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仕事に効く話

メンタルの悩みに効く、内田恭子さん式マインドフルネス。イライラや不安などの感情とどう向き合う?

キャリアや仕事、人間関係、健康、家族、恋愛…。悩み多き現代女性に寄り添う人気企画「お悩み相談室」。今回は、アナウンサー、マインドフルネストレーナーの内田恭子さんが、メンタルの悩みに回答します。

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内田恭子さん

アナウンサー/マインドフルネストレーナー
ドイツ・デュッセルドルフ生まれ。アメリカ・シカゴ、横浜で育つ。慶應義塾大学商学部を卒業後、フジテレビアナウンサーとして、数々のスポーツ番組などに出演。先進国のメンタルケア、現代社会でのマルチタスクやストレスとの向き合い方に関心をもち、現在は国際資格を持つトレーナーとしてkikimindfulnessを主宰。医学的エビデンスに基づいたマインドフルネスプログラムを企業やアスリート、教育などの現場で提供している。

子育てと仕事の両立で揺れるメンタルの保ち方


(40代・制作)

小学2年生と3歳の子育て中です。週3で働き、他はフリーランスとして副業しています。副業の時間を子育てにあてて、子どもとの時間をもっと増やしたいと思うこともしばしば。でも、子育てするためにはお金を稼ぐ必要がある。

もっとお金があればたくさんの経験をさせてあげられるのに…と自責の念に駆られます。3歳の子は遊びや日々の行事、トイレトレーニングなど、本来親がすべきことを保育園で全て覚えてくることも心に引っかかります。

仕事と子育てのバランスはこのままで良いのか、とモヤモヤする日々。どう折り合いをつけたら良いのでしょうか。




内田さんの回答「完璧なバランスはない。柔軟に考えて大丈夫」

私も子育てをしながら仕事をしてきた中で痛感するのは、仕事と育児の完璧なバランスはないということ。仕事もそれぞれ違いますし、子どももそれぞれ違う中で、万人に当てはまるバランスはまずない、ということを念頭に置いていただきながら読み進めていってくださいね。

さらに、ご自身が考えられる最適なバランスもずっとは続きません。ある時は仕事60%、子育て40%のバランスが良いと思っても、子どもは成長しますし、日々想定外のことが起こります。その決めた通りのバランスでは立ち行かなくなる時も多々あるのです。

私も子どもが小学校に入学して少し落ち着いた頃、弾丸で2泊3日の海外出張に行ったことがありました。私がいない間相当寂しい思いを子供なりにしていたのでしょうね。帰国後、数ヶ月間は子どもが私からベッタリ離れられなくなってしまい、通学するのも大変な時期がありました。いよいよ仕事に本格的に復帰しようと思った矢先、やむを得ずまた子育て中心の生活にシフトし直しました。

自分の思った通りのペースでいかないのが育児。なので、自分で良いと思ったバランスを固定化せず、柔軟に対応できるようにしておくほうがいいのかもしれません。その方が想定外のことが起こってもイライラしませんし、そんな時期は一生続くわけではないので、期間限定だからと割り切ってしまいましょう。もちろん、価値観は人それぞれ。仕事を優先しても子育てを優先してもどちらも悪いことではありません。

私自身は、子どもを優先すると決めていたので、子どもが私を必要とする時期は仕事を調整していました。反対に、仕事を最優先するのならば、子育てのサポート体制を整える。それがバランスのとり方だと思います。

質問者の方は、子どもの成長を見届けられていないことが心に引っかかっていらっしゃるんですよね。一緒にいてあげたいのに、いられなくてもどかしい。その気持ち、すごくわかりますし、私自身も何度も経験してきました。

そんな時、例えば「少ない時間でもこれだけは子どもと一緒にやる」ということを決めておくのはどうでしょうか。私の場合、たとえ夜に仕事がある時でも、夜ご飯は絶対に作ることと、子どもたちが寝る前に一緒にベッドに入って会話をすることをルールにしていました。

気休めでしかないと言えばそれまでかもしれないですが「これはやっているから大丈夫」という、罪悪感に対する心のお守りになっていると思います。

とはいえ、大前提として柔軟に考えてくださいね。もはやダイエットの考え方と同じです。毎日体重計に乗って神経質になってしまうより、 1週間単位で考えて、今週前半食べ過ぎたから後半は控えめにしようとか…そう考えた方が良いですよね。

子育ても、今日1日一緒にいられなかったからダメだ、 子どもに申し訳ない…と思うより、今週前半は忙しかったから、 後半はこの時間全部子どもと一緒に過ごそうとか。そのように考えると良いのではないでしょうか。

仕事と育児の両立って一生続くわけではないので、罪悪感を抱かず、どちらも楽しんでくださいね。

感情のコントロール方法


(30代・出版関係)

感情のコントロールがどうも苦手です。仕事や子育てでちょっとしたことでイラッとしてしまいます。それこそ20代の頃は滅多に怒ることもなく、年々短気になってきている気もします。アンガーマネジメントで6秒待ってみても、その間に怒りが増幅するタイプです…。日々穏やかに過ごすためにはどうしたら良いのでしょうか。コツを教えてください。




内田さんの回答「感情を客観的に見て、自分から切り離してみて」

誰しも感情のコントロールって苦手だと思います。原因は、感情や思考と自分が一体化してしまっているからです。「嫌だ」と思ったら、体全部で「嫌」という反応が起きて、何もかもが嫌になってしまい、普段だったら許せることも許せない状態になっている。「嫌」がどんどん増幅してしまうんですよね。

ここで大切なのが、イライラや腹立たしさ、もどかしさといったネガティブな感情をいかに客観的に見て、感情と自分を切り離せるかということ。感情に振り回されないようにすることです。

とはいえ、イラッとしたらイライラに支配されちゃうから難しい。そんな時 は、なぜイラッとしているかを書き出すことをお勧めします。書くことで客観視できます。もし書き出す余裕もなかったら心の中で今の状況を実況をしてみてもいいかもしれません。「私は今、腹が立っています。Aさんから私へのこういう発言にすごく怒っています」というように。不思議とそうやっていくうちに気持ちが落ち着いてくるはずです。要は状況説明を自分に対してしているので、自分の感情を俯瞰して捉えられるのです。

そうすれば、なぜ怒っているか、イライラしているかの原因が見えてきます。例えば「なんで怒ったのだろうか」→「嫌なことを言われたから」→「嫌なこととはなんだったのか」→「自分にとって、とても大切なことに対して言われたから」というように。これをしばらく続けていくと、自分が何に対して感情的になりやすいかがわかってきます。

子育てでも同じですよね。子どもがこういった態度をとった時に私はいつも怒ってしまう、というポイントが見えてくる。するとそのポイントを突かれた時に「あ、また来たな」と思えて、怒るのではなく、自分の中で感情を荒立てないように対処できるようになります。自分のウィークポイントをしっかりと捉えておくことで、そこに攻め込まれた時に、どうすればいいのか分かるようになるのと一緒です。

特に子育ては「親だから導いてあげないと」と思ってしまいがちです。子どもも一人の人間と捉え、親だからではなく、人対人として向き合って、なぜ相手がそういう態度をとるのか、なぜ私は腹が立つのか原因を探れば、同じイライラの繰り返しは防げると思います。

人間なので感情が先に来るのは当たり前で、仕方ないことです。ただ、怒って終わりではなく、その次のステップで「なぜ怒っているのか」を深掘りできると、少しだけ冷静になれますよ。

「不安」という感情との付き合い方


(30代・金融業)

元々不安を感じやすい性格で、何事にも慎重派です。例えばキャリアに関しても転職しようと思うと、「やってみよう!」という前向きな気持ちよりも不安が先に来ます。

不安な感情は、時に自分を守るためのブレーキにもなると思っていますが、一方で自分の成長を妨げる感情だともわかっています。不安という感情とうまく付き合っていくにはどうしたら良いでしょうか?漠然と感じる不安が自分を守るためのものか、成長を妨げているものか、見分け方を知りたいです。




内田さんの回答「不安を“脳内で作り出したもの”か“事実”かに分ける」

人間には脳の仕組みとして“ネガティブバイアス”というものが備わっています。命を守るためにリスクを回避しなければならないので、心配や不安を感じやすい脳の構造になっているのです。

その仕組みを知っているのと知らないとでは不安に対しての関わり方が変わってきますよ。その上で不安要素を箇条書きで書き出してみるのはいかがでしょうか。自分の不安をいったん自分の中から取り出して、その一覧を客観的に見てみる。

実は、人間の不安や心配のほとんどは脳内で勝手に作り出したものなのです。例えば、いつも感じの良いAさんの挨拶が素っ気なかったとする。すると人間の思考として「なんで素っ気ないんだろう?何か悪いことしたかな?あの時のあれを気にしているのかな?」と、どんどん不安になってしまう。

でもこの不安って、勝手に自分が作り出しているものですよね。Aさんはただ眠かっただけかもしれないし、別のことで機嫌が悪かったのかもしれない。

いったん不安要素を書き出すことによって、「頭の中で作り出した不安」か「事実の不安」か分けることができます。この時点で実は不安の半分以上が消えています。そこから、「事実の不安」だけにフォーカスして、次にどうするかを考えたら良いのではないでしょうか。転職への不安だとしたら、どうしても不安はつきものです。不安はあって当たり前。頭の中で作った不安に振り回されるのではなく、事実の不安をしっかりと把握して、勇気を持ってその一歩を踏み出してみましょう。きっとまた新しいものに出会えると思います。

不安って悪い感情ではなく、自分を守ってくれるものでもあるので、過度に心配せずに前に進んでいけたらいいですね。

【回答まとめ】

・仕事と育児のバランスに正解はない。柔軟に変えていくもの

・ネガティブな感情を自分から切り離すために、書き出すことがオススメ

・「不安」のほとんどは脳内で作り出したもの。事実にフォーカスしてみて



(取材・執筆:菱山恵巳子)

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