『生き生き働く姿は、子どもにもプラスになるはず』
株式会社カネカ ユニットリーダー 中原さん【後編】
誰しも迷うキャリアの決断。管理職として活躍する女性はいつ何に悩み、どう決断してきたのか。キャリアの分岐点と決断できた理由を語っていただきます。
今回は、前回に引き続き、株式会社カネカ Healthy Foods Strategic Unitリーダーの中原さんにお話を伺いました。
中原(なかはら)さん
株式会社カネカ
Healthy Foods Strategic Unitリーダー
幹部職へ昇格したことで、大きく成長させてもらえた
- 2006年に入社して以来、「眠れる技術に花を咲かせたい」という思いを胸に働き続けてきた中原さん。そんな中原さんに、“キャリアの分岐点”について伺うと、2つのターニングポイントを教えてくれました。
- 「1つ目は、これまでB to Bで展開してきた乳製品事業をB to C向けにも展開していくことになり、B to Cの乳製品事業に携わる部署に異動したことです。そして、2つ目は、その部署で幹部職(課長級)になったことです。
個人的に、“幹部職”は、目的や目標・あるべき姿を示し、メンバーから共感を得られるように伝えていく存在だと考えていますが、当初は目指すべき姿をどう描けばいいのか分からず、悶々としていました」
- 目指すべき姿を模索中だった中原さん。悩みを突破するきっかけとなったのは、幹部職を育成する社内研修に参加したことでした。
- 「カネカには『一粒の種モミ塾』という、約1年をかけて次世代の経営リーダーを育成するプログラムがあります。それに参加し、他の事業部から参加しているメンバーと共に学ぶ過程で、リーダーとしての考え方が少しずつ身につきました。
ちょうどHealthy Foods事業の新規立ち上げ時期でもあったので、研修の中で学び考えたことを、実際の仕事ですぐに実践することができたのも大きかったです。実践して上手くいかなかったら、種モミ塾に持ち帰り、参加メンバーと一緒にどうしたらいいかを考えて、再び仕事に活かして……というサイクルを繰り返しました。この1年間で、幹部職として大きく成長させてもらえたと感じています。
特に、以前は目の前の課題を1つずつ解決しようとしていたのですが、その課題を全て解決しようとするのではなく、まず『数年後、自分たちはこういうことをやっていたい』と目指すべき姿を思い描き、その姿から逆算して今解決すべき課題を解決していくという思考を身につけました。この発想の転換は大きな学びでしたね」
幹部職試験の面接対策「どこまでできるか挑戦したい」
- 実は、中原さんが幹部職に昇格したのは、2人目のお子さんの育休から復職した直後でした。
- 「幹部職に昇格したのは入社15年目。もともと、『いずれは幹部職になりたい』と思ってはいたのですが、想定よりも早く推薦の打診をいただき、正直戸惑いも大きかったです。
ましてや、当時は、2人目の子どもの育休から職場復帰したばかりで、子どもも1歳にもなっていませんでした。
しかし、チャンスをいただけたのはありがたいと思いましたし、当時は子育てをしながら幹部職をされている方があまり周りにいなかったので、『どこまでできるか自分でも挑戦してみたい』と思い、昇格試験を受けることを決めました。
幹部職になった後も、18時半には会社を出て保育園にお迎えに行かなければならなかったので、当初はメンバーに対し、引け目を感じる部分はどうしてもありましたね。その分、仕事で結果を出すことを意識し、自分がどんな仕事をしているのか、周囲に伝わるように工夫しました」
- 2024年には上席幹部(部長級)に昇格。現在はHealthy Foods Strategic Unitリーダーとして、機能性表示が可能な素材を使ったB to C商品の企画・開発からプロモーションまでを手掛けています。
- 「Healthy Foods Strategic Unitでは現在、『健康という美味しいライフスタイルの提案』を目指しています。健康的なライフスタイルを維持していくのは、なかなか難しいもの。ですが、そこに“美味しさ”や“続けやすさ”といった要素を含ませることで、自然と自分の生活に取り入れることができ、新しいライフスタイルを作っていただけるのではと思っています。
具体例の1つは、カネカの主力成分である還元型コエンザイムQ10を活かした商品企画。もともと消費者ニーズはあったものの、カネカの技術とつなげられていませんでした。そこで、『どう価値を伝え、どんなシーンで手に取ってもらえれば消費者にとってメリットがあるのか』を考え、カネカの技術とニーズをマッチングできる新たな接点を作り出しています。
また、筋肉量の維持を助けるような素材も開発中で、その素材と運動習慣を自分の生活の中に組み込んでもらえるようなプラットフォームづくりを目指しています。超高齢社会の中で、シニア世代も毎日生き生きと自分の足で歩ける社会となるよう貢献していきたいですね。
まさにカネカの技術とニーズの新しい接点を創出していける点が、非常に面白いと感じています」
- 子育てをしながら、幹部職として生き生きと働く中原さん。その原動力はどこにあるのでしょうか。
- 「入社前から、“働くママ”になりたいと思っていたんです。私の母も働いていて、幼少期に母親が生き生きと働いている姿を見て、子どもながらにかっこいいなと思っていました。ですから、私自身がやりたいことを頑張っていたり、社会に貢献したりしている姿は、きっと自分の子どもにとってもプラスになるのではという思いがあります。
同時に、『自分がどのような価値を発揮し、社会に貢献できるか』。そこに挑戦し続けたいという気持ちも根底にあるのかなと思っています」
悩める女性たちへのメッセージ「人を頼ることに躊躇しないで」
- 子育てをしながらキャリアアップしていくことに悩み、不安が生じたときは、「躊躇せず人に頼ったほうが良い」と中原さんは話します。
- 「子育てをしながら働き続けるには、やはりさまざまな人に助けてもらわなければ難しいところがあります。ですから、手を貸していただけることに感謝をしながら、その分、自分は何をお返しできるかに意識を向けてみてはいかがでしょうか。
『人に頼りながらも、自分だから貢献できることに想いをこめて取り組む』。そこに注力することが大切だと感じています。頼ることを躊躇せず、自信を持って挑戦してほしいですね」
→「前編記事」
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写真:MIKAGE
取材・執筆:北森 悦