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マイキャリアストーリー

『新たな役割を任されるのは大きなチャンス』
NAVICUS・ゼネラルマネージャー 佐久間亜希子さん【後編】

誰しも迷うキャリアの決断。先輩たちはいつ、何に悩み、どう決断してきたの? 現役で活躍し続ける女性たちに、これまでのキャリアの分岐点と、決断できた理由を語っていただきます。

今回は、前回に引き続き、株式会社NAVICUSでコンサルティングDiv.ゼネラルマネージャーを務める佐久間亜希子さんにお話を伺いました。

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佐久間 亜希子(さくま あきこ)さん

株式会社NAVICUS
コンサルティングDiv.ゼネラルマネージャー

子どもに胸を張って仕事を語れる自分でいたかった

― 約半年の業務委託期間を経て、2019年9月に、7番目の社員としてNAVICUSに入社した佐久間さん。大手通信会社傘下の会社から、設立2年目の会社にジョインすることに「不安がなかったわけではなかった」そう。そんな挑戦を後押ししたのは、娘の存在だったと振り返ります。
 
「NAVICUSへの入社を決めたとき、娘は保育園の年長でした。やりたかったSNSマーケティングができずにモヤモヤしたまま働くより、自分の経験や知識を生かして、マーケターとしてお客様に喜んでもらえる仕事がしたかった。やりがいをもって働いている姿を娘に見せたい、という思いが強かったんです」
― 「子どもにどんな背中を見せたいか」を意識するようになったのは、通販会社時代に子育てとの両立に悩んだ経験が大きかったといいます。
 
「通販会社では、出産後半年で職場復帰を決めました。SNSを活用してやりたいことがたくさんあると意気込んで戻ったのですが、保育園の送り迎えなどどうしても物理的な時間の制約があって…。そんな難しい状況で、なんとか各部署と調整して配信したLINE公式アカウントのメッセージに対して、元上司から手厳しいダメ出しを受けたことがありました。
その元上司は、入社以来、私を育ててくれた人。多少、言葉はきついものの愛情深くて、上司と部下の関係を離れてもずっと気にかけてくれた人でした。

思わず、『時間が足りなくて仕方なかった』と言い訳したところ、元上司からは『俺、一言でも時短で働いてくれって頼んだか?自己都合やろ。ちょっとでも時間があるならやれよ!ユーザーに個人の事情は関係ない』とばっさり切られました。
インパクトをお伝えするためにあえて当時の表現でお伝えしましたが、今だと完全にアウトな発言ですよね。

その時は、とにかく悔しかった。そして、泣いたり怒ったり一通り感情を爆発させたあとに、吹っ切れたんです。娘を預けて働くことを選んだのに、中途半端にしか成果を出していない。家族にも悪いし、会社にも悪いし、一緒に働く仲間にも悪いな、と。やると決めたのならちゃんとやろう、胸を張れる仕事をしようと、そのときに強く思いました」
― 現在、小学校高学年に成長した娘は、フルリモートで働く佐久間さんの姿をよく見ているといいます。オンライン会議のあとには、「ママっていつも、みんなのこと励ましているね」と言ってくるのだそう。
 
「娘の言葉に気付かされることも多いですね。フルリモートは、子どもの近くに居られる一方で、同じ空間にいるのに話しかけられないという寂しさを感じさせているなとも思うんです。だからこそ、話すときには必ず手を止めて、目を見て、耳を傾ける。そのメリハリは大切にしています」

明日を楽しみに働けるメンバーの育成が、私のミッション

― 最初は、SNSマーケターという“いちプレーヤー”としてNAVICUSにジョインした佐久間さん。入社から1年3か月後に初めてマネジメントポジションを任され、視界が大きく変わりました。
 
「それまでは、自分の手から繰り広げるもので成果を生み出すしかありませんでした。でも、34人のメンバーがいる今は、必ずしも私が手を動かすことが正解ではない。外から力をかけてやってもらうのではなく、『自発的に頑張りたい』、『やりたい』という内発的なモチベーションにいかにつなげられるかが大切なんです。
そのためには、同じ方向を向いて同じ目的を共有し、中長期的な目標に向かって進む組織を作っていく必要があります。メンバーと話すときには、近視眼的にならないように心がけています」
― 『明日が楽しみになる居場所をつくる』というNAVICUSのミッションを実現するためには、「そもそも、社内にいるメンバー自身が明日を楽しみに働けることがとても重要」と佐久間さんは考えます。
 
「いつも意識しているのは、メンバー一人ひとりが自分の人生を振り返ったときに、納得できる、満足できるキャリアを歩んでいてほしいということ。そして、仮に明日NAVICUSがなくなったとしても、自分の力で食べていけるようになってほしいんです。

そのために壁を乗り越えることが必要なら、ときには事実ベースで厳しいフィードバックもしていきます。目の前の業績を良くするためだけではなく、このメンバーがどういうキャリアステップを歩みたいのかを軸にコミュニケーションをとるようにしています」
― 『メンバー育成を通じて、自分が表現したいソーシャルの世界をどれだけ作っていけるか』。いちプレーヤーだった頃とは一味違う、より大きな目標に、「マネジメントは楽しい!」と日々実感しているそうです。
 
「学生時代からおせっかい気質で、私の中で、『関わる人には常に幸せであってほしい、自信を持っていてほしい』という思いが常にあるんです。
マネジメントは、それを表現できる手段の一つ。課題やステップを与えることで、一人ひとりが輝いて、自己実現の舞台としてNAVICUSを使ってくれて、さらにはその周りにいる家族にも幸せが広がっていく。そのお手伝いができることに大きなやりがいを感じています」
― 紆余曲折を経てNAVICUSに巡り会ったキャリアを振り返り、「いろいろなケースを体験させてもらったことがすべて、自分の糧になっている」と話します。
 
「マネジメントポジションに就いたとき、なんだか子育てに似ているなと思いました。
最初は手も目も心も離せないところから、手は離せるけれど目と心は離せない時期がきて、その後は、目も離れて自走できるようになるけれど、心は離さないでおく。距離の取り方に共通する部分が多くて、経験してきたことがこんな風に繋がるんだとハッとしました。

ライフステージの変化によって、いろんな役割が降ってきて、人はいろんな顔を持つようになると思います。私の場合は、社内に向けての顔、お客様に対しての顔、プライベートでは母、妻、地域の皆様への顔、最近では介護する人としての顔。大変そうに思われるかもしれませんが、どの経験もどこかのタイミングで絶対に役に立ちます。

だから、新しい役割を任されたり、新たなステージが訪れることを恐れなくてもいいんじゃないかなと思うんです。役割を任されるのは有益なこと。一歩踏み込んで、人に頼って、調べて、手を動かし始めてみると世界は広がっていきます。実りは絶対に多いと思っています」

「前編記事」





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写真:MIKAGE
取材・執筆:田中 瑠子

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