習慣化には、タイプ別にコツがある!
計画の立て方&継続の仕方
34歳企画職のミホさんと、隣の課の課長で42歳のマユミさん。同じ会社で働く仲良しの先輩後輩の2人が、女性のキャリアに関するあらゆるモヤモヤを語りながら解決策を探る、当コラム。今回のテーマは「計画の立て方とその継続の仕方」について。新年を迎え、新しいことを始めたいミホさん。でも、毎年なかなか続かないのが悩みなようで……?
34歳独身。明るく人懐っこい笑顔で、愛され上手。一方で、ややがさつな面もあり、不用意な一言で周囲をヒヤリとさせることも。営業職から企画職に移り、そろそろマネジメントを任されそう。親からは早く結婚するよう急かされているのも、モヤモヤのタネ。
42歳既婚。いつも落ち着いていて、気配り上手な優しい先輩……というのは表の顔で、実は些細なことで悩みがちな小心者。寝る前はその日の自分の言動を振り返ってモヤモヤするのが定番。現在はミホさんの隣の課の課長。小学生男子の子育て中。
目次
「なりたい姿」から逆算し、期間を区切った計画を。
ミホさん
今年もよろしくお願いします! マユミさんは、今年の目標は決めましたか?
マユミさん
今年は新規プロジェクトが始まるから、まずは成功させたいかな。プライベートでは、昨年始めたキックボクシングをもう少し極めたいと思ってる! ミホさんは何か考えてる?
ミホさん
そうですね~。今年こそは仕事では昇進もしたいし、海外事業部の仕事にも興味あるので、英会話も習いたいとも思っています。あとはマイナス5キロを目標にしています!!
マユミさん
目標がいっぱいあっていいね!
ミホさん
でも、恥ずかしながら毎年全然続かないんですよね。マユミさんは目標達成のために、どうやって計画を立てていますか?
マユミさん
1年単位で具体的に計画を立てるというより、まず「来年の今頃はどうなっていたいか」をワクワクできる姿で考えてから、そのためにはどうすればいいかを逆算して区切りを持って計画を立てているかな。
ミホさん
区切りを持って、というのはどういうことですか?
マユミさん
あまりに長いスパンで計画を立てると挫折してしまうから、3ヵ月単位、1ヵ月単位、1週間単位、1日単位で分割してやるべきことを考えるの。例えば私の場合『自分の課発信で新規企画を提案して、それをメンバーと成功させる。そして自分自身は健康的な生活をしている』という姿を想像したの。そこから逆算して、3ヵ月後には社内稟議を通すまでは完了していたい、プライベートでは、週1で通っていたキックボクシングに週2通えるようにしていたい。そのために1カ月後には、課の意見をまとめていて、自分の時間を確保できるように、土日は早起きして家事をする習慣をつけていて……みたいに。
ミホさん
細かく区切れば、目標を見失わずに楽しく継続できそうです! しかも最初に「なりたい姿」を想像するっていうのがいいですね。無限にでてきます!
マユミさん
「なりたい姿」を考える時のポイントとして、キャリアの目標は、周囲から求められていることも含めると良いよ。例えば私の場合、管理職としてメンバーの成長促進も求められているから、『プロジェクトをメンバーと成功する』としていたし。プライベートは、健康、美容、スキルアップと、ジャンルを分けて考えると姿が浮かびやすいかも。
ミホさん
なるほど! では、私の『海外事業部の仕事にも手を挙げて、昇進して、美容面ではマイナス5キロ』というのは、なかなか良い目標ですね!
自分に合った習慣化のコツを知るための、4つの性格タイプ分け
ミホさん
とは言え、これまで私って物事をコツコツこなすことが苦手でして……。学生時代、夏休みの宿題は最後の1週間で一気に片付けるタイプでした。計画を立てても結局続かないと思ってしまう自分もいます。
マユミさん
私も習慣化に悩んでいた時に読んだ『性格4タイプ別習慣術』(古川武士 著)という本に書いてあったんだけど、実は性格によって計画を習慣化させる方法は違うんだって。
ミホさん
そうなんですか!?
マユミさん
行動の傾向を「短期集中タイプ」「コツコツタイプ」に分けて、さらに行動の動機を「大変なこと優先」「楽しみ優先」かに分類した4つの性格タイプで考えるんだけど、わかりやすく夏休みの宿題を例に説明するね。
①短期集中・大変なこと優先タイプ
このタイプは、最初の1週間で終わらせて、心配事を先になくしたいの。私はわりとこのタイプなんだよね。仕事も前倒しで進めたくなる。
②短期集中・楽しみ優先タイプ
一方、こちらは最後に追い詰められて一気に終わらせるタイプ。ミホさんはこのタイプかな。スイッチが入るとものすごい集中力を発揮すると言われているよ。
③コツコツ・大変なこと優先タイプ
そして、このタイプは最初に計画を立てて分散してこなすタイプ。気分の波に振り回されず、淡々とタスクをこなせる派。
④コツコツ・楽しみ優先タイプ
このタイプは、最初に計画を立てても思い通りになかなか進まないことが多いみたい。私の夫がこのタイプなんだけど、「面倒」だと思う仕事は納期までずっとどんよりが続いちゃうんだって。
タイプ別習慣化のコツ
ミホさん
とても腑に落ちました。私の場合、好きなことだと集中できるんですよ。
マユミさん
どのタイプが良い、悪いではなく、それぞれにあった習慣化のコツが必要なんだよ。例えば自分だけでなく、部下のタイプまで知っておくと、指導の時にも役に立つよ。
ミホさん
ぜひ教えてください!
マユミさん
もちろん!
①短期集中・大変なこと優先タイプ
集中力を長く保つことが難しいから、短期的な明確なゴールを示すことが大切。短期集中を繰り返していくイメージかな。あとは「これをやればどんなデメリットを避けられるか」を考えると、スイッチが入りやすいの。例えば、「今やらないと後で焦る」と思うとかね。
②短期集中・楽しみ優先タイプ
熱しやすく冷めやすいから、実は習慣化が苦手な人が多いんだけど、好きなことを動機にすると続けられるみたい。苦手なことでも、続けた先にある理想の姿を想像して、気持ちを乗せていくことが大切だよ。
③コツコツ・大変なこと優先タイプ
忍耐強く、習慣化が一番得意なタイプ。行動に落とし込んで分量を決めて少しずつ進めるのが向いているの。だから、一つの計画も細かいタスクに区切って、やるべきことをルール化・ルーティン化してしまえば、淡々とこなすことができるの。
④コツコツ・楽しみ優先タイプ
気分のムラでペースが乱れやすいから、計画の段階で余裕をもって、力を入れ過ぎないこと。あと、続かなかったことに罪悪感も抱きやすいから、「無理しないでいい」ということを受け入れるのも大切みたい。
ミホさん
なるほど。これまで「毎日コツコツできない自分はダメ」と思っていましたが、自分にあった習慣化のコツを掴めば、ストレスなく継続できそうです!
小さな一歩から、柔軟なルールにすることで、習慣化のハードルは下がる
マユミさん
あとね、どのタイプでも使える習慣化の技術もあるんだよ。タイプ別のコツと、この技術を組み合わせれば、無理なく計画を進められると思う!
ミホさん
そんな魔法のようなものがあるんですね!
マユミさん
まずは「小さな一歩」から始めること。人は動き始めるまでが一番腰が重いから、そのハードルを下げて、行動を当たり前にできるようにするの。例えば、英会話の勉強もまずは中学英語の復習から始めるとかね。
ミホさん
たしかに、それならハードルが低いです。
マユミさん
あとは、できなかったときの逃げ道を用意すること。もし最初に「1日1時間英会話の勉強する」と決めても、なかなか毎日は難しいよね? だから、できない時は「通勤で英語のニュース記事を1本読む」だけでやったことにするとか。
ミホさん
これまで「できなかった」罪悪感が重なって、結局計画自体なかったことにしてしまうことが多かったので、少しでもOKと思えれば、自然と続けられそうです。
マユミさん
でしょ? ルールを決めすぎず、小さなことから少しずつ積み重ねれば、自然と理想の自分に近づけるんだよ。
ミホさん
とても勉強になりました! 今年は、新しい自分に出会えそうです!
POINT
① 3ヵ月・1ヵ月・1週間・1日単位で分割してやるべきことを考える
② 自分の「行動傾向×行動動機」に合った習慣化のコツを知る
③ できなかったときの逃げ道(代わりに行う小さな行動)を用意する
監修者:古川武士
習慣化コンサルタント。習慣化コンサルティング株式会社代表取締役。これまで約5万人の育成と10,000人以上の個人コンサルティングを実施。「続ける習慣」をテーマに、オリジナルの習慣化理論・技術を開発。『性格4タイプ別習慣術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)『理想の人生をつくる 習慣化大全』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など著書多数。