『自分を評価する判断軸は、自分の中にある』
フリー株式会社 スモールビジネス事業本部 教育領域アライアンス開発チーム 磯貝美紀さん【前編】
誰しも迷うキャリアの決断。リーダーとして活躍する女性はいつ、何に悩み、どう決断してきたのか。キャリアの分岐点と、決断できた理由を語っていただきます。
今回は、フリー株式会社のスモールビジネス事業本部 教育領域アライアンス開発チームで『起業時代』編集長を務める磯貝美紀さんにお話を伺いました。
磯貝 美紀(いそがい みき)さん
スモールビジネス事業本部 教育領域アライアンス開発チーム
『起業時代』編集長 文部科学省アントレプレナーシップ推進大使
大手通信会社(NTT)、教育出版(Benesse)にてBtoBおよびBtoCのマーケティングや商品開発に従事。フリーに転職後、100人を超えるスモールビジネスチャレンジャーに直接取材した経験を活かし、大人向け起業セミナーを数多く企画・登壇。また、中学・高校・短大・大学でアントレプレナーシップをテーマにした講座の登壇も行っている。音声プラットフォームVoicyにて音声コンテンツも配信。プライベートでは18歳の双子男子の母。
人の成長への関心から、教育分野に惹かれていった
- 「スモールビジネスを、世界の主役に。」をミッションに、統合型経営プラットフォームを開発・提供しているフリー株式会社。磯貝美紀さんは、スモールビジネスに挑戦する人たちの背中を押すスモールビジネス事業本部にて、雑誌『起業時代』の編集長を務めるほか、高校や短大、大学でのアントレプレナーシップ講座の設計や登壇も手掛けています。編集長として取材した起業家は100人超。その経験を活かし、大人向け起業セミナーも数多く企画しています。
- もともと、教育分野に強い関心があったという磯貝さん。大学では教育心理学を専攻し、人の変化や成長、マインド面の醸成には何が必要なのかを学んでいました。
卒業後は“人と人をつないで新しい挑戦を起こしていく”ことに貢献したいと、NTTに入社。営業や新規サービス立ち上げなどを経験しました。 - 「NTTで過ごした20代は、仕事にすべての時間を費やしていたと言えるぐらい、働くことが中心の生活でした。新たな通信料定額サービスの立ち上げプロジェクトに呼んでもらうなど、いつもストレッチした目標を持たせてもらえたありがたい環境でしたね」
- 入社時の希望通り、“人と人をつなぐ”上で欠かせない社会インフラを扱う仕事でした。ただ、規模の大きさゆえに“人”を実感しにくい面も感じるようになり、よりソフトなサービスを扱い、人のつながりの手触り感が得られるような仕事に挑戦しようと、教育出版大手のベネッセコーポレーションへの転職を決意します。
- 「子育てとの両立など、生活を大事にしながら長く働き続けたいと思っていたので、ベネッセの『よく生きる』というフィロソフィーにも強く共感しました」
- 約19年過ごした前職のベネッセコーポレーションでは、英語教材の開発から、妊娠・出産・育児関連事業のマーケティング、ランドセルや学習机など大型学習家具のプロダクト開発など、幅広い業務を担当。30代半ばに双子の男の子を妊娠・出産し、子どもたちの成長とリンクさせながらプロダクト開発を経験していきました。
- 「20代のころは、子どもを生んだあとも仕事を続けていこうと当たり前のように考えていました。でも、30代前半のときに、2回続けて流産を経験。34歳で双子を妊娠して無事に生まれてきたとき、『生まれるってすごい』『命が誕生するって、こんなに奇跡のようなことだったんだ』と思いました。
自分の子どもたちを含め、この世に生まれてきた子どもたち、みんなが無事に大きくなっていってほしい、すべての子どもたちのために良い社会を作っていかなくては、という意識がより強くなっていきました」
子どもたちの後ろ姿が、「もっと力を抜いて大丈夫」と教えてくれた
- 産休育休から復帰したあとの1年間は「一番しんどい時期だった」と振り返ります。
- 「もともと完璧主義なところがあって、自分が決めた業務は自分のペースで進めたい、復帰後も以前と変わらずやり切りたい、と意欲満々で復帰しました。でも、やはりそうはいかないことばかり。子どものことも思うように見てあげることができず、やれていたはずの仕事もできていない。両立のバランスが取れずに、なぜこんなにできないんだろうと苦しさばかり募っていきました」
- 保育園の門の前で泣く子どもたちに、後ろ髪を引かれながら出社する日々。「仕事を辞めたほうが良いのだろうか」と考えたこともあったと言います。
しかし、ターニングポイントはある日突然訪れました。 - 「子どもが3歳になる直前のある土曜日の朝、仕事も家事も回らなくて『朝ごはんも用意できなかったから、コンビニに行こう』と親子で出かけたことがありました。その帰り道、レジ袋を左右から持って楽しそうに歩く2人の子どもの後ろ姿を見て、はっとさせられたのです。『この子たちはいつかこうやって、自分たちだけで歩いていくんだ』と。私が手を引いて連れて行かなくては、とずっと気を張ってきたけれど、そうではないのだ、だったらこれからは、彼らが歩く先の道を照らすために仕事をすれば良いのだと、納得できた瞬間でした。そんなに肩に力を入れなくても良いのだと、子どもたちが気づかせてくれたのだと思っています」
- 周りに子育てと仕事を両立している先輩社員が多い環境だったからこそ、「みんなもすごく頑張っているから、私も…と自分にプレッシャーをかけてしまっていた」と当時を振り返ります。
- 「周りの同僚や後輩に、『大変なものは大変』と言えるようになったのも私なりの成長です。一生懸命、仕事に向き合うことは大事ですが、完璧である必要はないよね、と自分に対しても周りに対しても思えるようになりました」
→「後編記事」につづきます。
~あわせて読みたい記事~ |
写真:MIKAGE
取材・執筆:田中 瑠子





