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明日を輝かせる「ライフスタイル情報」

『夫婦会議®︎』に学ぶ②。共働きの子育てを充実させる夫婦の「対話」スキルの高め方

子育てしながらどのように働くか? 共働きの女性の中には、夫婦のパートナーシップに悩む人が多いのではないのでしょうか。

自分らしく働くためには、家事・育児をどのように協力し合っていくか、夫婦での「対話」が大切です。夫婦の対話メソッド『夫婦会議®︎』を展開するLogista株式会社の共同代表、長廣百合子(妻)さんと長廣 遥(夫)さんへのインタビュー後編では、夫婦の対話スキルの高め方を詳しくお聞きしました。

※前後編、後編です。前編はこちら

子育てしながら働く上で欠かせない、「パートナーの理解・協力」

―長廣さんご夫婦も共働きですが、女性が産後も働く上での夫婦の心得を教えてください。


百合子:共働きの皆さんの関心は、いかにして「夫婦の協力体制を築くか」にあると思います。そのために最も大切なことは、「対話」ができる・楽しめる夫婦関係を育むことです。
「対話」とは、価値観の違いを尊重し、互いに納得のいく結論を導き出すコミュニケーションのこと。日常的な「会話」や、互いの意見を出し合う「議論」はもちろん大切ですが、家族のカタチが変わる妊娠・産後・育児期は、「わたしたち」の答えに向けて話し合う「対話」の重要度が増します
なぜならこの時期は「決断の連続」であり、しかもその決断が、我が子の成長や健康・命、家族の幸福度に直結してくる重要なものばかりだから。

:例えば「産後も共働きで」と言葉を交わしていたとしても、「いつから仕事復帰してどんなペースで働くのか」「子どもの預け先はどうするか」など、具体的に決めることは山ほどあります。「オムツやミルクはどこのメーカーがいいか」など一見些細なことも、なんでも妻任せにするのは禁物です。
特に産褥期の約2ヶ月間は、母体の回復を重視すべき時期。個人差はあれど、産後の女性は「命がけのお産」で内臓損傷レベルの傷を負って24時間走っている状態です。2〜3時間ごとの授乳で極度の睡眠不足も重なり、ひとりで家事育児をできるようなコンディションではありません。
こうした産後のリアルを理解せずに、妻になんでも決断させる「思考のワンオペ」を強いてしまうと、プレッシャーに押し負けてしまいます。子育てに伴う責任は、妻一人に背負わせてはいけないですね。


―たしかに夫婦の協力体制づくりに対話は不可欠ですね。


百合子産後の妻が元気に仕事復帰できるかは、妊娠から産後の時期の夫婦の「対話」にかかっていると言っても過言ではありません。妻としては「説明するのもきつい。察して」と思いがちな時期ですが、男性が想像し辛い「母体に関すること」ほど、我慢したり抱え込んだりしないで、夫に状況を伝えて対策を一緒に講じた方が良い。例えば、母乳の調子や乳腺炎などの授乳トラブル、卒乳・断乳なども共有できていた方が協力体制を築きやすくなります。

:一方で、夫も子育てしながら働く上で「夫婦関係」が影響することを自覚しておきたいですね。
過去に、全国の25〜39歳の既婚者630名(男性315名/女性315名)を対象に「仕事と子育ての両立に関する調査」を実施したところ、「夫婦の関係性は仕事に影響しない」と答えた方は全体平均でたったの5%。夫婦関係は、仕事のモチベーションや効率、成果にも影響することがわかりました。

百合子:また、「子育てしながら働き続ける上で大切だと思うこと」については、「パートナーの理解・協力」という答えが断トツで多く、男女共に91.7%という結果でした。

:仕事と育児を両立する上で、職場の理解・協力や保育園など子どもの預け先の確保は欠かせませんし、様々な支援の輪も広がりつつあります。しかし、皆が一番大切に感じているパートナーの理解・協力は、「自助努力」に委ねられているのが現状です。こうした環境下で、努力の方向性を間違えずに協力し合うためにも、「対話」ができる・楽しめる夫婦関係づくりが最も効果的だと考えています。

夫婦の「対話」が上手くいく、5つのコツ

―夫婦で上手に「対話」をするためのコツを教えてください!


『夫婦会議®︎』では、夫婦のコミュニケーションを「会話→議論→対話」の3段階に分けて体系化し、「対話」を最終ゴールに話し合う方法を提案しています。この3つのステップを意識するだけでも、ある程度の対話力の向上が期待できますが、さらに、試してほしい対話のコツを5つご紹介します。

百合子:まず1つ目は、「わたしたち」を主語にすること
「対話」は、「わたしたち」の答えに向けて話し合うコミュニケーションです。普段の気楽な会話や、意見を出し合う議論の段階から「わたしたち」を頭の隅に置くだけで、対話に辿り着きやすくなる。喧嘩したり、意見を言い過ぎたりする状況もセーブできます。

:2つ目は、「ん?」と思ったら確認し、お互いの感情や考えに関心を持つこと
価値観や意見の違いを感じた時ほど、「どうしてそう思うの?」「詳しく聞かせて?」など様々なバリエーションで問いかけてみて。ただし「詰問」はNG!夫婦間の「問い」は、相手を理解するための問いであり、自分の正しさを証明するための問いではありません。どんな問い方だったら相互理解を深められるのかは頭を使うポイントです。

百合子:3つ目は、価値観の違いを受け止めること
「違って当たり前」「そういう感じ方・考え方もあるのだな」と、ひとまず「受け止める」ことを意識しましょう。「受け入れる」かどうかは「受け止め」てから判断すれば良いですし、必ずしも受け入れることが必要とも限りません。「受け止め」の積み重ねで夫婦間の心理的安全性が生まれ、「対話」までの粘りにもつながります。

:4つ目は、遠慮しない、過信しない、諦めないこと
「迷惑をかけたくない」と遠慮したり、「言わなくてもわかるでしょ」と過信したり、「他人だからわかるはずがない」と諦めたりしているうちは信頼関係が深まらず、「対話」まで到達しません。

百合子:5つ目は、夫婦なりのルール・マナーを考えること
例えば「否定から入らない」とか、「相手の目を見て話す」とか。何度か対話をするうちに見えてくる、お互いのコミュニケーションのクセを踏まえて、前向きな対話を重ねるためのルールやマナーを考えてみるのもオススメです。

仕事に育児に忙しい共働き夫婦ほど、日常的な「問いかけ」習慣を

―「対話」を行なう頻度など習慣化のポイントはありますか?


百合子:あまりに間が空いてしまうと習慣化が難しいので、『夫婦会議®︎』では、月1回での定例開催を推奨しています。テーマや議題に対する得意不得意も関係しますが、「わたしたち」の答えに向けて話し合うには、ある程度まとまった時間が必要です。少なくとも、30分〜1時間ほど捻出できるタイミングで取り組みたいですね。
夫婦で話し合いたいことがたくさんあるなら、その中でも重要な話題は月1回の定例開催の場で、軽い話題は日常の隙間時間を活かした臨時開催の場で扱ってみるといいかなと。もちろん、2週に1度など定例開催の頻度を上げていくのは効果的ですが、無理なく楽しく続けられるペースを優先してほしいです。

日頃から積極的な「会話」があるかどうかも、必要な時にスムーズに「対話」ができるかどうかに影響します。例えば、「ありがとう」や「ごめんなさい」の一言は惜しまずに伝えた方が良いし、朝の「おはよう」の挨拶は当たり前に言い合えた方が良い。起きた時には「今日の調子はどう?」寝る時には「今日はどうだった?」など、お互いのコンディションがわかるような答えやすい問いを投げかけてみるのもオススメです。

百合子:「対話」のベースとなる「会話」の段階からお互いを気に掛けたコミュニケーションを重ねておくことや、夫婦で問い合うことに慣れておくのはとても大切ですね。実は夫婦間でも「こんな質問したら嫌われないかな」「こんなこと聞かれたけど、責められている?」というように、問い・問われることを恐れている方が多い。そうした「問い」に対するハードルを日常から意識的に下げておくこともポイントです。

―共働き夫婦は、まとまった時間がとれないことも。子育ても加わり、忙しさが増す中で「対話」はできますか?


百合子:「話し合いたくても時間がない」と悩むご夫婦は多いです。ただ、本当に時間がないのか、時間捻出してまで話し合う動機が共有できていないのか、この差は大きい。「なぜ、話し合いたいのか」という動機を明確にし、夫婦で共有できれば「対話」に向けた話し合いの場は始まります
そのためにも、まずは自分自身の「話し合いたい気持ち」を事前に紙に書き出して言語化するのがオススメ。家事育児の負担が偏っている状況について話し合いたい場合、「なぜ、問題に感じているのか」にはじまり「問題が解消されたら、どんな良いことがあるのか」というイメージまで整理できると良いですね。ネガティブな感情の裏にある「希望」が言語化できていると、前向きな話し合いの場として伝わり、「今夜、子どもたちが寝た後に夫婦会議する?」と、スケジュールも決まりやすくなります。

:答えを急がない姿勢も大切です。1回の話し合いで「会話」「議論」から「対話」に到達しなくてもOKということ。締め切りのある議題でない限り、スピードは意識しない。むしろ、「わたしたち」の答えに向けて、互いの感情や考えを書いたり話したりする時間を楽しむ意識が大事ですね。

「わたし」から「わたしたち」へ。夫婦で「対話」することの価値

―夫婦で対話ができるようになると、共働き夫婦の関係性はどのように変わるのでしょうか?

百合子:ぼくが、わたしが」と互いの主張を競い合う関係から、「わたしたち」で答えを創り出していける夫婦関係に変化します。「わたしたち」なら大丈夫。そんな安心感や心強さを感じることができます。

:例えば『夫婦会議®︎』を重ねて「対話」ができるようになったご夫婦からは「家事・育児を手伝うという感覚が無くなり、一緒にやるのが当たり前になった」「次はこうしよう!と夫婦で協力体制を見直せるようになった」「夫婦喧嘩が減って、子どもたちにも笑顔が増えた」といった嬉しい声が届いています。
僕たちも、変化を実感してきた当事者。自分一人でなんとかしようとせずに、ちょっとしたことから大切なことまで「対話」するようになった今、夫婦間に安心感と心強さが育まれています。

―共働き夫婦が、子ども(未就学児)との接し方で心がけた方が良いことはありますか?


百合子:やはり、「自分は無条件に愛されている、大切な存在だ」ということが子どもに伝わる接し方を心がけたいですね。ただこれは、子どもへの直接の接し方だけでなく、夫婦が織りなす家庭環境も関係する話。わたしたちも痛感していますが、子どもは親のわたしたちが思う以上に、夫婦関係をよく見て記憶しているんですよね。
家庭は子どもたちが最初に触れる社会そのもの。わが子の自己肯定感や対話力の礎を育むつもりで、まずは親であるわたしたち自身が「対話を通じて協力し合う姿」を子どもたちに見せていくことが大切だと感じています。

:どんな人間に育ってほしいか」「どんな親でいたいか」という子育てのビジョンや、「我が子の状態」について、夫婦で共有し合うことも大切です。発育状態にせよ、健康状態にせよ、夫婦間で認識が異なることはありますから。「どんなお子さんですか?」と第三者に聞かれた時の答えも様々です。捉え方の差が分かると、お互いの子どもへの接し方に理解が及びやすくなり、より良いアイディアを出し合えるようになります。

百合子:意見や考え方にバリエーションがあることは子どもにも見せていきたいし、細かな接し方は同じでなくても良いと思いますが、大事なところで夫婦の足並みがそろっていることが、子どもの安心感を育むと感じています。

―最後に、Be myself 読者にメッセージをお願いいたします!


百合子:夫婦になることを選んだ方は、「Be myself」だけでなく「Be ourselves」ということも意識していただけたら。「わたし」を大切にするのと同じくらい、「わたしたち」も大切にできると、今までにない答えや道、想像し得ない幸せが見えてくるかなと思います!

:「対話」を通じて夫婦で協力し合えるようになると、働き方や働く意義が前向きに変化していきます。何より、仕事も家事も子育ても「楽しむゆとり」が生まれる!病気やケガなど「もしも」への対応力も上がり、夫婦でより良い人生を紡ぐことにも繋がると思います。



前編記事はこちら
『夫婦会議®︎』に学ぶ①。産後クライシス予防に繋がる夫婦の「対話」スキルとは

長廣 百合子(ながひろ ゆりこ)/共同代表 CEO 『夫婦会議®︎』開発研究者のイメージ画像

長廣 百合子(ながひろ ゆりこ)/共同代表 CEO 『夫婦会議®︎』開発研究者

1984年、福岡生まれ。2児の母。九州産業大学卒業後、2006年に(株)毎日コミュニケーションズ(現(株)マイナビ)に入社。退職後、個人で「次世代リーダー発掘・育成事業」をスタート。2013年に結婚。翌年30歳で第1子・長女を出産。2015年7月より夫・遥と共にLogista株式会社を設立。夫婦の対話メソッド『夫婦会議®︎』を開発。2021年には第2子・長男を出産。

長廣 遥(ながひろ よう)/共同代表 COO 『夫婦会議®︎』開発研究者
1976年、東京生まれ。2児の父。東京工業大学大学院修了後、2002年に(株)リクルートに入社。退職後、大分にて地域農業のグランドデザインづくりに挑戦するもヘルニアで断念。福岡に拠点を移し、地域活性コンサルティングに5年間従事。前妻と離婚後、2013年に妻・百合子と再婚。2015年7月に夫婦共同でLogista株式会社を設立し、夫婦の対話メソッド『夫婦会議®︎』を開発。

Logista株式会社(夫婦会議®)

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