『新たな事業の柱づくりへ チームの力を引き出していく』
オプト ECチャネル戦略部 塚本くるみさん【前編】
誰しも迷うキャリアの決断。先輩たちはいつ、何に悩み、どう決断してきたの? 現役で活躍し続ける女性たちに、これまでのキャリアの分岐点と、決断できた理由を語っていただきます。
今回は、株式会社オプト ECチャネル戦略部チームマネージャーの塚本くるみさんにお話を伺いました。
塚本くるみ(つかもと くるみ)さん
株式会社オプト ECチャネル戦略部チームマネージャー
2013年、新卒でオプトに入社後、Platform IDに出向。SSP事業に配属され、法人メディア営業を担当する。2017年、株式会社brainyの創業メンバーとして参加。メディア支援事業を手がける。2019年、Amazon戦略部(現・ECチャネル戦略部)に異動。2021年よりEC統合プラットフォーム「Oxcim(オキシム)β版®︎」のプロジェクトマネージャーを務める。
目標達成に向けた育成を手掛けたい
入社約4年目からマネージャーを希望した
- - インターネット広告代理店として、デジタルマーケティング業界をけん引してきた株式会社オプト。その中の新規事業領域であるECチャネル戦略部のチームマネージャーを務めるのが塚本くるみさんです。
塚本さんが手掛けるのは、「ECデータ統合プラットフォームOxcim(オキシム)β版®︎の提供」です。ECモールに商品を出店するメーカー様の多くは、Amazonや楽天市場をはじめ、複数のECモールを利用しています。しかし、世の中にあるこれまでのECデータ分析ツールは個別のモールごとの数値しか見ることができませんでした。ECチャネル戦略部では、ECモール全体の数値を集約することで、どの時期にどのモールへの出店を強化することが適しているかなど、売上拡大に向けた改善施策を分析できるツールを開発・提供しています。そして、このサービスを展開することでオプトの新たな事業の柱にしていきたいと塚本さんは話します。 - 「メーカー様の販路はどんどん複雑にデジタルシフトしており、いまや、データに基づいた戦略立案は欠かせません。Oxcimβ版®︎は、その後押しができるツールの一つ。お客様のニーズ拡大とともに、事業規模も大きくしていきたいと考えています」
- - 2013年に新卒でオプトに入社し、営業を経て、5年目にはマネージャーポジションを任された塚本さん。現在は約10人のメンバーを束ねています。マネジメント歴は6年になりますが、入社当時は「明確なキャリアイメージは持てていなかった」と振り返ります。
- 「学生時代は広報メディア学科で広告の勉強をしていました。テレビ業界をはじめ、出版や新聞などメディア全般に憧れがあり、広告代理店を含め、幅広く“第一志望群”として見ていました。ただ、2012年は東日本大震災の影響が大きく、多くの企業が採用活動をストップしたり縮小したりしていました。『内定がもらえるだけでありがたい』という気持ちで受けた中に、オプトがあったんです」
- - 就職活動時、仕事は「あくまでも生活するための手段の一つ」。入社後も、「早く結婚してパートタイムで働ければいい」と先輩に話していたほど、当初は仕事の優先順位は低かったと話します。
しかし、インターネット広告代理店という、変化が激しい世界で必死に勉強していくうちに、“分からないことを知っていく”面白さに気付かされたといいます。 - 「入社後に配属されたのは、広告を掲載するメディア(媒体社)への支援営業でした。媒体社に対して『広告枠の販売を支援させてください』と営業するのが私の役割。それぞれの媒体の特性を深く理解できていなければ、広告枠をどんなところに提案すればいいのかもわかりません。
『どうしたら営業目標を達成できるのか』、上司や先輩・チームのメンバーと一緒に試行錯誤していく過程も楽しかったですし、達成の喜びをみんなで分かち合えることも楽しかった。働くことがどんどん好きになっていきました」
- - 後輩の育成を手掛ける中で、「人を育てることを役割として担いたい」と考えるようになった塚本さん。自らマネージャーポジションに立候補し、リーダーを任されるようになりました。
- 「チームで目標を目指す中で、自分一人が売上を伸ばすだけでは事業全体がスケールしないと考えるようになったんです。メンバー全員の底上げをすることがチーム目標の達成につながる。個人の成長が組織の成長をけん引することだと考えて、マネージャーポジションに就いて取り組みたいと手を挙げました。
そう思えるようになったのは、当時の上司が、目標に対してどう営業を進めるか、“チーム全員で考える場”を設けてくれたことが大きかったです。『私が〇〇万円分、達成します』『私はこんな取り組みをします』などとみんなで話し合うのですが、ときに、どう頑張ってもチーム目標の達成に届かないことがあります。そうした経験を経て、『メンバー育成にも力を入れなければならない』と、自分以外のメンバーにも目を向けられるようになりました。チーム全員で“一緒に悩む”というプロセスを経験できたからこそ、チーム目標の達成に向けた行動の一環として、マネージャーポジションに挑戦したいと思えたのでしょう」
一度は退職を決意。
“分からなさ”への好奇心が、留まる選択につながった
- - 約6年間の営業経験を経て、Amazon戦略部(現ECチャネル戦略部)に異動したのは2019年のこと。きっかけは事業撤退でした。
- 「グループ会社の立ち上げにゼロから携わってきましたし、入社以来手掛けてきた事業がなくなることは、大きなショックでした。『せっかくならば心機一転、新しいキャリアをスタートさせよう』。そう考え、転職活動を始めることに。内定までいただけたのですが、最終的に選んだのは、『オプトに留まる』という道でした」
- - 決め手になったのは、異動先のECチャネル戦略部での温かな受け入れ体制と、右も左も分からないECモールの世界で、またも“分からなさ”とぶつかった経験でした。
- 「『ECモールでの売上拡大をどう実現するか』という仕事は、それまで広告掲載先への営業をしてきた私にとって、まったく未知の領域でした。でも、知らなかったことを一つひとつ知っていく過程はとても新鮮だった。この仕事をまた面白がっていこう!と思えるようになりました」
→「後編記事」
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写真:MIKAGE
取材・執筆:田中 瑠子