働く女性に大切な「自己肯定感」~前編~<br> 自己肯定感とは何かのイメージ画像

仕事に効く話

働く女性に大切な「自己肯定感」~前編~
自己肯定感とは何か

様々なシーンで聞く「自己肯定感」という言葉。なんとなくは理解していても、具体的に何を指すのでしょうか。そこで、自己肯定感の第一人者で心理カウンセラーの中島輝さんに詳しくお話をお聞きしました。二部構成で自己肯定感の概要と、高め方をご紹介します。

前編は、「自己肯定感とは何か」について解説いただきます。

 

中島輝さん心理カウンセラー、メンタルコーチ。「自己肯定感アカデミー」代表。心理学、脳科学、NLPなどの手法を用い、独自のコーチングメソッドを開発。アスリート、上場企業の経営者など1万5000名以上のメンターを務める。『自己肯定感の教科書』『自己肯定感ノート』(SBクリエイティブ)など著書多数。

自己肯定感とは、
「自分には幸せになる価値がある」と確信すること

―まず初めに、自己肯定感とは何を指すのかご説明ください。
中島さん自己肯定感とは、『自分には生きる能力があり、幸せになる価値がある』と確信できる感情です。つまり、自分や自分の人生そのものに『YES』と言えて、マルを付けられる気持ちのこと。そして自己肯定感が高まると、自分だけではなく他者や他者の人生も肯定できて、その集合体である組織や社会も肯定できるようになります。」


―自己主張が苦手な日本人は、自己肯定感も低いイメージがあります。
中島さん「そうなのです。実は、日本は世界から見ても自己肯定感が低い国。平成26年に内閣府が行った『子ども・若者白書』の調査で、日本、韓国、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデンの13歳~29歳の若者に『自分自身に満足しているか』を聞いたところ、日本人で『満足している』と答えたのはわずか約45%。7ヵ国中最下位でした。自己肯定感が低い若者が増えると、将来何事にも挑戦しなくなり、国力が下がるのではないかという懸念もあります」


―たしかに、自分を肯定できないと「どうせやっても無駄」といった考えに繋がり、仕事へ取り組む姿勢にも影響しそうです。
中島さん「そうですね。例えば、仕事で壁にぶつかった時に、『なんで私だけこんなに損をするのか』と思うか『やっぱり壁が来た! では、どう乗り越えようか』と思うかで、仕事のパフォーマンスも変わりますし、人生の幸福度さえも変わると思います。自己肯定感が高い人ほど、後者の視点で物事を考えられるようになります」

自己肯定感は、
何歳からでも取り戻すことができる

―自己肯定感の高い人と低い人がいますが、生まれ持って決まっているのでしょうか?
中島さん「そもそも、自己肯定感には、『総量』と『高低』があります。元々持っている自己肯定感を『総量』と呼び、『総量』が多い人でも少ない人でも、その時の気分や環境で変化するのが『高低』です。実は、人間は皆、自己肯定感の総量が多く、高い状態で生まれます。なぜなら赤ちゃんは、何度転んでも歩こうと挑戦しますし、何でも口の中に入れてしまうほど好奇心旺盛ですよね? 『なんでこんなに転ぶんだろう……』とネガティブになって挑戦を辞める赤ちゃんはいません。つまり、赤ちゃんは自己肯定感の総量がとても多く・高い状態なのです。そして、その後の育った環境や経験により、自己肯定感の総量が変化していきます


ー総量が減ってしまった自己肯定感は取り戻すことができるのでしょうか?
中島さん誰でも何歳からでも自己肯定感の総量を増やすことができます。そのためには、なるべく自己肯定感が高い状態を保ち続けることが大切です。従って、まずは今の自分の自己肯定感がどういう状態なのか気付くことが、自己肯定感の総量を増やす第一歩と言えます」


―なるほど。いま自分の自己肯定感がどういった状態なのか、具体的に知る方法はありますか?
中島さん「簡単なチェックリストをご用意しました」
中島さん「10個以上当てはまると、自己肯定感がかなり下がっている状態。逆に当てはまる項目が5個以下の方は自己肯定感が比較的高い状況です」


―たしかに、その時の自分が置かれている状況や環境で、当てはまる項目数が変わりそうです。
中島さん「そうですよね。自己肯定感が下がった状態で放っておくと、後ろ向きの判断しかできなくなり、自己肯定感の総量も減ってしまうので、高める努力が必要です。ちなみに、転職など大きな決断をする時も、自己肯定感が高い状態の時に決めると上手く行きます。自己肯定感が高ければ、自分の人生の肯定的側面を見ることができるので、自分に何ができるのか、どういう職場で活躍できるかを冷静に判断できるのです」


―なるほど。自己肯定感が下がった状態だと、「こんな仕事やりたくない」と現状を否定し続けてしまいそうですし、「私にはどうせいい条件の会社なんて無理」と挑戦も諦めてしまいそうですね。
中島さん「はい。そもそもどんな仕事であっても、平坦な道など存在しません。必ず山あり谷ありで、様々な事が起こることが大前提です。まずはそのことを理解し、些細なことに一喜一憂しないフラットな状態を意識してください。そして、何かしら壁にぶつかった時に、自己肯定感さえあれば、前向きに乗り越えられるのです。」

後編では、具体的な自己肯定感の高め方を教えていただきます。

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