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マイキャリアストーリー

『学ぶ姿勢があれば、いつから始めても遅くない』
アルサーガパートナーズ プロダクト本部 フェリさん【前編】

誰しも迷うキャリアの決断。先輩たちはいつ、何に悩み、どう決断してきたの? 現役で活躍し続ける女性たちに、これまでのキャリアの分岐点と、決断できた理由を語っていただきます。

 

今回は、アルサーガパートナーズ株式会社プロダクト本部のサマーヴィ・フェレシテさんをインタビュー。大きなキャリアチェンジを経たこれまでのご経歴、大切にしてきた仕事観についてお話を伺いました。

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サマーヴィ・フェレシテさん

アルサーガパートナーズ株式会社プロダクト本部 プロジェクトマネージャー/プロダクトデザイナー
イラン出身。父の仕事の関係で小中学校を日本で過ごす。イランの大学を卒業後、商社勤務を経て来日。商社で13年間トレーディング業務を担ったのち、UXデザイナーにキャリアチェンジし、2023年1月にアルサーガパートナーズに入社。

環境に応じて、自分を変化させる

- ワンストップ型のDXコンサルティング・開発パートナーとして、大企業を中心に多くのプロジェクトを手掛けるアルサーガパートナーズ。経営戦略コンサルティングから企画立案、UX/UI検討、設計開発、テスト、実装・運用まで、社内の専門家人材でチームを組成し、一気通貫でお客様に寄り添っています。
2023年にUXコンサルタントとして入社したサマーヴィ・フェレシテさん(以下、フェリさん)は、現在、プロジェクトマネージャー兼プロダクトデザイナーを担当。多職種のメンバーを束ねながらお客様の課題に向き合っています。
現在地を見る限り、長くエンジニア畑で活躍してきたかのように映りますが、前職は商社で約13年、トレーディング業務を担っていたといいます。

そもそもイラン出身のフェリさんが初めて日本に来たのは8歳のとき。商社勤務だった父の転勤に伴い、小・中学生の約10年間を日本で過ごしました。その後帰国し、イランの大学を卒業。得意だった英語を生かせる仕事を、と商社で働いていたときに、日本人の夫と出会い、それが人生の大きなターニングポイントになりました。
「中学時代、日本からイランに帰国するときは、日本で働く人生をまったく想定していませんでした。『また旅行で来られたらいいな』と思っていた程度。夫との結婚を決めたときには、不思議な縁を感じましたね」
- 2017年より日本での暮らしをスタートさせ、イランでの商社勤務経験を生かそうと日系の商社に入ったフェリさん。成果主義の働き方から、日系企業特有のプロセス重視な働き方に変わり、当初は戸惑ったそう。周りのコミュニケーション方法を取り入れながら、「自分なりに適応してきた」といいます。
「海外では、細かな業務報告をすると、『プロセスの話は要らないから結果を出して』と言われていました。でも、日本では報連相がとても大事。当初は共有漏れの多さをよく指摘されていました。『こんな仕事の進め方をしたけれど、何が良くなかったのか』と夫に相談しては、周囲への伝え方などのアドバイスをもらっていました。
イランにいたときのやり方にこだわっていても成長できないし、周りもやりにくいでしょう。『環境が変わったのだから自分も変わろう』と自然に思っていました」

「本当にやりたいことは何か」。自分に向き合い学びへの投資を決めた

- 長く続けてきた商社でのキャリアに疑問を持ち始めたのは、2020年のコロナ禍がきっかけでした。出社ができなくなり業務量が減ったことで、自分と向き合う時間がとれるようになったフェリさん。「自分が本当にやりたいことをできているのだろうか」と考えるようになったといいます。
「そもそも大学卒業後に商社に入ったのは、英語を生かしてビジネスがしたいと思ったこと、そして、商社勤務の父の姿を見ていて身近だったから…。
本当は、大学では心理学や哲学、人間工学を学んでいたので、その知識を生かす仕事に就くという選択肢もあったんです。でも、なんとなく働くイメージを持ちやすかった商社に進み、結婚や日本への移住という大きなライフイベントの中で、自分がやり慣れた仕事を続けて、時間が過ぎてしまっていた。ふと立ち止まって考えたときに、仕事に物足りなさを感じている自分に気付きました」
- さらに、「IKIGAI」(茂木健一郎著)という書籍に出会ったことも、フェリさんを突き動かすきっかけになりました。
「『IKIGAI』は、海外では “日本人が大事にしている価値観”を表した一冊として、とてもよく知られた本なんです。そこには、生きがいとは、“好きなこと”と“知識を持っていること”、“人のため・世界のためになること”、“お金になること”のすべてが重なり合ったところを指すと書かれていて、深く感銘を受けました。
とくに、人のためになるという視点で仕事に向き合っていなかったと気づかされ、自分にとって生きがいとなる仕事には何があるのかを探し始めました。書籍やWebサイト、YouTubeなどさまざまなチャネルでリサーチを進めて、これだ!と思えたのがUX(ユーザーエクスペリエンス)やCX(カスタマーエクスペリエンス)のデザイナー、コンサルタントの仕事だったんです」
- UXやCXを考える上では、心理学や人間工学の理論が必要とされるため、大学時代に学んできたこととの接点も生まれたといいます。 知識ゼロからのキャリアチェンジを実現すべく、商社勤務を続けながらオンライン講座を受講。資格取得を目指すなど、約2年間プライベートの時間をほぼすべて勉強時間に注いでスキルを身につけていったと話します。
「コロナ禍は、私にとって学びのチャンスでもありました。オンラインの選択肢が広がったことで、ハーバード大学やGoogleが主催するハイレベルなオンラインプログラムを、世界のどこにいても受けることができるようになったんです。
これは自分への投資だと思い、仕事を終えた夜や土日は勉強時間にあてました。自己犠牲とも捉えられるかもしれませんが、私は、やりたい仕事にチャレンジできるのなら…とわくわくしていました。商社の頃から、デザインによって課題解決をすることに興味があったので、それを仕事にしたいという思いが何よりも大きかった。フリーランスでUXデザイナーの小さな仕事を請け負って実務経験も積み、転職への決意が固まっていきました」

「後編記事」





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写真:MIKAGE
取材・執筆:田中 瑠子

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