新たな視点をくれる「面白い名言」
ビジネスパーソンに役立つ様々な名言を紹介する当企画。今回のテーマは、新たな視点をくれる「面白い名言」です。業務に追われ・時間に追われていると、ついつい眉間にシワが寄り、視野が狭くなってしまいがちです。
今回は、クスリと笑えるものから皮肉めいたものまで、ハッとした気づきを与えてくれる言葉の数々をご紹介します。
職場での処世術を教えてくれる「面白い名言」
- 『責任を回避するいちばん良い方法は、「責任は果たしている」と言うことである。』
- リチャード・バック(米国の作家)
小説「かもめのジョナサン」で知られるベストセラー作家、リチャード・バックが語った言葉です。仕事の責任を押し付けられそう・・、そんな場面で、どう振る舞うべきかを示しています。
この言葉の解釈には諸説ありますが、その一つとして、
『とにかく「私はやるべきことはやっている」と自信満々に言い切ることで、責任追及の矛先を弱めることができる』というものがあります。
私は悪くないと自信満々に言っている人に、責任を果たしていないことを理解・納得させるには、かなりの労力が必要となります。そして、多くの場合、問題発生時にそうした労力を払っている余裕はありません。「スケープゴート探しよりも、問題解決を優先すべきだ」という結論に落ち着くことが多いのではないでしょうか。
その意味で、緊急時であればあるほど、有効な処世術と言えるかもしれません。
一方で、この言葉には、『「責任は果たしている」と自信満々に言う人は、責任から逃げようとしている人である』という皮肉が込められているという説もあります。
結局のところ、一番の処世術は、
いつでも堂々と「責任は果たしている」と言い切れるだけの着実な仕事を遂行し、信頼を積み上げることなのかもしれません。
- 『人間は誰もが考えている。インテリだけがそれを自慢しているのだ。』
- ボーヴォワール(フランスの作家・哲学者)
20世紀ヨーロッパの女性解放思想の草分けとされる「第二の性」や自伝小説「レ・マンダラン」などの著書で知られるシモーヌ・ド・ボーヴォワールが語った言葉です。
頭の良さ・思考の鋭さを鼻にかけている人にマウントを取られたときの受け止め方を示してくれています。
パスカルの「人間は考える葦である」という言葉にもあるように、表にこそ見えないものの、人は誰しもそれぞれの頭の中で様々なことを考えています。
だから、何かを思考していること自体は自慢にもならないはずですが、知識や教養をひけらかしたいインテリだけがそれを自慢に思っていて滑稽だということです。
逆に、自分の考えの正しさをひけらかしたくなったときに、「他の人もそれぞれの立場で考えているのだ」と自戒する言葉にもなります。
幸せの本質を教えてくれる「面白い名言」
- 『幸せとは、健康で記憶力が悪いということだ。』
- アルベルト・シュバイツァー(ドイツの哲学者・医者・ノーベル平和賞受賞者)
アフリカのガボン・ランバレネにて、原住民への医療と伝道に生涯を捧げたとされるシュバイツァーが語った言葉です。
「幸せ」ついては、古今東西、さまざまな人が定義づけていますが、シュバイツァーは、幸せとは、何かを成し遂げたり、手に入れた先にあるわけではなく、
(1)健康でいること
(2)嫌なことをすぐに忘れること
で得られると説いています。
「健康」はお金や物で買えない尊いものであることを、医師であったシュバイツァーは誰よりも痛感していたのだと思います。
また、近年、心を整えるために「今・ココ」に意識をフォーカスするマインドフルネスなどが流行していますが、記憶力が悪ければ、過去に思いを馳せることなく、自然と「今・ココ」に意識を向けられるようになります。
嫌なことがあったときには、どうしても繰り返し思い出して反芻してしまいがちですが、早く忘れるためにも、「これは忘れてよい記憶だ」とラベリングし、意識の外に早々に追いやることが大切なのかもしれません。
新たな気づきをくれる「面白い名言」
- 『人は自分の友に秘密を話すが、その人にもまた友がいるのだ。』
- トルストイ(ロシアの小説家・思想家)
「戦争と平和」「アンナ・カレーニナ」などの代表作で知られる、19世紀ロシア文学を代表する文豪、トルストイが語った言葉です。
誰でも、『相手は信頼できる友人だから』と、自分の秘密を友人に打ち明けた経験を持っているのではないでしょうか。
しかし、トルストイは、その友人にもまた別の信頼できる友人がいるため、いずれその秘密は洩らされることになると説いています。
秘密の共有は“親しさの証”にもなりますが、その際、自分の秘密が守られることを期待してはならないということなのかもしれません。
仕事のオンオフを問わず、肝に銘じておきたい言葉ですね。
- 『牛乳で言ったら確実に腐っている。しかし、ヨーグルトで言ったら出来立て。』
- 吉田敬(日本のお笑い芸人)
お笑いコンビ「ブラックマヨネーズ」のボケ担当として知られる吉田敬がテレビ番組の相談コーナーで、年齢を気にするアラフィフ女性に対して語った言葉です。
出来立てのヨーグルトは、牛乳として売り出すなら「腐った牛乳」。でも、ヨーグルトとして売り出すなら「新鮮なヨーグルト」という扱いになります。
吉田氏は、若いころには出来なかったことが、年齢を重ねることで出来るようになる面があるといいます。
「年齢を重ねて、魅力の異なる全く違う商品になるのだ」と考えると、年を重ねることに前向きになれそうです。
構成:Be myself 編集部