『一歩踏み出してしまえば、案外なんとかなる』<br>ヘルスケアテクノロジーズ 高畠 邦枝さん【後編】のイメージ画像

マイキャリアストーリー

『一歩踏み出してしまえば、案外なんとかなる』
ヘルスケアテクノロジーズ 高畠 邦枝さん【後編】

誰しも迷うキャリアの決断。先輩たちはいつ、何に悩み、どう決断してきたの? 現役で活躍し続ける女性たちに、これまでのキャリアの分岐点と、決断できた理由を語っていただきます。

今回は前回に引き続き、ヘルスケアテクノロジーズ株式会社 ヘルスケアビジネス本部 本部長の高畠邦枝さんにお話を伺いました。

高畠 邦枝(たかばたけ くにえ)さんのイメージ画像

高畠 邦枝(たかばたけ くにえ)さん

ヘルスケアテクノロジーズ株式会社
ヘルスケアビジネス本部 本部長

ターニングポイントは初の転勤を決断したこと

1〜2年のペースで異動しながら数々の部署を経験してきたという高畠さん。ターニングポイントは「福岡に行くと決断したこと」だと話します。
「東京を離れて福岡に転勤しなければ当然中国に行くこともなく、ヘルスケアテクノロジーズに声をかけてもらうこともなかったと思います。正直、福岡でも中国でもさまざまな失敗があって、自信を持って『成功だった』とは言えませんが、そこでの失敗も経験値として、今のチャットセンター運営に生かせています。当時、福岡に行くことをあまり深くは考えずに決めましたが、今振り返るとその決断をして良かったなと思います」
「失敗も経験値」と語る高畠さんに失敗から学んだことを伺うと、部下との信頼関係の構築やセルフケアに関する答えが返ってきました。
「中国にいた時、クライアントさんに非常に大きな迷惑をかけてしまった部下がいました。当時の私は規律を重視し、周囲が引いてしまうくらいの勢いで厳しく怒ったんです。私としては、クライアントさんに迷惑をかけたのだから叱るのは当然のことだと思ったのですが、部下を深く傷つけてしまったのか、それ以来、自分から私に話しかけてくれなくなってしまいました。

この時、厳しくするだけで全てが解決するわけではないと気づかされました。失敗した部下の言い分もきちんと聞いてあげないと、結局うまく回るものも回らなくなってしまうと学んだんです。この時以来、部下を頭ごなしに叱ることをやめました。

ほかにも部下が話しかけやすい雰囲気づくりという意味で、自分自身がしっかりとリフレッシュすることの重要性も、失敗の経験から学びましたね。福岡に行く前の30代後半の時期、2年間ほど毎日深夜12時近くまで働いていた時代がありました。そうなると、さすがに体力が消耗しますし、自分でも分かるくらいに怒りっぽくなっていました。部下と接していても、明らかに自分の気分の波がそのまま出てしまって、話してもらえたらすぐに解決する話も、話してもらえなくなってしまったんです。

話しにくい雰囲気を作ってしまった私の側に問題があると思い、いつでも話しかけやすい状態をつくるよう心掛けました。いろいろと試してみて、まずはきちんと寝る時間と食べる時間を確保し、体を整えることが、心を安定させるために重要だと気づきました。

独身なので働こうと思えば何時間でも働けてしまう環境ではありますが、なるべく早く仕事を切り上げて帰宅し、帰宅後は仕事に関わるものは一切見ない。スマホもパソコンも翌朝出勤するまでは見ないようにして、オンオフを強制的に切り替えるようになりました」

好奇心の赴くままに挑戦したから、今がある

今の、高畠さんの明るく気さくで柔らかい雰囲気は、まさに過去の失敗を生かした賜物なのかもしれません。転勤・出向など数々のキャリアの転換点を乗り越え、現在は管理職も務めていますが、決断までにあまり悩まないタイプなのでしょうか。
「たしかに、良く言えばフットワークが軽いのかもしれませんが、あまり迷わずに『やります』と言ってしまって、後で大変な思いをすることがよくあります(笑)。でも、やり遂げた後に振り返ってみるといい経験だったと思うことが多いので、迷わないことを長所と捉えるようにしています。

この根本にあるのは好奇心です。まだ知らないことを知りたい、挑戦したことのないものに挑戦してみたい。とりあえずチャレンジしてみて、もしダメだったら諦めようと割り切っています。それこそ一般職から総合職に転換したのも、男性同期が知っていることを自分が知らないのが嫌だったから。知りたいという好奇心の赴くままにチャレンジを繰り返してきたからこそ、今ここにいるのだと思います」
そんな高畠さんが今度取り組みたいことは、今のメンバーから挙がっているアイデアをさらにブラッシュアップし、ヘルスケア業界の唯一無二のサービスを作ることだと話します。
「せっかく医療職のメンバーがいて、チャットとはいえ日々お客様と直接話しているので、そこからお客様のニーズをうまく吸い上げ、今までにないヘルスケアサービスを作りたいと思っています。

今、メンバーから挙がっているのは、医療職による妊活サポートプログラムや、生活習慣病発症リスクの高い方への中長期的なサポートサービスなどです。まだ“世の中にない”ところまでは到達できていませんが、もう少し磨き上げていけば、いずれ唯一無二のサービスになるのではと期待しています。そんなヘルスケアサービスを世の中に出してお客様に喜んでもらいつつ、会社にも売り上げで貢献したいですね。

また、個人的には、サラリーマン生活も後半に入ってきたので、プライベートでの目標も何か見つけたいなと思い始めています。これまでプライベートを犠牲にしてきてしまったようにも感じているので、趣味など見つけられたらと思っているのですが、なぜか趣味探しになると、調べては躊躇してしまって飛び込めず……意識して探そうとすると、意外と難しいものですね」
最後に、自信のなさから挑戦を躊躇している方に向けて、力強いメッセージをいただきました。
「『チャレンジしたいけど自信がないから、つい踏みとどまってしまう』という話を、よく耳にします。私は好奇心のままに動いてきましたが、まずはこういうタイプの人間もいることを知ってもらえればと思います。

悩むということは、興味がある証拠だと思うんです。少しでも興味があるなら挑戦してみてほしい。失敗することもありますが、大体誰かが助けてくれますし、失敗の経験も必ずその後の糧になります。一歩を踏み出してしまえば案外なんとかなるので、みなさんもそんな意識でチャレンジしてみたらどうでしょうか」

「前編記事」






~あわせて読みたい記事~
◇“楽しく働ける環境”を自ら作りにいく(第一三共・グローバルDX デジタル&テクノロジー部/福間さんのインタビュー)
◇新たなチャンスには、その場でイエスと即答(ユーグレナ/植村さんのインタビュー)





写真:MIKAGE
取材・執筆:北森 悦

  • line
  • リンクトイン

RANKINGランキング

  • 週間
  • 月間