『上のポジションに挑戦することは、人生の選択肢を増やすこと』
ラクス・配配メール事業統括部 鈴木 彩加さん【前編】
誰しも迷うキャリアの決断。先輩たちはいつ、何に悩み、どう決断してきたの? 現役で活躍し続ける女性たちに、これまでのキャリアの分岐点と、決断できた理由を語っていただきます。
今回は、株式会社ラクス カスタマーサクセス課でマネージャーを務める鈴木彩加さんにお話を伺いました。
鈴木 彩加(ずすき あやか)さん
株式会社ラクス ラクスクラウド事業本部 配配メール事業統括部 カスタマーサクセス課 課長
大手電機メーカーグループのマーケティング・販売会社でコンシューマー向け販売戦略に携わったのち、ベンチャー企業と人材系企業で新規事業やSaaSの立ち上げ・拡大に従事。2020年10月にラクスに入社し、『配配メール』のCSマネージャーとして、顧客に向き合い事業の成長に尽力している。
自分の市場価値への危機感から、環境を変えていこうと動き出した
- 交通費・経費精算システム「楽楽精算」や、電子請求書発行システム「楽楽明細」など、さまざまなSaaSサービスを手掛ける株式会社ラクス。鈴木彩加さんは、企業のメールマーケティングを支援するサービス「配配メール」のカスタマーサクセス課で、お客様の課題解決に向けたコンサルティングを手掛けています。
2020年10月のラクス入社まで、業界や組織規模の異なる3社を経験してきた鈴木さん。「製品やブランドに憧れがあった」とソニーグループでキャリアをスタートし、コンシューマー向け製品のマーケティングを担当しました。
自社製品のみならず、他社とのコラボ企画を担当するなど、当時は好きなプロダクトに携われるという喜びがモチベーションだった、と振り返ります。 - 「学生時代は、キャリアのことをまったく真剣に考えていませんでした。
大学の専攻は音楽学部のピアノ科で、幼少期からずっとピアノ一筋の生活を送っていたんです。ただ、演奏家になろうといった明確な思いがあったかというとそうでもなくて。進学を決めたのは、得意を活かして大学に入ろうという思いからでした。
入学すると、他の学部の友人や、様々な分野の進路を選択した友人とのつながりが一気に増えて、ピアノだけに打ち込んできた生活から視野が広がっていきました。
特殊な学部だったこともあり一般的な就職活動をしていなかった中、音楽以外の世界への興味が強くなり、有期雇用の枠でソニーグループに入りました。
- 当時、F1層(20代~30代半ばの女性層)へターゲット拡大を狙っていたソニーでは、さまざまなキャラクターなどとのコラボレーション製品を次々と企画。F1層世代である鈴木さんの感性が活かされる面も多く、「働くって楽しい!」と充実した日々を過ごしていたそう。 そんな鈴木さんに転機が訪れたのが、2009年でした。
- 「リーマンショック直後、社内では様々な動きがあり、優秀な先輩の退職も相次ぎました。有期社員という雇用形態上、いずれは私も次のキャリアを考えなくてはいけなくなるだろうと思ったとき、自分の市場価値はどれほどのものなのか、自分に何ができるのか、急に不安を感じ始め、はじめて自分の将来に危機感が芽生えたんです。
そこで、ビジネスの基本的なスキルとして営業経験をつけたいと思い、無形商材である人材系ベンチャー企業に転職を決めました」
前の日の自分を超えていく。土台にあったのは、ピアノで培った成長意欲
- 大企業からベンチャーへの転職には、「あえて小さな組織に移りたかった」という思いがあったと話します。
- 「ソニーでは、企業や製品のブランド力に依存して仕事ができていました。知名度もブランド力もあるからこそ、お客様もお取引先も皆さんとても良くしてくれた。そんな環境にいると、あたかも、自分に力があるように勘違いしてしまうんです。営業力をつけるには、環境をドラスティックに変えなくちゃダメだ、と考えました」
- そうして転職した人材系ベンチャーでは、営業職に加え、支店の立ち上げやプロジェクト立案なども任され、経営企画に近い業務を担当。「今までなかったものを自分の手で立ち上げ、事業の利益につなげていく面白さ」を実感し、新規事業立ち上げの経験をもっと積みたい、と次への転職を決めます。
- 「3社目では、人材系のSaaSサービスの新規事業開発を担当し、SaaSビジネスの事業成長性の高さに面白さを感じました。その後ラクスを選んだのも、SaaS事業に本腰を入れて取り組みたいと思ったからです。
これまでの選択を振り返ると、その時々で自分がやってきたことの延長線上にどんな選択肢があり、どんな挑戦がしたいか、そのために必要なスキルはなにか…と考えて動いてきたんだなと感じます。営業力を身につけたくてベンチャーに移り、その経験をしながらも経営企画の仕事をかじらせてもらったことで、次のキャリアでは新規事業立ち上げを担う経営企画ポジションにもチャンスが広がった。
目の前の仕事に全力で向き合っていたら、自分の課題が見えてきて、それを乗り越えるための努力をしてきました。経験したことを強みや自分の色にして、次の転職につなげていく、そんな風に動いてきたんだと思います」
- とはいえ、新しい環境を選んで身を置くことには、エネルギーが必要なはず。現状維持ではなく、次に進みたいと思う鈴木さんの原動力はどこにあるのでしょう。
- 「子どもの頃から、上昇志向が強かったんだと思います。ピアノをずっと続けてこられたのも、うまくなりたいという思いがあったから。ピアノはチーム競技でもなく、ずっと自分との闘いです。常に、前の日までの自分を超えていく、ということを繰り返して幼少期を過ごしてきたので、現状に満足せずに高みを目指すということは、自分の中に根付いている自然な価値観なのかもしれません」
→「後編記事」に続く
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■鈴木 彩加さんのインタビュー動画
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写真:MIKAGE
取材・執筆:田中 瑠子