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マイキャリアストーリー

『自分なりのキャリアを、自信を持って歩いて行く』
株式会社りそな銀行 コンプライアンス統括部 齋藤美穂さん【後編】

誰しも迷うキャリアの決断。女性管理職として活躍するインタビュイーはいつ何に悩み、どう決断してきたのか。キャリアの分岐点と決断できた理由を語っていただきます。

 

今回は前回に引き続き、株式会社りそな銀行 コンプライアンス統括部 AML金融犯罪対策室 齋藤 美穂さんにお話を伺いました。

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齋藤 美穂(さいとう みほ)さん

株式会社りそな銀行
コンプライアンス統括部 AML金融犯罪対策室

後輩女性社員の手本となることも、私にできることだと思った

齋藤さんが管理職になったのは2021年7月のこと。当時、「家庭と仕事のバランスをどのように取るか」、特に子育てをしながらの管理職への昇進には、大きな迷いがあったと振り返ります。
「やはり一番の不安は“子育てとの両立”でした。勤務時間に制約があり、突発的に休む必要が出た時、仕事のフォローがうまくいくかどうか、最後まで責任を全うできるのか、とても心配で。また、業務内容の面でも、管理職としてチームを引っ張ったり、指導したりといった役割が果たせるのかどうか、自信が持てませんでした」
そんな彼女が管理職になる決断をした背景には、次世代の女性社員たちへの想いがありました。
「管理職に挑戦しようと思ったのは、年次が上がり、さまざまな仕事を任される中で、やはり役職に就くことが求められているのだろうな、という感覚があったこと。そして、後輩の女性社員が増えてきて、『子育てをしながらでも管理職になれるんだ』という姿を、彼女たちに見せたいという想いが芽生えたからです。そのような実績を作って、彼女たちの手本となることも、私にできることなのではないかと考えました」

管理職挑戦には、社内風土やサポート制度も後押しに

齋藤さんが管理職に挑戦する上で、社内風土やサポート制度も支えになったと言います。
「りそな銀行では、女性役職者を増やすための動きがかなり早くから進んでいました。実際、2013年度には女性の管理職比率が20%に達し、2020年度には30%を超えました。2015年には、初の女性役員も誕生しています。会社全体として、女性の活躍を後押ししていく動きがあったおかげで、私も背中を押してもらえたと感じています。

リーダーシップやマネジメントなどに関する研修も充実していました。中でも、女性リーダーを育てる外部研修に3ヶ月にわたって参加し、そこで“女性リーダー像”のイメージが持てたことは大きかったですね。

それまでは、『自分はリーダーには向いていない』、『リーダーにはなれない』と思い込んでいました。でも、男性とか女性とかに関係なく誰にでも強みがあり、それを活かした、その人なりのリーダーシップの発揮方法があると分かったんです。また、この研修を通じて、自分なりの強みにも気付くことができ、長所を生かしたリーダー像を模索するようになりました。あと、この研修がきっかけで、何事にも積極的に挑戦する姿勢を持てるようになりましたね」
そんな齋藤さんは、業務に必要な資格の取得をはじめ、積極的に自己研さんを続けています。
「業務に必要な資格は、既にひととおり取得していますが、日々、コンプライアンスや金融犯罪対策に関連する最新の情報をアップデートしています。

あとは、会社が提供する自己研さんのための学習ツールが充実しているので、その中から自分に合ったメニューを探して活用しています。例えば、Udemyのようなオンライン講座を受けることもありますね。今は“ロジカルシンキング”や“企画力”といった点が自分に足りないと思っているので、その分野を強化するべく、学びを深めています。

オンライン学習ツールはとても便利で、会社から提供されているものを、会社外のちょっとした時間に見られるのは非常に助かります。私の場合は、まとまった時間をなかなか確保できないので、通勤時間や家での隙間時間などで、少しずつ勉強を進めています。

今、コンプライアンス統括部に女性の上司がいらっしゃって、積極的に外部と交流しながら常に最新のAML/CFT(マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策)情報をアップデートし、それをご自身の業務経験に基づく幅広い知見とともに皆に還元してくれています。そういう姿勢をとても尊敬していて、私も同じような動きができるよう頑張りたいですね」

個性が違うように、キャリアも人それぞれ違うもの

キャリアアップに悩んだり、不安に思ったりしている読者へのメッセージをお願いすると、齋藤さんは次のように答えてくれました。
「20年近くキャリアを積んできて思うのは、『何事も経験』だということ。もちろん失敗したこともありますが、振り返ると、その一つ一つが今の自分につながっていて、『挑戦して無駄だったことは何一つなかった』と感じています。

うまく行かないときは、ちっとも前に進めていないように感じると思いますが、一生懸命取り組んでいれば、時間の流れと共に自分も周囲の状況も変化し、少しずつでも必ず前進しているはずです。そして、その時に抱えていた悩みも、いつかは生かされる時が来ます。
だから、もし今、挑戦を躊躇しているものがあるのなら、少しだけ勇気を出して挑戦して欲しいです。

あとは、私自身、他の人のキャリアの経験談を読むたびに『こうならなきゃいけないのかな』、『この人のようにはなれないな』などと、焦ったり落ち込んだりすることがありました。でも最近思うのは、人それぞれ個性が違うように、キャリアもそれぞれ違うということ。『いろいろな人がいるのだから、私自身も私なりのキャリアを積めばいいのかな』と思えるようになりました。ぜひ皆さんも、自信を持ってご自身のキャリアを歩んで行ってください」



「前編記事」

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写真:MIKAGE
取材・執筆:北森 悦

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