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メンタリング・マネジメント
【ディスカッション型 × 結果主義スタイル】

メンタリング・マネジメントとは

メンタリング・マネジメントは、組織の目標設定やメンバー個人の目標設定、ときには組織作りに関する事項まで、組織内のあらゆる意思決定のプロセスにメンバーが深く関与する点が最大の特徴です。よりメンバーの自由度が高いマネジメントスタイルと言えます。管理職はメンバーに対し組織のビジョンを示し、メンバーは非常に大きな裁量のもと、自発性を発揮して組織及び個人の目標の実現に向かいます。

管理手法としては、目標管理が主となりますが、管理の側面は弱く、どちらかと言うとメンターのような立ち位置で、メンバーの壁打ち役やアドバイザー役となります。

メンタリング・マネジメントは、ビジョンを持った創業者とそれに共感したハイパフォーマーで立ち上げたスタートアップ企業などで多く見られるマネジメントスタイルです。それ以外でも、ビジネス環境の変化が激しく、イレギュラーな課題に挑む機会の多い領域にマッチしやすい手法といえます。

メンタリング・マネジメントの長所と短所

◆長所
メンバーが組織内のあらゆる事項に主体的に関わることができるため、各メンバーの参画意識を高めることができます。そのため、メンバーのモチベーション、エンゲージメントを高く保つことができます。また、メンバーが管理職の示したビジョンにフォーカスし、自発性を発揮して業務を遂行するため、仕事の目的や使命、組織の存在意義などを見失いにくいのも特徴です。その分、組織としての創造性、課題解決力が高まる傾向があります。加えて、管理職がメンバーを管理するコストが低いのも特徴です。

◆短所
意思決定のプロセスに多数の人間が関わり、議論やヒアリングなどを行うため、メンバーの成熟度によっては、意思決定の質やスピードが落ちる可能性があります。また、管理職による管理の度合いが低いため、課題に直面したメンバーが、かえって孤立を感じる場面もあります。

メンタリング・マネジメントを機能させるポイント

1.メンタリング・マネジメントを採用する大前提として、メンバーが監督の必要がないほどに高い業務スキルとマインドを備えている必要があります。そのため、まずはメンバーの力量の見極めに注力する必要があります。

2.メンタリング・マネジメントでは、“組織のビジョンへの共感”がメンバー間の絆を強め、仕事のモチベーションを高める要素となります。そのため、管理職はメンバーを惹きつけ、納得させられるビジョンを描き、語らなければなりません。

3.メンバーの能力を十分に発揮させられるかがポイントとなるため、管理職はメンバーに対し、快適な業務環境(十分なリソースとツール)を提供できるよう力を尽くさなければなりません。

4.メンタリング・マネジメントの欠点として、メンバーによるディスカッションが迷走し、意思決定の質とスピードが低下するリスクが挙げられます。管理職は必要に応じて、本質的な問いを投げかけ、ディスカッションを適切な方向に導く必要があります。

5.メンタリング・マネジメントでは、管理職による管理の度合いが低いために、組織内の問題発覚が遅れるおそれがあります。メンバーが管理職に相談しやすい関係性や仕組みを作り上げること、いつでも助け舟を出せるようメンバーの状態の“観察”に力を注ぐことが重要です。

6.管理手法としては“目標管理”が主となりますが、目標の達成度の確認の主目的は、メンバーの査定ではなく、「メンバーが直面している課題を具体化し解決をサポートするため」と心掛けた方が、メンバーの能力を十分に発揮させられるでしょう。



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【制作】Be myself 編集部
【参考】ラリー・E・グレイナー『Evolution and Revolution as Organizations Grow』、曽和利光氏『人事と採用のセオリー』、『EQ こころの知能指数』、バーナード・M・バスが提唱した変革型・取引型リーダーシップ理論、フレデリック・ラルーが提唱した組織フェーズの5段階理論(『Reinventing Organizations』)

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