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管理職必見!判断の質を向上させる「いい睡眠」とは?睡眠の質を改善するリラクゼーション法

質の良い睡眠は取れていますか?みなさんのように社会で活躍する女性の中には、忙しいスケジュールやプレッシャーによって「睡眠不足」や「睡眠の質の悪さ」で悩んでいる方が少なくありません。

 

私の相談室にも様々な業種の方が来室し、カウンセリングを行っていますが、共通するのは「忙しい方ほど睡眠についての悩みを抱えている」ということ。

 

たかが睡眠と睡眠を後回しにしてしいませんか?週末に睡眠貯金をして日頃の睡眠不足を補ったように感じていませんか?

 

それらの行為は睡眠の質を悪いものにし、管理職として行う判断の質など仕事のパフォーマンスにも影響を及ぼします。

 

今回は、「睡眠の質は仕事のパフォーマンスの質に直結する」ということをテーマにして、その理由と具体的な対処法をまとめていますので、ぜひ本記事をお読みいただき睡眠の質改善に取り組んでみてくださいね。

「いい睡眠」とは?「いい睡眠」3つの条件

「睡眠の質」を高めるといっても、どのような睡眠が質の良い睡眠なのかわからない方も多いかと思います。
そんなときは以下の3つのポイントを目安にしてみるとよいでしょう。

①寝つきがよかった
②ぐっすり眠れた
③寝起きすっきり

あなたの睡眠は3つすべて当てはまっていますか?
睡眠の質は体温調節や体内修復、成長に関連するホルモン分泌と相関関係があり、これらは体内の代謝活動促進・自律神経のバランスを整える要素となります。
また、睡眠の質を向上させるほど、疲労から心身を回復させる効果や、脳の蓄積した疲労を取り除く効果、ストレスやうつ症状の緩和、生活習慣病の予防など、さまざまなメリットを享受できるようになります。

睡眠不足が招く影響と眠れない原因

よい睡眠にはポジティブな効果があるとわかっていても、ついつい睡眠時間を疎かにしてしまったり、中々寝付けないという方もいますよね。実際に睡眠不足になると、以下のようなことが多発して、結果的にパフォーマンスが下がってしまいます。

・ケアレスミスが増える
・判断力が低下する
・集中力が低下して仕事にかかる時間が長くなる
・健康を損なって遅刻や欠席・欠勤が増える
・イライラしやすくなる
・モチベーションが低下する

このようなことが起こると、管理職としての判断力が低下することも容易に想像できますね。

では、どうして眠れない現象が起こるのでしょうか?

仕事や業務に追われていると、常にタスクが頭に浮かんでいる状況になり「何かに追われている」という感覚を抱いてしまいます。
この「何かに追われている」という感覚が、私たちを常にピリピリさせ、興奮モードに導くのです。

このモードになっているとき、私たちの身体は自律神経の中でも「交感神経」という神経系が活発になっている状態です。交感神経が活発になると血圧が上がり、瞳孔が拡大して、心と体が興奮状態になり、全身が常に力んだ状態になります。それにより、身体のどこかが痛くなったり慢性的な肩こりを引き起こす原因に繋がります。

この全身が力んで興奮している状態は、眠るときに必要な「リラックスして全身の力が抜けている」状態とは正反対な状態です。そのためいい睡眠を取るためには、全身の力を意図的に抜いてリラックスの状態を作ることが重要になります。

睡眠の質を向上させる!
「漸進的筋弛緩法(ぜんしんてききんしかんほう)」

今回は、交感神経が活発になり、全身に力が入ってしまっている状態を緩めて、リラックスさせる方法をご紹介します。その方法は「漸進的筋弛緩法(ぜんしんてききんしかんほう)」です。漢字が多くてちょっと抵抗感を感じる方がいるかもしれませんが、内容はとてもシンプルです。『特定の部位の力を入れて、弛緩(しかん)する』これをくり返すだけです。

このリラクゼーション法は、1920年代にエドモンド・ジェイコブソン博士という神経生理学者により開発された方法で、現代でも多くの人によって実践されています。この方法は、特定の筋肉を順番にギュッと力を入れて緩めて弛緩することに焦点を当てた治療法で、交感神経が活発になっている心と身体の興奮状態を落ち着けて、緩んでリラックスした状態を意図的につくっていきます。漸進的筋弛緩法(ぜんしんてききんしかんほう)を行うことで、「睡眠問題の解消」の他に以下のような効果が期待されます。

・不安や焦りを低減させる
・ストレス反応を低減させる
・肩こりや身体のこわばりが改善

それでは、睡眠の質改善に効果があった!と報告の多かった順番をもとに、やり方をご紹介します。

【 実施する際の注意点 】
・力を入れるときは、60~70%の力を入れるぐらいで行いましょう
・力を抜くときは一気に抜き、力を入れていたときの「じわ~」「ふわ〜」とした余韻が感じられるとよい状態です
・現在、または過去に怪我をしていたり、痛みがある部位は飛ばしましょう

漸進的筋弛緩法のやり方

【STEP.1】
ベッドに仰向けに横になる

【STEP.2】
両足は少し離して、手のひらは下にした状態で、身体の横に置く

【STEP.3】
3回ゆっくり深呼吸をする

【STEP.4】
①つま先
息を吸いながらつま先を伸ばす→5秒呼吸を止める→息を吐きながら緩める

【STEP.5】
②ふくらはぎ
つま先を上にピンと立て気持ちの良い程度にふくらはぎを伸ばす→5秒呼吸を止める→息を吐きながら緩める

【STEP.6】
③ふともも
両足を押しつけるようにきゅーっとくっつける→5秒呼吸を止める→息を吐きながら緩める

【STEP.7】
④おしり
息を吸いながらおしりにぎゅっと力を入れる→5秒呼吸を止める→息を吐きながら緩める

【STEP.8】
⑤腰
息を吸いながらゆっくりと腰を丸める→5秒呼吸を止める→息を吐きながら腰の力を抜く

【STEP.9】
⑥おなか
息を吐きながらおなかの筋肉にぎゅっと力をいれる→5秒呼吸を止める→息を吐きながら力を緩める

【STEP.10】
⑦胸
息を吸いながら胸の筋肉に力を入れる→5秒呼吸を止める→息を吐きながら力を緩める

【STEP.11】
⑧背中
肩甲骨同士をくっつけるイメージで背中に力を入れる→5秒呼吸を止める→息を吐きながら力を緩める

【STEP.12】
⑨肩
息を吸いながら耳にくっつけるイメージでぐぐっと肩を上げる→5秒呼吸を止める→息を吐きながら力を緩める

【STEP.13】
⑩腕(後ろ)
両腕を真っ直ぐに伸び切るように伸ばし、息を吸いながら二の腕の後ろ側にぐっと力を入れる→5秒呼吸を止める→息を吐きながら力を緩める

【STEP.14】
⑪腕(前)
両腕を軽く曲げて、息を吸いながら二の腕の前側にぎゅっと力を入れる→5秒呼吸を止める→息を吐きながら力を緩める

【STEP.15】
⑫手
息を吸って拳をぎゅっと握りしめる→5秒呼吸を止める→息を吐きながら力を緩める

【STEP.16】
⑬首(前)
息を吸いながら、首の正面を伸ばすように顎が天井を向けてゆっくりと頭を後ろに引く→5秒呼吸を止める→息を吐きながら頭を枕に下ろす

【STEP.17】
⑭首(後ろ)
息を吸いながら、顎を胸の方に引くようにゆっくりと頭を持ち上げる→5秒呼吸を止める→息を吐きながら頭を枕に下ろす

【STEP.18】
⑮目
息を吸いながら目をぎゅっとつぶる→5秒呼吸を止める→息を吐きながら力を緩める

【STEP.19】
⑯口
息を吸いながら口角をきゅっと上げて大きな笑顔を作る→5秒呼吸を止める→息を吐きながら力を緩める

【STEP.20】
⑰顔
息を吸いながら顔のパーツを中心にきゅっと寄せる(酸っぱいものを食べたときのイメージ)→5秒呼吸を止める→息を吐きながら力を緩める

順番は前後しても問題はありませんし、途中で寝てしまっても大丈夫。
大切なことは『足元からふわっとカラダの力が抜けてくる感覚を味わうこと』です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。私たちは目の前の忙しさを優先してしまい、大切な睡眠を疎かにしてしまいがちですが、管理職として良いパフォーマンスを発揮するためには質の高い睡眠が必要不可欠なのです。

パフォーマンス向上のために、意図的にリラクゼーションを取り入れて、「良質な休息」をゲットしましょう。睡眠の質は自分で高めていく、管理職だからこそセルフケアを味方につけてみませんか。

知識×セルフケアによって、私たちのパフォーマンスはどんどん良いものになっていくはずです。みなさまの更なるご活躍を応援しています。

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臨床心理士・公認心理師 古山あかりさん

臨床心理士・公認心理師としての10年、年間1000件ほどのカウンセリング実践の経験から、心理学やメンタルヘルス、そしてパフォーマンス発揮のためのメンタル術についてのセッションやWSを得意とし、多くの方に提供している。。 1対1のカウンセリングセッションはもちろんのこと、毎日を輝かせたい方に向けて、カウンセリング的問題解決思考、自律神経調整レッスン、思いを伝えられるコミュニケーション術など、心理学やメンタルにまつわるさまざまなテーマのセミナーも得意としています。 モットーは今ある問題を解消することを第一に、「健康を維持しながら活躍できるメンタルヘルスケアを」。

<読者へのメッセージ>
メンタルヘルスやセルフケアというと「難しそう」「自分とは無縁そう」と思う方も少なくないと思います。
人ぞれぞれ性格や考え方、そして活躍する場所は違うと思いますが、心の健康を維持していくためには「知識×セルフケア」がどんな人にもポジティブな影響をもたらすことができます。
皆さまのご活躍の一助となるよう、日々取り入れやすいメンタルヘルスに関する情報をお届けしていきます。


『プロフェリエ』の古山あかりさんのページはこちら



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