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オブジェクティブ・マネジメント
【ボトムアップ型 × 結果主義スタイル】

オブジェクティブ・マネジメントとは

オブジェクティブ・マネジメントは、メンバーの管理手法として、目標とインセンティブの設定で管理する手法をとります。メンバーと対話しながら目標を定め、目標達成時の報酬を事前に取り決めたうえで、メンバーの目標達成の有無を確認するやり方です。

このスタイルは、アチーブ・マネジメントと似ていますが、目標を決める際に管理職がメンバーの意見を聴くか、独断で決めるかという点に大きな違いがあります。また、アチーブ・マネジメントは具体的な数値目標を「期限付き」で求められる組織で多く採用されるのに対し、オブジェクティブ・マネジメントは、定性的な目標が設定される組織においても幅広く採用されるのが特徴です。目標設定においてオブジェクティブ・マネジメントは、アチーブ・マネジメントと比較したときに、目標の強制度は低く、インセンティブも低めとなる傾向があります。

オブジェクティブ・マネジメントの長所と短所

◆長所
メンバー自身が目標設定に関わり、それをメンバー自身の創意工夫で達成する形をとるため、メンバーの主体性がより育まれやすいスタイルです。そのため、管理職が指導やフィードバックにかける時間が比較的少なく済む傾向があります。また、アチーブ・マネジメントと比較して、目標の強制度が低くなる分、組織内での過当競争、足の引っ張り合いといった現象がアチーブ・マネジメントよりも起こりにくいのも特徴です。メンバーに裁量が与えられる分、業務内容に対する満足度も高まりやすく、成熟したメンバーがそろった組織では成果を生み出しやすいマネジメントスタイルです。

◆短所
アチーブ・マネジメントと比較したときに、目標の強制度とインセンティブが低くなりがちです。そのため、メンバーの目標達成に対するコミットメント度合いが下がる可能性があり、メンバーによっては十分なパフォーマンスが発揮されないおそれがあります。また、システマチック・マネジメントと異なり、緻密な行動指示を前提としていないため、成熟度の低い(自ら目標達成のための行動を考えられない)メンバーに対しては不向きといえるでしょう。

オブジェクティブ・マネジメントを機能させるポイント

1.オブジェクティブ・マネジメントが有効なのは、業務スキルとマインドの両面で成熟したメンバーに限られます。まずは、メンバーとオブジェクティブ・マネジメントとの相性を慎重に見極めることが重要です。そのうえで、オブジェクティブ・マネジメントがマッチしないメンバーに対しては、その特性、成熟度に合わせて、アチーブ・マネジメントシステマチック・マネジメントを使い分ける必要があります。

2.アチーブ・マネジメントほどではないにせよ、メンバーが個人の目標達成に近視眼的になり、結果的に他のメンバーと足を引っ張り合う構図が生まれることがあります。メンバー視点では、それぞれが目標達成に真摯に向き合った結果なので、そこに管理職からストップをかけられると、メンバーの不満が増幅するおそれがあります。管理職として、いかに両者の調整を行い、全体最適を図れるかがポイントです。

3.オブジェクティブ・マネジメントでは、メンバー個々の目標設定をメンバーの意見を聞きながら行いますが、メンバーからは“達成の可能性が高い目標”を提案されがちで、メンバーの力量に対して、やや低めの目標設定となるおそれがあります。メンバーの意見、メンバーの力量、性格を見極めたうえで、メンバーの育成にも繋がるような適切な負荷のある目標を設定する必要があります。



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【制作】Be myself 編集部
【参考】ラリー・E・グレイナー『Evolution and Revolution as Organizations Grow』、曽和利光氏『人事と採用のセオリー』、『EQ こころの知能指数』、バーナード・M・バスが提唱した変革型・取引型リーダーシップ理論、フレデリック・ラルーが提唱した組織フェーズの5段階理論(『Reinventing Organizations』)

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