『前向きな自分を保つことが次の挑戦に向く力になる』<br>セーフィー・執行役員 植松裕美さん、サービスオペレーション部部長 白井有子さん【後編】のイメージ画像

マイキャリアストーリー

『前向きな自分を保つことが次の挑戦に向く力になる』
セーフィー・執行役員 植松裕美さん、サービスオペレーション部部長 白井有子さん【後編】

誰しも迷うキャリアの決断。先輩たちはいつ、何に悩み、どう決断してきたの? 現役で活躍し続ける女性たちに、これまでのキャリアの分岐点と、決断できた理由を語っていただきます。

今回は、前回に引き続き、セーフィー株式会社執行役員の植松裕美さん、カスタマーサービス本部サービスオペレーション部部長の白井有子さんにお話を伺いました。

植松裕美(うえまつ・ゆみ)さんのイメージ画像

植松裕美(うえまつ・ゆみ)さん

セーフィー株式会社
執行役員 企画本部副本部長 兼 VPoP(ヴァイスプレジデント・オブ・プロダクト)

白井有子(しらい・ゆうこ)さんのイメージ画像

白井有子(しらい・ゆうこ)さん

セーフィー株式会社
カスタマーサービス本部 サービスオペレーション部部長

まだまだ下っぱという心構えで
組織の全体最適を一歩引いて見ていく

― 部長ポジションや執行役員として活躍中のお二人。マネジメントにはどのような思いで向き合っていますか。
植松:
わたしにとって、執行役員就任は大きなチャレンジで、入社時は、そんな役職に就くとは思いもしませんでした。部長に就いたのも入社して1年後でしたし、そもそもプロダクトに向き合いたくてセーフィーに入ったので、マネジメントを任したいと言われて、本当に自分が出来るのか?と半信半疑でした。でも、せっかく大きな機会を与えていただいたので、チャレンジしてみようと思いました。

白井:
私もいちメンバーとして入社し、請求領域を2~3人で担当する小さなチームからのスタートでした。組織の拡大とともに、グループリーダーを任されるようになり、マネジメント経験のある同僚に相談して試行錯誤を重ねるうちに、部長のチャンスをいただいたという感じですね。


植松:
前職でピープルマネジメントの経験はあったものの、執行役員は初めて。周りに経験豊富なメンバーがいる中で、「なぜ私が?」と今でも不思議なくらいです。

白井:
植松さんが執行役員に選ばれたのはとても納得感があります。“セーフィー初の女性役員”という肩書だけを聞くと、「近づきにくい人」「雲の上の人」と、少し距離を感じてしまうところがあると思います。でも、事業や組織全体を俯瞰した目で見ながらも、気さくで話しかけやすい雰囲気をまとっているのが植松さん。とても身近に感じられて、女性社員の中には、植松さんをロールモデルにしている人も多いと思います。


植松:
そのように思っていただけるのは、とても嬉しいです。一番下っぱ、という意識でいるのが逆にいいのかな(笑)。
まだまだ自信はないけれど、組織全体にとって、会社全体にとって何がベストか、一歩引いた視点を持つことを大切にしています。
会社のパフォーマンスを上げるために、部門間の人の移動、配置はフラットに見ていかなければなりません。経営視点で見れば、新たな役割をアサインすることで更なるパフォーマンスアップにつながるかもしれない。本人の成長と会社全体の成長を総合的に見て判断する視点は、執行役員として特に心がけていることです。

白井:
そうだったんですね。私は部門内の視点ではありますが、メンバー全員に公正であるよう、バランスにはとても気を付けています。
私が見ているサービスオペレーション部はメンバー全員が女性で、それぞれが異なるライフステージにいます。育児をしている人、仕事以外の趣味を大事にしている人、家族の時間を大切にしている人…当然、ライフスタイルも異なり、それぞれの優先順位がある。
そんな中で、子育てのある方はフレックス制度を多く使えるけれど、趣味の予定では使いにくいという状況では、みんなが気持ちよく仕事ができません。「子育ては優先すべきで、個人の趣味やプライベートは二の次…」とは決してならないよう、自分の中にバイアスがないか、かなり意識してチェックするようにしています。


植松:
それぞれ立場が異なる中で、「相手から、自分の在り方や言動がどう映るだろう」という視点を持つことは、とても大切ですよね。自分を客観的に見ることは、意識していても難しい。自分にバイアスがある前提で自問を重ね続けなければいけないなと、改めて感じました。

白井:
あとは、マネジメントポジションにいるからこそ、自分の機嫌を自分で取ることも大切なスキルだなと思うんです。
自分自身がご機嫌でいられると、それが結果として周りにも伝播して、チームや職場全体が明るくなっていく。すごく些細なこと、例えばネイルを好きな色にしてみることなども、自分を明るい気持ちにさせてくれる大事な要素になります。新しいことに挑戦しようと思えたり、選択に迷ったときに思い切った決断ができたりするのも、前向きな心理状態にあればこそ。どのように気持ちを保ち仕事に向かえるかは、大事なセルフマネジメントだなと思っています。


植松:
そうですね。ついつい、目の前の作業に忙殺されがちなので、できるだけ自分の仕事を仕組み化して、考える時間を増やそうと意識しています。
組織全体を見ていると、「営業部門はこうしたい」「開発サイドでは難しい」と、利益が相反することが多々あります。そんなとき、どうしたら両者が納得できる結論に落ち着けられるかを考えていかなければいけない。さまざまな立場のメンバーが、安心してついて来られるようにしていくのが、執行役員の役割。そのために、作業に追われず、時間の余裕を作ることが大事だと考えています。

うまくいかなくても、また次の選択肢が見えてくる
機会が舞い込んだのなら、積極的につかんでほしい

― 管理職は大変そう、私には無理…と尻込みしてしまう方もまだまだ少なくないと思います。そんな不安を抱える読者の皆さんへ、メッセージをいただけますか。
植松:
目の前の仕事に真剣に向き合っていると、できることが少しずつ増えていって、見えてくる景色が変わってきます。その中で、マネジメントに挑戦できるチャンスが舞い込んだのなら、積極的に受けてみてはどうでしょうか。また、その時はぜひ、「このマネジメントを通して組織を、会社をどうしていきたいか、また自分がどうありたいのか」を考えることが重要だと思います。結果的にうまくいかなかったり、自分には向いていないと感じたとしても、それでキャリアが終わるわけではありません。やってみたからこそ、「次は違う道で力を発揮してみよう」と、また他の選択肢が見えてくるかもしれない。それ自体が素敵なステップアップだと思います。

白井:
本当にそう思います。迷う気持ちがあるならやってみて欲しいですね。
女性の場合、出産や子育てのタイミングで踏みとどまってしまうこともあるかもしれません。でも、産休に入る直前にマネジメントに挑戦してみて、戻ってきてからまた続けてもいい。いったん役職についたら役割を全うしなければ!と気負わずに、ライフスタイルの変化に応じて、ポジションについたり一度退いたり、自由に考えてもいいと思っています。


→「前編」はコチラ





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写真:MIKAGE
取材・執筆:田中 瑠子

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