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マイキャリアストーリー

『管理職になった今が一番楽しい』
日清食品ブランドマネージャー 清水文恵さん【前編】

誰しも迷うキャリアの決断。先輩たちはいつ、何に悩み、どう決断してきたのか。現役で活躍し続ける女性たちに、これまでのキャリアの分岐点と、決断できた理由を語っていただきます。今回は、日清食品マーケティング部 第8グループ ブランドマネージャーの清水文恵さんにお話を伺いました。

清水文恵(しみず ふみえ)さんのイメージ画像

清水文恵(しみず ふみえ)さん

日清食品株式会社
マーケティング部 第8グループ
ブランドマネージャー

子育てをしながら楽しそうに働く上司を見て、考えが大きく変わった

清水さんが所属するマーケティング部第8グループは「お椀で食べるシリーズ」やカップスープ、子供向け即席麺の「日清マグシリーズ」などを担当しています。商品開発の検討から販売戦略、プロモーションにいたるまで、マーケティング部が多くの関係部署と連携しながら商品を世の中に出していきます。グループごとに担当商品が決まっている日清食品では、ブランドマネージャーはその商品の「社長」とも言われるそうです。
そんな、マーケティング部15年目の清水さんですが、キャリアのスタートは研究開発職でした。
「もともと大学を卒業後、大学院に進学して生物科学分野の研究をしていました。ただもう少し短いスパンで結果が見えるものに携わりたいと思い、修士課程を修了後、日清食品に入社しました。1年間の工場研修を経て研究所に配属され、即席麺の具材の開発を中心に、4年間研究所で勤務しました」
研究所での仕事にやりがいを感じていた清水さんですが、5年目でマーケティング部への異動が決まります。
「研究所からマーケティング部へは毎年1〜2人が異動する程度で、枠としては多くありませんでした。いつかチャンスがあればマーケティングの仕事にも携わりたいと思っていたので異動希望は出していたものの、正直、強くアピールしていたわけではありませんでした。ちょうど一通り仕事ができるようになって楽しいと思っていた時期に、まさかの辞令で———。でも、辞令をもらったからには新しい場所で頑張るしかないと決意し、マーケティング部へ異動しました」
マーケティング部へ異動後、5年あまりの後に第一子を出産。産休・育休を経て復帰した清水さんに、転機となる出会いがありました。
「マーケティングの仕事はとても楽しくやりがいがあるものでしたが、忙しい部署でもあったので、第一子出産前には、時短勤務で子どもを育てながらマーケティングの仕事を続けるのは難しいと思っていました。そんな思いを抱えながら産休・育休から復帰した際に、上司となった女性が、子育てと仕事を両立しながら、ブランドマネージャーとして、真剣にそれでいてとても楽しそうに働いていました。

そんな彼女の姿を見て『子どもがいても、マーケティングの仕事はできるかもしれない』『案外楽しめるかもしれない』と思えたんです。出産前のような働き方はできないとやや諦めていた部分がありましたが、彼女との出会いで、マーケティングの仕事を頑張って続けようと、考えが大きく変わりました」

後輩女性社員の相談をきっかけに、管理職の道へ

産休・育休復帰後の上司との出会いから、少しずつ将来のキャリアとして管理職へのチャンレンジも意識し始めた清水さん。本格的に考え始めたのは第三子出産後だったと話します。
「2020年4月に3回目の産休・育休から復帰し、その約1年半後、会社の中でも特に忙しい、新規事業を担当する部署に異動することになりました。その部署には子育て中の女性が少ないこともあって、当初は少なからず働きにくさを感じる場面もあったんです。例えば、17時に退勤して保育園に子どもを迎えに行くことになっていたのに、17時から打ち合わせが組まれてしまったり。子育てとの両立の大変さを一番痛感した時期だったかもしれません。

その一方で、産休・育休を3回取得して職場復帰していることから、これから結婚や妊娠・出産を考えている後輩の女性社員から相談を受けることが増えていきました。『子育てと仕事の両立はどうされていますか?』『働きながらの子育てって、実際にできるものですか?』など、内容もさまざまでしたね。そのように相談を受けることは、私自身にとって本当に嬉しいことでした。

後輩たちも皆、悩みながらも頑張ろうとしている——。そんな姿を見たときに、子育てと仕事の両立に奮闘してきた自分が管理職になることで、他の女性社員たちの今後のキャリアの参考になるかもしれない、もう少し上を目指してみようかな、と思うようになりました」
昇進に向けた研修でも刺激があったと言います。
日清食品ではマーケティング部の場合、ブランドマネージャーを目指す社員向けに選抜制で1年間社内研修と社外研修を受ける機会が用意されています。その社外研修に参加させてもらったことで、他社で子育て中でものびのび楽しく働いている女性がいることを知れたのは、私にとっては大きな刺激になりました。

そんな経験もあって、ブランドマネージャーに就任した1年目は、係長クラスの女性社員向けに開いている勉強会の運営メンバーを務めていました。勉強会を通じて女性同士のネットワークを作り、お互いに助け合いながら、次のステップである管理職を目指してもらえたらとの思いからです。
1年間の研修を経て、2022年9月に昇進試験に合格した清水さん。ブランドマネージャー就任が具体的になるにつれ、不安も膨らんでいったと言います。
「マーケティング部で10年以上、さまざまなブランドマネージャーの下で働いてきて、その責任の重さや忙しさを間近で見てきました。だからこそ、バイタリティがあって、常に仕事のことを考えられるような人でなければブランドマネージャーは務まらないのでは?とも思い……。仕事と子育てで、てんやわんやの生活をしている中で本当に務まるのだろうかと不安に思っていましたね」
ブランドマネージャーに就任して1年あまり。その不安は払拭できたか尋ねると、「今でも、自分が十分に役割を果たせているか心配になることもありますが、周囲の支えがあるおかげで続けられると感じています。」と明るく話します。
「当初は『ブランドマネージャーだから私が頑張らなければ!』と気負っていましたが、本当にメンバーに恵まれ、助けられています。自分一人で気負わず、周囲に頼ってもいいんだと、と思えるようになってからは『私でもブランドマネージャーを続けられるかもしれない』と思えるようになりました」

→後日公開の「後編記事」に続きます。



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写真:MIKAGE
取材・執筆:北森 悦

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