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管理職ラボ

なぜ女性管理職は少ない? 増やすために企業ができる具体的アクション

「管理職に興味はあるけれど、自分にできる自信がない」「家庭との両立を考えると、昇進をためらってしまう」。女性管理職をめぐっては、今なお多くの不安や迷いの声が聞かれます。

 

しかし、VUCAと呼ばれる今の時代に、企業が変化に適応し生き残っていくためには、多様な視点を持つ意思決定層の存在が不可欠です。その中で、女性管理職が果たす役割や価値は、これまで以上に大きいものとなっています。

 

本記事では、ビジネスコーチとして多くの管理職を支援してきた小川由佳さんの監修のもと、女性管理職が増えない背景を整理し、女性管理職を増やすために企業ができる施策を解説します。



〈監修者:小川由佳〉
 株式会社FAITH 代表取締役

津田塾大学卒業後、沖電気工業や外資系メーカーで、物流やSCM業務に従事。
i2テクノロジーズジャパンに転じ、コンサルタント、マネージャーとして、クライアント企業に対するSCMソフトウェアの導入や、それに伴う業務改革のコンサルティングを実施。このときの経験を通じて「企業の根本は人だ」という想いに至り、人材育成分野に関心を持つ。
ジレットジャパンのSCM部門で管理職を経験後、ジェネックスパートナーズへ参画。コンサルタントとして、クライアント企業における業務改革や組織変革の支援を行う。また、研修やコーチングを通じて、クライアント企業のリーダー育成やチーム活性化に従事。
2011年に独立し、各種研修プログラム開発および講師やコーチとして活動中。

株式会社FAITH


女性管理職が少ない理由

日本企業における女性管理職の比率は、世界的に見ても低い水準であることが課題となっています。そもそも現代の日本でなぜ女性管理職が増えにくいのか、考えられる要因をいくつか紹介します。

管理職が「働き方改革」の対象外になってしまっている

働き方改革が浸透してきているとはいえ、まだまだ残業が当たり前の風土として残っている企業も多く存在します。特に、管理職は残業代がつかなかったり、出社が必須だったりと、働き方改革の対象外とされることが多いのも実情。これらの風土が「子育てやプライベートと管理職を両立することは難しい」と感じる女性が多い要因になっています。

産育休や時短勤務がキャリアのマイナスになる

制度上では産前産後休暇や育児休暇、時短勤務などの「働きやすい環境」が整っていても、キャリア上ではマイナスになってしまう、といった実情もあります。
最近はだいぶ改善されてきましたが、例えば、産前産後休暇・育児休暇期間は勤続年数としてカウントしない、時短勤務が評価のマイナスにつながるといった企業も存在しています。ライフイベントを迎えた女性が企業の中で適切な評価をされにくかったことも、女性管理職が少ない一因となっています。

経験値に男女差がある

上司が良かれと思って配慮するあまり、責任が重い仕事を女性に任せないといったパターンも存在します。上司が無意識にそのような行動を取っていることもあります。結果的に男性と女性で経験値の差が生まれます。その経験値の差が、昇格に対する女性の「自信がない」「私には無理」という気持ちにもつながっています。

女性自身が自分に自信が持てない

また「管理職は引っ張っていくタイプでなければならない」「メンバー全員より優秀でなければならない」という本人の思い込みが管理職への挑戦を妨げているパターンもあります。
特に、女性は男性に比べて自信を持ちにくい傾向があるという統計データも存在しています。昇進を打診された際、男性は必要な能力の60%に達していると感じていれば、前向きに応じる一方、女性は100%できると思えないと応じない傾向があるのです。
(出所:『なぜ女は男のように自信をもてないのか 』キャティー・ケイ&クレア・シップマン著)
あくまで統計的な傾向なので個人差はありますが、もしこのような傾向が自分の中にある場合は、もう少し気軽に「できます」と言ってもいいのではないでしょうか。 ‎誰だって初めてのことができるかどうかわからないのは当然のことです。 

女性管理職が増えるメリット

では、女性管理職が増えることで、企業にとってどのようなメリットが生まれるのでしょうか。
まず労働力不足の現代において、多様な人が働ける環境を作ることは人材獲得の面でプラスとなります。女性が働きやすい環境は、制約を持った他の人材も働きやすい環境です。最近は男性の育児休暇取得も増えており、 女性に限らず多くの人が何らかの制約を持つ時代になっています。
また昨今は、就職活動で「ダイバーシティ」を重視する学生も増えています。「女性管理職が多い」ということは、それだけで企業のアピールポイントにもなるのです。
そして企業が世の中の多様なニーズに対応するためには、意思決定層に男性視点だけでなく女性視点も必要なことは明らかです。企業として多様な視点を持つことは市場での競争力向上に繋がります。

女性管理職を増やす施策

最後に、女性管理職を増やすために、企業が取り組むべき施策を紹介します。

残業時間の削減

まずは基本的なことですが、企業として残業時間の削減に取り組むことが重要です。その対象には管理職も含まれます。「管理職を含め、残業はしない」ことが普通になれば、どんな立場の人も働きやすく、管理職を目指しやすくなるでしょう。

管理職の役割を再定義する

「管理職は引っ張っていくタイプでなければならない」「自分に管理職ができるわけがない」と思っている女性も多くいますが、そもそも昨今、管理職に求められる役割が変わってきています。
企業として管理職の役割を再定義したり、研修等を通じて管理職の役割を社員が知る機会を提供できると良いでしょう。「引っ張っていくタイプである必要はない」ことや、自分なりのマネジメントスタイルを見つけて良いことが伝われば、これまで自信が持てなかった女性も管理職に挑戦しやすくなるのではないでしょうか。

管理職の役割については、こちらの記事で詳しく解説しています。
https://bemyself.pasonacareer.jp/skill/skill-4325/

男女で仕事の割り当てを変えない

男女分け隔てなく、様々な経験を積める環境づくりも欠かせません。そのためには、上司側が「男性だから」「女性だから」というアンコンシャスバイアスに気づき、対処する必要があります。責任のある仕事への向き不向きは男女関係ありません。特に初めて管理職に挑戦する立場の人にとって、上司の関わり方が与える影響は大きく、「あなたならできる」「バックアップする」という上司からの後押しが大きなプラス効果をもたらします。
また、様々な仕事を経験することで、面白さややりがいが見つけられると、仕事を続けたい・管理職になりたいという意欲にも繋がります。

まとめ

女性管理職が増えない背景には、制度や慣習、そして本人や上司の思い込みなど、さまざまな要因が絡み合っています。ですが、これらを紐解き、女性が管理職として活躍できる組織をつくっていくことは、個人にとっても企業にとっても大きな価値をもたらします。

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