プレイングマネージャーで疲弊しないために。上手な業務の“手放し方”
社内では相談しづらい悩みや本音を語る、女性管理職の匿名座談会。今回のテーマは「部下を上手く頼れないプレイングマネージャーの脱し方」。部下をまとめる立場でありながらプレイヤーとしての成果も求められる、プレイングマネージャー。業務過多になりがちでストレスも溜まりやすいポジションですが、疲れないための上手な業務の「手放し方」とは?
【参加者】
Aさん(38歳):出版業界の営業部門課長職1年目。部下は3名。
Bさん(47歳):IT業界。クリエイティブ部門で15名を束ねる課長職。
Cさん(35歳):運送業界の係長3年目。部下は2名。
マネジメントとプレイヤー、どちらに専念したい?プレイングマネージャーの本音
- ー皆さんはいわゆる「プレイングマネージャー」でしょうか?現在の仕事のうちプレイヤー業務とマネジメント業務の割合を教えてください。
- Aさん:私はプレイヤーとしての仕事が9割。完全にプレイングマネージャーですね。
Cさん:私もプレイングマネージャーです。プレイヤー7割、マネジメント3割といったところです。
Bさん:私は逆にプレイヤーとしての仕事はほぼ手放していて、9.5割がマネジメント業。制作系の仕事なのですが、自分が担当した方がクオリティ的にもコスト的にもベストだと思う業務だけ担当しています。
Cさん:羨ましいです!部下にどこまで任せるべきか悩ましく、結局自分が手を動かしてしまうことが多いなと感じています。
Bさん:私はマネジメント業務に没頭したいので、部下が成長したらどんどん任せたいと思っている派なんです。
Aさん:正直なところ、私は現場の仕事が好きで、管理職の仕事にはあまり興味がもてていなくて...。部下が成長して仕事を楽しそうにしている姿を見るとやりがいを感じますが、マネジメント業務そのものは負担に感じることもあります。
Cさん:結局のところチーム全体が業務過多だと、自分も動くしかないですしね。私もなんだかんだ会社からプレイヤーとしての行動も求められていて、自分一人では現状のプレイングマネージャーのスタイルを脱することができない状況ではあります。
Aさん:しかも営業職なので、それぞれの関係性で仕事が成り立っている部分もあって。取引先にも「担当が変わりました」と言ってすぐに変えられるものでもないんですよね…。なので、管理職になってもそれまでの仕事を手放せずにいます。
管理職は就業時間を「部下のため」に使う意識で
Bさん:でも、現場業務もマネジメントも…となると、疲弊してしまいませんか?
Aさん:疲れますね(笑)。だからあまり部下を管理しようと思いすぎないようにしています。
上層部からは、「部下が今どこで何をしているのか把握しろ」など言われますが、あまりきっちりし過ぎず…。私自身が事務仕事が苦手なこともあり、勤怠管理も比較的ゆるくしています。そこに神経を尖らせている時間も気持ちも無駄かなと思っていて。
Cさん:チームとして成果が出ているのなら、細かいことは目を瞑っても良いのかもしれないですよね。Bさんはどのようにプレイヤー業務を手放していったのでしょうか?
Aさん:私も業務を手放すことがすごく苦手なので気になります。
Bさん:そうですね〜…就業時間は全てメンバーのために空けるようにして、プレイヤーとしての業務はあくまで空いている時間にするようにしていました。そうしないとメンバーへの対応が不十分になるので。結果的に組織としての生産性が下がるんですよね。
自分がプレイヤーとして動くことで生産性が上がるのならそれで良いのですが、私が動かない方が逆にチームのためになる。周りにもそういった姿勢を示していました。
あとは、プレイヤーとしての業務は頭脳労働だけにして、現場に行くなど動く必要があるものは部下に任せていました。移動時間、拘束時間があると時間が足りなくなるので。頭脳労働だけならメンバー対応の合間でコントロールできます。
Aさん:良いですね。私もマネジメント業務はゆるく…なんて言いましたが、メンバーとの打ち合わせの時間だけはちゃんととるようにしています。基本的に対面で話すことを大事にしていて。メールやチャットで会話を済ませると、正しく伝わりづらく、かえって時間がかかってしまう気もします。
部下に業務を任せる時は、プロジェクトの全体像を把握させる工夫を
- ー自分の業務を部下に任せる時、意識していることはありますか?
- Bさん:その業務の目的と何をしてほしいのかを具体的に伝えるようにしています。また、全体のプロセスを把握させながら段階ごとに「次はこの日までにこれをしましょう」とサポートすること。なので「いつまでに、何をするのか」を細分化し、TODOリストを作ってあげます。やり方はとことん教えるけど、実務は本人にさせることを意識しています。
Cさん:全体像を把握させるって大事ですね〜。「なんのためにこの仕事をしているんだろう?」と思われてしまうと、モチベーションの低下にも繋がりますしね。
私も「あなたにリーダーとしてとりまとめをお願いしたいから」「部長に説明するアイデア出しを手伝ってくれない?」など、自分はマネージャーに近い仕事を任されて期待されていると感じてもらえるような言葉を加えるようにしています。
Aさん:任せ方一つで「雑務を押し付けられた」と感じるか「私だから頼られた」と感じるか。部下の受け取り方が変わりますよね。
Bさん:そういう意味では、「あなたはこういう才能があるからこの仕事にチャレンジしてほしい」「あなたの目指すキャリアに生かせると思うからこの仕事をやってみて」と目の前の仕事をすることの意味を伝えるようにしています。
Cさん:私たちがプレイングマネージャーを脱することは、単に自分の業務負荷が減るだけでなく、部下の成長にも繋がりますもんね。
Bさん:そうそう。業務を任せる時って部下の成長のチャンスなんですよ。だから「この仕事やっておいて」だけではNG。「どう思う?」「あなたの考えが聞きたい」と9割は相手に話させ、その中で相手の考えを一緒に整理して結論を導き出すようにしています。
Aさん:まさに理想の管理職像です!部下の立場からしても細かいことまで押し付けられ、自分流のやり方ができないとやる気をなくしてしまいますよね。部下のアイデアややり方、提案を頭ごなしに否定しない人でいたいです。
Bさん:そうすればメンバーが楽しく生き生きと、自分の能力以上に働けるようになる。私たちはその環境を整える裏方でいられる気がします。
Aさん:あるべき姿ですね〜!私はまだまだできてないと痛感します。いまだに長時間労働をしてしまいがちなので、まずはチームの業務効率化をはかって、私も早めに帰える。ダラダラ仕事をせず、プライベートも重要視しようかなと感じます。
Cさん:私も部下の「やりたいこと」への想いを聞きながら、私が「やってほしいこと」も踏まえ、上手に仕事を任せていきたいと思います。
プレイヤーとしての業務を手放して、メンバーに任せることは、部下自身の成長にも繋がるー。管理職には「上手に任せる力」が求められています。自分に余裕を、チームに成長ををもたらすためにも、まずは自分の働き方を少しだけ見直してみても良いかもしれません。






