育休明け、どんなことに困った? 管理職のホンネ
社内では相談しづらい悩みや本音を語る、女性管理職のオンライン匿名座談会。今回のテーマは、「育休明けのリアル」について。どうやって仕事と育児を両立しているのか、これから復職する人も、現在働きながら子育てをしている人も、必見です!
【参加者】
Aさん(34歳):保険業。営業職のマネージャー。2023年から1年半の育休を取得。フルタイムで働く。
Bさん(30歳):広告代理店業。経営管理部門のチーフ。2023年から10ヶ月間育休を取得。フルタイムで復職。
Cさん(45歳):出版業。ウェブメディアの編集部。部下5名を抱える課長職。2児の母。2015年から1年間、2019年から1年半の育休を取得。1人目は時短勤務で復職、現在はフルタイムで働く。
育休中、キャリアへの不安はみんな通る道
- ーー育児休暇中、復職に対してどんな不安がありましたか?
- Aさん:不安だらけでしたよ! 営業職なので、1年間もお客様との距離が離れてしまうと、ほぼ0から仕事をしなければならない状態。またちゃんと働けるのかな? って焦りがありました。
Cさん:育休中って、自分だけ周りの同僚から置いて行かれている感じがしますよね。戻って他の人と同じように働けるのかは、かなり不安でした。
Bさん:私は元々残業が多い職場だったため、育児との両立がうまくできるイメージがわかなくて。子持ちも少ない職場なので、理解が得られるかも不安でした。なので、育休中も上司や同僚と連絡を取り合って、復職後にどのように働くかを話し合っていました。
Aさん:私も、復職後の不安を少しでも解消するために、育休中もお客様と連絡取り合ったり、仕事に関する資格を取得したりしていました。
Cさん:育休中って、自分のキャリアもすごく不安になるタイミングですよね。私は同僚のSNSが見られない時期がありましたよ。みんなキラキラと仕事してるな…って(笑)。
Aさん:わかります!(笑)産後の寝不足で頭がボーっとしていると、授乳しながら「今頃みんな働いているのに、私はここで何しているんだろう…」と感じてしまったり。
Cさん:私だけじゃなかった(笑)。その気持ちを、「復職したらガツガツ働くぞ!」という闘志に変えるようにして。働きやすい環境を整えるために、育休中からすでに食材宅配のサービスの契約や病児保育の登録をしていました。
子どもの寝かしつけ後、仕事をするのもあるある
- Aさん:それで、満を持して復職しても、やっぱり予想していない大変なことは日常茶飯事! 私は近所の保育園に空きがなく、家から30分かかる園になってしまったことに、想像以上に苦しめられています。毎日「定時ダッシュ」だし、朝も戦争です。正直、キャパオーバー気味。
- Bさん:私もキャパオーバー気味。とてもじゃないけど定時では仕事が終わらなくて、寝かしつけ後に残った仕事の対応をする日々です。それも寝かしつけに苦戦すると全て後ろ倒しで寝不足に…。
Cさん:お迎えの時間で一旦仕事を中断しなきゃならないから、結局夜中にセルフ残業をすることになりますよね。寝不足だし、体力・免疫力も落ちて、子どもから病気をもらい続けるし。マミーブレインで、会話がうまくできない感覚もありました。
Bさん:そうやって必死に仕事と家庭の両立をしているのに、同僚から「私も子供の熱で早上がりしたい」と言われたこともあって。嫌なこと言う人もいるもんですよ…。
Aさん:それはひどい! 急な熱で迎えにいかなければいけない時、どれだけの葛藤があるかは当事者じゃないとわからないものですよね。
Cさん:自分が働きたいタイミングで働けることが、どれだけ幸せか…! 我が家は兄弟間で風邪を移して1ヶ月半まともに出社できないこともありました。
夫婦で期間をずらして育休取得をする作戦も
- ーーそんな大変な育休明け。どんなサービスや制度に助けられましたか?
- Aさん:大事な商談と子どもの体調不良が重なってしまった時は、病児保育も利用しました。あとは、どうしても残業がある時はベビーシッターさんにもお世話になっています。
Bさん:私の会社には、パパママ社員だけ中抜けOK制度があります。だから仕事を早めに切り上げやすく、助けられています。
Cさん:コロナ以降定着した在宅勤務にも救われてますよね。働いていると、出社の往復さえも節約したい。
Bさん:そうですよね。あとは夫婦間でいかに話し合って協力体制を築けるかもカギ。我が家は夫があえて私の復職後に3ヶ月間の育休を取得したので、仕事のペースがつかめるまではほぼ仕事に集中できて助かりました。
Aさん:なるほど、確かに夫婦で育休の期間をズラすというのは良いですね。
Bさん:しかも夫の会社は8時〜17時勤務で、ほぼ残業なし。お迎えは夫の担当です。今フルタイムで仕事を続けられているのは、夫の会社が働きやすいから、という理由が大きいです。
Cさん:夫婦の協力は必須ですよね。夫が出張に行ってワンオペ育児の時は、仕事との両立が本当に大変です。
Bさん:夫が激務だったら、私自身がもっと働きやすい会社に転職しなければならなかったなと。在宅勤務ができて、自分が休んでも他の人に仕事の負担がかからない職場とか。
Cさん:あとは、寝かしつけ後の自宅での残業も勤務時間にカウントできるように、フレックス制の会社であることも必須かなと思います。
抱えている悩みを会社に相談することで、制度が整う
- Aさん:今なんとか仕事と育児を回している状況ですが、仕事終わりの時間帯、園までの電車やバスの混み具合を育休中に知っておいた方が良いと感じています。自宅から遠い園に預けているので、ちょっとの遅延や乗り遅れで延長保育に突入してしまうので…。
Bさん:たしかに、たった1分過ぎただけでも保育料が加算されますもんね。シビアですよ。
Cさん:その現実もあるので、会社側にも在宅勤務日を増やせないか交渉しました。当事者の私たちが声を上げないと、そういった事情は会社側もわからないので。
Aさん:会社側も仕事と育児が両立しやすいよう、積極的に制度を改善してくれますし、意見しやすい雰囲気はありますよね。
Cさん:そうなんですよ! 1人目出産の時と4年後の2人目出産の時を比べても、だいぶ働きやすくなったなと感じます。
Bさん:周りのサポートがどれだけあるか、子どもがどれだけ体調を崩すかによっても、適切な働き方は人それぞれ。仕事と育児の両立が難しいと思ったら、その都度、家族や会社に相談して、抱え込まないことが大切だと感じます。
どれだけ覚悟をしていても、やっぱり大変な仕事と子育ての両立。3人の本音に共感した方も多いのでは?