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マイキャリアストーリー

『意図しない道に進むからこそ面白い景色に出会える』
パナソニック株式会社・商品企画 樫木智恵さん【後編】

誰しも迷うキャリアの決断。先輩たちはいつ、何に悩み、どう決断してきたの? 現役で活躍し続ける女性たちに、これまでのキャリアの分岐点と、決断できた理由を語っていただきます。

今回は前回に引き続き、パナソニック株式会社で電設資材事業の商品企画を担当する樫木智恵さんにお話を伺いました。

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樫木智恵(かしき・ちえ)さん

パナソニック株式会社
電設資材ビジネスユニット 商品企画部
マンションシステム商品企画課 主幹

「課題を見つけて解決していく」という思想は社内SEも商品企画も同じ

社内SEの経験を経て、現在はオートロックマンションのインターホンの商品企画を担当している樫木さん。昨今、物流業界の2024年問題で注目されている“荷物の置き配”をスムーズに進められるように、セキュリティ面を担保しながらオートロックを通過させるという新たな仕組みづくりを進めているといいます。
「パナソニック一社だけではできないので、パートナー企業と連携しながらプロジェクトを進めています。何かしらの困りごとや課題を見出し、技術と仕組みによって解決していくという点では、社内SEでやってきたことと大きな括りでは変わらないなと感じています。新しい価値を生み出し、お客様の生活をより便利に快適に変えて行くという根っこの思想は同じ。それに加えて、商品企画の仕事には、自分が携わった商品が世に出ていく様子が見えるというやりがいがありますね」
商品企画に異動して3年目には上海に2年間滞在し、中国の成長市場を開拓していくプロジェクトにも携わりました。
「手掛けたのはIoT住宅です。住宅内の照明機器や空調設備などをインターネットに接続し、自動化・制御することで、快適な生活を実現させるという仕組みで、私自身が初めて商品企画の初期から発売の見届けまでを経験した商品でした。当時、中国市場ではそのような商品を自社で発売していなかったため未知の領域でしたが、そこで商品が受け入れられ使われていく様子を見ることができ、大きな達成感を味わえました」
2年間の上海暮らしでは、同時期に現地にいた大学時代の友人と出かけたり、日本人のサークル活動に積極的にアクセスしたりとネットワークを広げていった樫木さん。新しい環境に適応していくために、どのような心がけをしているのでしょう。
「どんな領域でも学ぶことが好きなので、知らない世界に飛び込んでも、分からないことは調べよう、人に会いに行って聞いてみよう、情報を集めてキャッチアップしようと自然に動いているのかもしれません。せっかくチャンスをもらえたのだから早く戦力になりたい、という気持ちも強くて、周りの“当たり前”のレベルまで自分が追いつけるように、といつも思っています」

足りないものを学ぼうと再び大学院へ、意図とは違う道も楽観的に進んでいく

2023年には管理職に就任し、商品企画と兼務している営業でもプロジェクトリーダーを任されています。「学ぶことが好き」と語る樫木さんは、現在、新たなチャレンジに向き合っています。
「24年の4月から社会人大学院でMBA(経営学修士)のコースをとっているんです。管理職とはどんな役割を担う存在なのか、自分の中でずっとモヤモヤしていて。これまでプロジェクトリーダーを務めたときは、メンバーとフラットな、友達のような関係を築いてきたのですが、評価者になる上でそれだけでは足りないし、組織をまとめていくイメージを持てていないなと思いました。

MBAを選んだのは、マネジメントについて手っ取り早く教えてもらいたいという考えから。でも、実際に行ってみたら、マネジメントのみならず、これから挑戦したい新規事業立ち上げにも役立ちそうな学びにもあふれていて、とても刺激的な毎日です」
学生時代から一貫して、新しい世界への関心を持ち続けている樫木さん。今キャリアを振り返り、就職活動時に落ち込んでいた自分にどんな言葉をかけたいか。そんな質問をすると、あっけらかんとした答えが返ってきました。
「なるようになるよ!と笑って背中を叩いてあげたいですね。
研究職への道が途絶えたとき、当時は世界の終わりかというくらい落ち込んでいました。私はこれまで一体何をやってきたんだろうって。でも、パナソニックに入ったら、私の仕事ぶりを見て、良さを見出して引っ張り上げてくれる人にたくさん出会えました。この会社には本当にいい人しかいなくて、困っていたら協力しようと動いてくれる人ばかりなんです。それはもしかしたら、創業者の松下幸之助さんの『物をつくる前に、人をつくる』という思いに共感する人が集まっているからなのかもしれません。
何とでも道は拓けるし、自分が意図していない道だからこそ、面白い世界が見えるかもしれない。そんな風に楽観的に動いていったほうが、良い結果も出るのじゃないかなと思っています」

「前編記事」





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写真:anphotography
取材・執筆:田中 瑠子

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