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管理職ラボ

ストレスと上手に付き合う。ストレスマネジメントのやり方とは?

仕事をしていると、ストレスを感じることがたくさんありますよね。ましてや会社の勤続年数や立場が上がってくると、感じるストレスの種類もより難解になったり、増えたりします。

 

今回紹介するのは「ストレスマネジメント」です。ゼロにはできないストレスとの上手な付き合い方や、適切な対応方法について解説します。

ストレスマネジメントとは?

ストレスマネジメントとは、日々のストレスと上手に付き合いながら、適切に対処していくことです。

ストレスは、仕事だけでなく日常生活の中でも多かれ少なかれ誰もが受けるもので、ゼロにすることはできません。ただ、ストレスが蓄積してしまうと心身に悪影響を及ぼすこともあります。いかにして日々のストレスと上手に付き合っていくかが重要になるのです。

ストレスとは何か

そもそもストレスとは、外部から刺激を受けた時に心身に生じる緊張状態のことを指します。

医学や心理学ではストレスを「ストレッサー」と「ストレス反応」にわけて考えます。まずはストレスの仕組みについて説明します。

ストレッサー

ストレッサーとは、ストレスの要因となる物やことの総称です。ストレッサーは心理面や物理面など様々な分類が可能で、おおむね3〜4種類に分類されます。

分類例は以下の通りです。

・物理的ストレッサー(暑い、寒い、騒音など)
・化学的ストレッサー(酸素、薬物など)
・生物的ストレッサー(病気や睡眠不足など)
・心理的ストレッサー(怒りや不安、人間関係やプレッシャーなど)

ストレス反応

長期間ストレッサーの刺激を受けた場合や、強いストレッサーに直面した場合に起こるのがストレス反応です。

ストレス反応は、主に心理的、行動的、身体的反応として現れます。

・心理的反応(不安、イライラ、恐怖、落ち込み、緊張、孤独感、無気力、集中困難、思考力や判断力の低下など)
・行動的反応(怒りの発露、攻撃的行動、泣く、引きこもる、拒食・過食など)
・身体的反応(動悸、頭痛、腹痛、疲労感、食欲の減退、嘔吐、下痢、睡眠障害、悪寒など)

ストレッサーによるストレス反応は個人により異なり、また耐性も人によって大きく異なります。ただし、ストレス反応は誰にでも起こるものです。大切なのは、どうすればストレスを感じないのかではなく、どうやってストレスに対処していくか、ということなのです。

ストレスマネジメントを行うメリット

そこでストレスマネジメントが必要になります。ストレスマネジメントが上手くなることで、以下のようなメリットがあります。

自分のストレスにいち早く気づける

大きなメリットとして、自分のストレスにいち早く気付けることが挙げられます。

自分がストレスを感じていることに気づいていない人は意外と多いものです。「まだ大丈夫」と見逃し続けるうちに、取り返しがつかないほどストレスが溜まっていることもあります。

大きなストレスが蓄積する前に、自分の中にある小さなストレスに気づいて対処していくことは、ストレスマネジメントにおいて非常に大切な考え方です。

安定して仕事に取り組める

また、ストレスマネジメントが上手な人は、心身が安定しています。メンタルが安定すると、仕事にも安定して取り組めるようになり、パフォーマンスの浮き沈みが少なくなります。

これは企業側にとってもプラスなことです。心身が健やかな安定した社員が多い環境は、新しい変化を起こすには打ってつけです。企業として新しい挑戦に踏み出しやすいでしょう。

社員の離職率が下がる

企業が社員のストレスマネジメントに取り組めば、離職率の低下が期待できます。

ストレスは時に社員を退職に追い込んでしまう大きな要因です。優秀な社員の定着率が上がれば、会社の地力は高まりますし、生産性も上がることでしょう。

優秀な社員の離職を防ぐ「リテンションマネジメント」についての記事はこちらをご覧ください。
優秀な社員の離職を防ぐリテンションマネジメントの重要性

自分で行うストレスマネジメントのやり方

では、実際にストレスマネジメントをどのように行なえば良いのでしょうか? まずは、自分でできる具体的な方法を紹介します。

セルフモニタリング

ストレスマネジメントを行うためには、まず自分がストレスを感じているか否かを判断することが大切です。

セルフモニタリングとは、自分自身の感情や行動を記録して、目で見えるかたちで確認することです。自身の状態を正確に観察することで、現在ストレスを感じているか、感じているならストレスの原因は何か、どのようなストレス反応が出ているかなどを明確にしていきます。

具体的には下記を紙に書き出してみると良いでしょう。

・自分の今の状況(現状や変化などを客観的に)
・ストレッサー(ストレス要因)となるもの
・自分の気持ち
・自身に出ているストレス反応(今までとの行動や状態の変化など)

こうした内容を紙に書き出してみて「いつもと違う」と、変化を感じたら、ストレスを感じていると認識できます。

上司や同僚に相談する

セルフモニタリングの結果、業務や人間関係など仕事上にストレスの原因があると分かった場合、上司や同僚に相談することでストレッサーを取り除ける可能性があります。

例えば、キャパシティオーバーで業務が遂行できていないことがストレスになっている場合、上司に相談することで業務量を調整したり、人員を増員したりできるかもしれません。一方で、クライアントとうまくコミュニケーションが噛み合わないことがストレスになっている場合には、上司や別の同僚にアポイントに同行してもらうことで案外スムーズにストレッサーを取り除けるかもしれません。

上司へ相談しづらい場合は、同僚や別の部署の先輩でも構いません。誰かの知見を借りることで、自分一人では得られない解決策が見つかるかもしれません。特に、自分と全く違うタイプの人や、周囲に頼ることが上手な人に相談してみると、新たな視点での解決策を得られるでしょう。

休暇を取ってリフレッシュする

セルフモニタリングの結果、責任のある仕事への緊張感や超過勤務による身体の疲れなどが原因だと分かるケースもあります。こういった場合は、一度仕事のことは脇に置いて休暇を取ることも大切です。

身体の疲れの場合、まず休養が重要になります。疲れて頭が回らない状態より、睡眠時間をしっかりとり、身体も頭もスッキリした状態の方が、効率良く仕事ができるものです。

また、仕事のことばかり考えていては息が詰まります。「休暇中は仕事のメール・連絡を見ない」と決めて好きなことをして過ごすことで、翌日から頭を切り替えて仕事に取り組めます。

リフレッシュの方法は人によります。様々な方法を試してみて、自分にとってのストレス発散方法を見つけることが大切です。

企業ができる、社員のストレスマネジメントのやり方

続いて、企業が社員に対して行なうストレスマネジメントについて紹介します。

管理職による定期的なミーティング

管理職による定期的なミーティングを設けることも、社員のストレスマネジメントとして効果的です。

部下自身が気付いていないストレス状況を、上司ならば気づくことができる可能性があります。

また仕事のストレッサーは、上司が解消手段を持っていることも多く、その場で解消できることもあります。ストレスの早期発見のためにも、日頃から定期的にミーティングを持つことは非常に重要な手段です。

産業医面談や外部のサポート体制を整える

上司に言いづらいことでも専門家になら相談できる、ということもあります。ストレスが溜まった時にすぐに相談ができるよう、企業は産業医面談ができる環境や外部のサポート体制を整えておくのも良い方法です。

産業医や外部のサポーターであれば、内部の利害関係がない分、社員は率直にストレスを吐き出せるかもしれません。

ストレスマネジメントの研修を行う

社員に対してストレスマネジメントの研修を行うのも良いでしょう。

ストレスに対する自分なりの対処法を見つけている人は、実はそんなに多くありません。対処法が見つからないうちに膨大なストレスが溜まってしまうこともありえます。そうならないためにも、正しいストレスマネジメントの知識を社員に身に付けさせると良いでしょう。

リモートワークなど職場環境の整備

ストレス解消や、ストレッサーを減少させるために、リモートワークの実施や職場環境の整備などを行うのも会社が取り組める方法の一つです。

ひと息つける場所としての休憩室の整備や、自由に使える会議室の整備など、職場環境を改善することもストレスマネジメントの一環として効果的でしょう。

また、リモートワークの中でも、職場ではなく観光地などで余暇を楽しみながら業務を行う「ワーケーション」という取り組みもあります。興味のある方はぜひこちらもご覧ください。

余暇を楽しむ新しい働き方「ワーケーション」のメリットとは?

まとめ:ストレスと上手に付き合い、理想の働き方を目指そう

ストレスはゼロにすることができないからこそ、上手な付き合い方を覚えることが大切です。ストレスマネジメントを身に付け、自分の理想の働き方を実現しましょう。

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