芸能界屈指の“コミュニケーション力” ハリセンボン近藤春菜さんに学ぶ、人間関係の極意
芸能界で長年活躍し続けるハリセンボンの近藤春菜さん。その人気の秘密は、単なる面白さだけでなく、相手を思いやる丁寧なコミュニケーション能力にあります。今回のインタビューでは、近藤さんが実践するコミュニケーション術や、人との信頼関係の築き方について伺いました。(前編)
近藤 春菜さん(こんどう はるな)
お笑い芸人。1983年生まれ、東京都出身。2003年、箕輪はるかと共にお笑いコンビ「ハリセンボン」を結成。ツッコミ担当。バラエティ番組やコメンテーターとしても幅広く活躍。
コミュニケーションは「相手を不安にさせないこと」を第一に
- ー周囲と良好な関係を築くために、コミュニケーションで工夫していることを教えてください。
- 近藤:人間関係で大切なことは「信頼」だと思っているので、コミュニケーションをとる時に「相手を不安にさせないこと」を大切にしています。例えば、メールやLINEの返信をできるだけ早く返すとか、すぐに返答できない時も「いま確認しているからちょっと待っていて」という一文を送って、今どういった状況かを伝えるとか。相手を不安にさせないことが一番かなと思っています。
あとは、いわゆる無駄話も大事なコミュニケーションだと思うので、積極的に自分から話しかけるようにしています。
- ーお仕事でもプライベートでもでしょうか?
- 近藤:そうですね。例えば、お仕事で初めましての方や、バラエティ番組に慣れていらっしゃらない方と共演する場合、「この現場を楽しんでいただきたい」と思うんです。だから私の方から積極的に世間話をすることは心掛けています。
また、世間話をする時は、誰にでも共通していて、話していて嫌な気持ちになりにくいテーマにしています。例えば、好きな食べ物の話とかですよね。私も食べることが大好きですし、自然とお互い楽しい気持ちになれますよね。逆に、恋愛の話などパーソナルな部分の話は世間話ではあまりしないようにしています。
人の話を最後まで聞く人は、信頼される
- ー面白いだけではなくて、信頼される人であるために意識していることは?
- 近藤:人が話している時は最後まで聞くことを意識しています。せっかく話しているのに、途中で話をとられてしまうとそこで心が折れてしまうこともあると思うんです。特にその場に慣れていない方だと余計。「この人は話を聞いてくれる」と感じてもらえたら、信頼してもらえると思います。
- ーこれらのコミュニケーションのとり方は、仕事を通して培ってきたものなのでしょうか?
- 近藤:学生の頃から人の話を聞くのが好きでしたが、やはり仕事をするようになってからよりその気持ちが強くなったと思います。芸人になり、ツッコミという立場だと、その人が発する言葉の中で面白いものを逃したくない、拾わないのはもったいない!という気持ちがより強くなるんです。
プライベートでも、例えば友だちが複数人集まった時は全体を見て、まだ話せていない人に「どう?」と自然と話を振る癖がありますね。誰も置いていきたくなくて、遠慮して喋れない人を一人にしてしまうのが嫌なんです。友だちからは「仕事しなくていいよ」とも言われますが(笑)。その場にいる全員に「楽しかった」と思って帰ってほしいんです。エゴかもしれませんが(笑)
みんなの意見を聞いてから、自分の意見を話す
- ーテレビ番組など多くの人がいる中で、空気を読みながら自分の意見を伝えるコツは?
- 近藤:空気が読めているか自信はないですが…、「様々な立場の人の考え方がある」ことを前提で喋ることが大事だと思っています。なので、まずは全員の話を聞ける雰囲気をつくり、みんなの意見を聞く。そうしたら自然と自分にも順番が回ってきて話しやすくなると思います。
- ーその場を全員が喋れる雰囲気にするコツは?
- 近藤:どんな環境だったら喋りやすいかを、自分の立場に置き換えて考え、実践するようにしています。自分が喋りやすいということは、他の人も喋りやすい環境だと思うので。
そうすると、「ちゃんと話を振る人」や、「なんでも思ったことを喋って良いという柔らかい空気」が必要だと気づきます。雑談の延長で自然と楽しく喋れるようにするのが大事だと思うんですよね。
- ー先輩・後輩との上手な関係づくりのコツは?
- 近藤:芸人の世界には、先輩が後輩にご飯をごちそうして、その後輩がさらに下の世代を可愛がることが恩返し、という独特な風習があります。先輩と後輩は仲が良いけど、ちゃんと締めるところは締める関係です。だからこそ、基本的なことですが「親しき仲にも礼儀あり」ですかね。私も先輩とはすごく仲良くさせてもらって、友だちのような関係になることもあります。でも「そもそもとてもお世話になっている」ということは忘れないようにしています。
- ー苦手な人とのコミュニケーションで意識していることは?
- 近藤:仕事で嫌な方に出会ったら、「見返したい」という気持ちを持って仕事に取り組むこともあります。
ただ、私の仕事の場合、嫌な方とも一回きりの仕事かもしれないから、その場だけ頑張れば良いという前提があります。会社で働いているとそうもいかないですよね。例えば、「この人より偉くなってやる!」と、前向きなモチベーションにするとか、「この人とは仕事の関係だけだ」と割り切るとかで、気持ちを切り替えて乗り切るのはどうでしょうか。
気持ちを切り替えるためには、愚痴も必要だと思いますよ。同じ状況の人や気持ちをわかってくれる人に愚痴を話して、最後は前を向ければ愚痴もポジティブなものになるのかなと思います。
★後編では、近藤さんが意識しているチームづくりの考え方や、プレッシャーとの向き合い方など、自分らしく働くヒントをお届けします。
(取材・執筆/菱山恵巳子)





