは、『マーブルワークスタイル』という働き方が制度化されています。
条件を満たしていれば日本全国どこで働いてもOK、部署の判断でリモートワークも可能となっているほか、フレックス制度もあり、それぞれのライフスタイルに合わせ、成果の出しやすい柔軟な働き方が認められています。
私も、リモートワークが認められているかは重視していました。
ほかにも、家族の体調不良に活用できるケア休暇制度があるなど、幅広い状況を想定して制度が設計されているなと感じています。
さらに、『家族アルバム みてね』を運営する事業部は、サービスの特性上、働くメンバーにも子育て世代が多くいます。子育てしながら働くことがごく自然に受け取られていて、家族の都合で仕事を中抜けしたり早退したりするときも“お互い様”という気持ちで、フォローし合える、とても心地いい環境です。
そもそも、『家族アルバム みてね』には、子どもを持つ家族のためになるサービスとして、プロダクト自体に惹かれていました。エンジニアとしての働き方、子育てとの両立、プロダクトへの思いという3つの観点が揃った、恵まれた環境だなと感じています」
自分と異なる専門領域のメンバーへ、尊敬と感謝を忘れない
- 2024年1月からはエンジニアリングマネージャーに就任。メンバーを持つ立場になり、視界は大きく変わったと話します。
- 「マネージャーになると、事業の経営的な話、予算や人事の話など、メンバーレイヤーでは得られない情報がたくさん入るようになりました。自ら手を動かす時間が減った代わりに、組織や事業のことを考える時間が増えています。エンジニアのメンバーたちがいかに働きやすい環境を用意できるか、足りないリソースがあれば、ほかのグループマネージャーにどう補填できるか相談するなど、先回りして考えるようになりました」
- マネージャーポジションに対して、「積極的になりたいという意志はなかった」と話す小野寺さんですが、MIXIに入り他職種のメンバーとワンチームで動く中で、少しずつ心境が変化していったといいます。
- 「エンジニアとして、企画を考えたり手を動かして改善を重ねたり…という業務が好きでした。マネージャーには、“モノづくりには携わらない調整役”という印象が強く、自分には合わなそうだなと思っていた時期もありました。
でも、今の組織になり、チームのためにできることがあるのならどんどんやりたい、という気持ちが強くなっていったんです。職種の異なるメンバー同士、お互いが尊敬し合いながら一緒にプロダクトを作っていくというプロセスで、チームをいかによくするか。そのためのリーダーシップをどうとるか、を考えることに面白さを感じていったのかもしれません」
- 小規模なチームを組み、権限を持ちながら開発を進めていく。小さく仮説検証を繰り返すアジャイルな開発スタイルが浸透しているMIXIで、小野寺さんは「メンバーへの信頼と尊敬」を意識してきたといいます。
- 「職能が違うメンバーとチームを組んでいるので、自分の専門外の領域で強みを持つ相手へのリスペクトの気持ちはとても大切です。
エンジニア的にはこうだ!と意見を押し付けるのではなく、相手の立場を尊重して、信頼してお任せし、コミュニケーションを取っていく。それが、いい関係を生んでいくと思っています。
マネージャーとしてはまだまだ半人前ですが、一人ひとりの気持ちに寄り添う姿勢は大事にしたい。それぞれの強みや弱みを客観視し、適切にフィードバックをしながら、強みを引き上げていくコミュニケーションがとれるように、私自身も学んでいきたいと思っています」
- エンジニアとして、自らの強みをきちんと理解し、それを発揮できる環境を求めて動いてきた小野寺さん。そんな風に、働く環境を変えながらもステップアップを重ねていくためには、どのように仕事や自分自身に向き合うといいのでしょうか。
- 「自分の強みは、自分一人ではなかなか意識できません。周りからのフィードバックで、気づかされることも多い。私は、評価のタイミングで上司に聞いてみたり、飲み会や同僚とのランチの場で『こんなところが得意だよね』『自然にできていてすごいよね』と言われることを心にとめておいたりして、自分なりの“得意”を見出していきました。
仕事を楽しむためには、自分の強みを知っておくことがとても大切です。今も子育てで騒がしい日々ですが、仕事をポジティブに続けられているのは、『この働き方が合っている』というはっきりした感覚があるからだと思っています」
→「前編記事」
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写真:MIKAGE
取材・執筆:田中 瑠子