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リーダーズ座談会

本音で語る! 管理職になるメリット・デメリットとは

社内では相談しづらい悩みや本音を語る、女性管理職のオンライン匿名座談会。今回のテーマは、「管理職になることのメリット・デメリット」について。管理職は良いことばかりではない? 正直に本音を語っていただきました!



【参加者】
Aさん(33歳):観光業。19名の部下を抱えるマネージャー。既婚。

Bさん(35歳):鉄道業。2名の部下を抱える係長。独身。

Cさん(43歳):出版業。生活誌の編集長。部下は17人。既婚。

事業への当事者意識で、仕事のやりがいが増す

ーー管理職になり、最も良かったと感じることを詳しく教えてください。
Aさん:他部署との交流の機会が増えたことですかね。

Cさん:わかります。そのおかげで、他部署への打診や相談もスピーディーにできるようになりました。あと、事業を俯瞰で見渡せて、長期計画を作れることもやりがいにつながっています。

Bさん:私も、自分の意見が事業や業務に反映されやすくなり、決定権が増えたことで、仕事が楽しくなりましたね。

Aさん:あとは…、給与がアップしたことも単純に嬉しいですよね?

Bさん:そうですね! 昇給と役付手当がつくようになって、約25%もアップしました!

Cさん:それはすごい! 私は10%弱のアップ。でも、周りから「給与上がったんでしょ?」とか質問されると、なんて答えて良いか戸惑います(笑)。

Aさん:色々聞かれることも増えましたし、こちらもどこまで喋って良いのかわからない場面が多いですよね。同僚という立場で話していたメンバーとも上司部下の関係になったことで、愚痴ひとつ言えなくなってしまいました。

Cさん:逆に、メンバーからは人間関係の愚痴や不平不満をよく相談されるようになりました。「あの人はいつも仕事をさぼっている」「あの人の指示の出し方は最悪だ」とか。人が裏でどう思っているかを聞き続けるのは少し疲れますよね。

Bさん:人間関係のネガティブな話しって、マネジメントで改善できることは意見として取り入れるけど、愚痴レベルは適度に流すことも大事なのかなって思います。業績が下がると、親身になって愚痴を聞いていた部下から管理職に対してのアタリがキツくなることもあるし(笑)。仕事している以上、ある程度は仕方ないですよね。

Aさん:逆に、部長や本部長など上のレイヤーの方が、対等に意見を聞いてくれるようになったのは、ありがたいですよね。メンバーの仕事ぶりを全社に対してアピールできることも、誇らしく思います。

Cさん:たしかに。管理職になってから、メンバーの頑張りがより見えるようになったので、会社にメンバーを認めてもらいたい! と強く思うようになりますよね。だからなのか、本部長から「あなたは成果をいつも『チーム全体の力だ』と強調していて、みんなを大切にしていることがわかる」と言われたことがあって。私って管理職に向いているかもと思いました(笑)。

管理職が上に言いたい本音、「事件は会議室で起きているんじゃない!」

ーー管理職になり、仕事のペース配分の自由度に変化はありましたか?
Aさん:以前と比べると、自由度は減りましたよね。今までの仕事にマネジメント業務が増えたので。神経を使うためか、勤務後、現場時代よりも疲れを感じます。夜に勉強したり、本を読んだりということが今はできていません。

Bさん:業務の幅が広がったから、思考方法が変わったとは感じます。あと、とにかく出席する会議が増えました。会議でスケジュールが埋まり、自分の作業は業務後に後回し…ということもザラです。

Cさん:同じくです。本当に会議で1日潰れてしまって…。特に会社の偉い方々との出口の見えない会議には、「事件は会議室で起きているんじゃない!」って、机をひっくり返したくなります(笑)。

Aさん:言いたくなる気持ちわかります!(笑)「この会議、私いるかな?」は、管理職あるあるかもしれないですよね。でも、私の場合、会議よりも部下たちとの面談の方が正直、気を遣います。評価フィードバックの時期は1人30分として×19人…、9時間半も面談しているんです。本来、定期的な1on1も必要かと思っているのですが、とてもこの時間を割けなくて。

Bさん:人数が多いと、単純に時間の面でも負担ですよね。私は部下が2人だけですが、フィードバック面談がとても苦手で。改善点などの伝え方が難しいです。

Cさん:たしかに。部下の人数が少ないと、それはそれで距離が近い分、ネガティブなことを伝えづらいと思います。

Bさん:そうなんですよ。私もまだまだ現場の業務も担当しているので、フィードバック面談後にすぐ一緒に業務をする、なんてこともあって。

Aさん:こちらが気まずく思ってはいけないですもんね(笑)。部下のメンタルケアって、本当に気を遣います。マネジメントだけでは解決できないので、つくづく管理職の業務範囲は広いな…と実感します。

Bさん部下が気持ち良く働いてくれないとチームは成長しないですもんね。そのための管理職としての立ち振る舞いは、まだまだ悩むことも多いです。

管理職の女性比率を上げることで、みんなが働きやすくなる

Cさん:そういうのも総合的に考えて、管理職になって良かった! と、心から言えますか?(笑) 私は正直、一般社員に戻ってバリバリ働く方が楽しかったかなと思うこともあって。雑誌制作の仕事だからかもしれませんが、管理職になってから「読者のため」ではなく「会社の目標達成のため」の仕事になってしまい、目的がブレてしまうなと。

Aさん:なるほど…。私もマネジメント業務で忙殺されていると、「目の前の仕事のことだけ考えられたあの頃に戻りたい!」と思う時もたしかにあります(笑)。でも、どんな会社でも必ず存在するであろう管理職という立場を経験できているのは、貴重だと思って、前向きに頑張っています。

Bさん:と言うことは、いずれ転職したいってことですか?

Aさん:今後、管理職としての責任がどんどん重くなると考えると、今の会社では私生活との両立に少し不安はあります。

Bさん:なるほど。その不安はありますよね。今のところ私は管理職として働きづらいとは感じていませんが、もし子育て中だとしたら、在宅勤務やフレックス勤務制度がないと管理職はできなかったなと思います。

Cさん:そうなんですよね。管理職を経験できて良かったと思いますが、大変なことの方が多い。現場はある程度やりがいだけで働ける部分もありますが、管理職は評価と無関係ではいられない。向き不向きがあるように感じます。

Aさん:やはり女性ならではの働きづらさってあると思うんです。特に管理職はまだまだ女性比率が少ないので、男性が働きやすい設計になっているなと。

Cさん:いっそのこと会社で管理職の男女比率を決めて、女性管理職を増やした方が、これまで上層部に届きづらかった女性の声も通りやすいのかなと思います。

Bさん:そうですよね。コロナ禍でリモートワークが浸透してきたわけですし、働きづらさがネックになっているのなら、在宅勤務や時短勤務でも管理職ができるようにする。そういった整え方をすれば、私たちが働きやすくなるだけでなく、現場の女性社員も「管理職になりたい!」と思ってくれて、成長につながる気がします。

Aさん女性管理職が働きやすい環境ってことは、皆が働きやすい環境、ということですもんね。育児や介護といった境遇は女性だけじゃないはず。女性管理職の声が届けば、職場全体の働きやすさにも繋がるのかなと、感じています。



やってみたからこそわかる管理職の楽しさと大変さ。現場のプレーヤーとは全く違うスキルが管理職には求められているということがよくわかる座談会でした。また、女性管理職が増えれば、職場全体の働きやすさが変わる、という意見も印象的。そうした取り組みが広がることで、きっと誰もが「自分らしく働ける」社会の実現につながるはずです。

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