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コミュニケーション不足が職場に与える影響とは?原因や対策を解説

ビジネスにおいてコミュニケーションは社内外を問わず、常に発生するものです。

 

コミュニケーションは他者との意思疎通を測ったり、仕事を円滑に回したりする上で必要不可欠な要素であり、コミュニケーションが不足すれば仕事にも深刻な影響を与えてしまいます。

 

特に近年はテレワークやリモートワークを取り入れる会社も増えており、コミュニケーション不足は喫緊の課題になってきています。

 

この記事では職場のコミュニケーション不足に悩む管理職やリーダーの方に向けて、原因や改善策を解説します。

コミュニケーション不足が職場にもたらす影響

「コミュニケーションが大事」というのはよく聞く言葉ですが、実際にコミュニケーション不足に陥るとどういった影響が出るのでしょうか。

ミスやトラブルの増加に繋がる

ビジネスでまず必要とされる基本のコミュニケーションは報連相(報告・連絡・相談)です。コミュニケーション不足が起きている職場では、報連相が十分になされず、社員間の情報共有に漏れが生じてしまいます。

例えば上司や先輩であればすぐに気付くミスでも、新人が報告を上げてこなければ察知することができません。他にもチームで行う仕事であれば、終了報告が漏れていたことで同じ作業を別の人が繰り返す、というような事も起きてしまうかもしれません。

情報共有が十分にできていない環境が常態化すると、いずれ社外にも影響を与える大きなミスやトラブルに繋がる場合もあるでしょう。

顧客の信頼の低下

また情報共有ができていない事は、顧客の信頼の低下にも繋がります。

例えば顧客に対して複数人のチームで仕事をしている場合、顧客は当然チーム間の情報共有が行われていると認識します。それなのに「人が変わると毎回同じことを聞かれる」「前回までの進捗を別の人間が把握していない」こういう事が続けば、当然顧客は取引先としてその会社を信頼できなくなります。

また情報共有のできていない職場では、クライアントの要求を把握できておらず、生産ミスや納期遅延などの問題に波及する可能性もあります。納品物や業務に影響が出れば、もちろん契約解除や競合への乗り換えと言った案件に繋がりやすくなるでしょう。

生産性や品質の低下

積極的なコミュニケーションは生産性の向上や新しいアイデアの発見に繋がる大きな要素の一つです。

逆にコミュニケーションが不足していると、協力が必要な場面でうまくやり取りができなかったり、一人でできる範囲で仕事をしがちで成長が鈍化したりという事が考えられます。結果として、個々人やチームの生産性が下がり、仕事全体の品質も低下していくと考えられるでしょう。

スキルアップ機会の損失

他者とのコミュニケーションが希薄な職場では、周囲からの影響を受けづらくなります。他の社員がどんな仕事をしているのか、どんなスキルを持っているのかを知らない状態で仕事を続けることは、個人の機会損失に繋がります。

また先輩や上司と話す機会が少なければ、適切なアドバイスをもらう機会も減るでしょう。結果的に、その人が得ることができたはずのスキルアップの機会を失うことに繋がります。

「管理職なら心がけたい部下のキャリア形成支援」の記事はこちら
部下のキャリア形成支援のために、管理職が心がけておくべきこと

コミュニケーション不足が生じる原因

では、コミュニケーション不足はなぜ生じるのでしょうか?具体的な原因を解説します。

上司と部下のコミュニケーションが取れていない

直属の上司と部下、先輩と後輩など縦の関係性は目の前の仕事に関わる基本の組み合わせです。この縦のコミュニケーションが取れていないと、情報共有の漏れが起きやすくなりトラブルに繋がりやすくなります。また、社内やプロジェクト単位でのコミュニケーション不足が起きる大きな要因の一つでしょう。

業務の報連相は、部下から上司、後輩から先輩に行うのが一般的です。この情報共有の仕組みがそもそもなかったり、あったとしても形式的で中身がない場合は仕組みが形骸化しており、コミュニケーションが不足していると言えます。

また話を聞く側の上司や先輩が忙しすぎて、部下や後輩と話をする時間が持てない場合もコミュニケーション不足を招きます。この場合、社員と上司が向きあって会話できる時間を仕組みとして設ける必要があります

部署間・拠点間での情報共有の仕組みがない

会社の規模が大きくなると、他部署や他拠点と協力して仕事をする機会も出てくるでしょう。チーム内での情報共有はできていても、部署間・拠点間での情報共有ができていないという事は往々にして起こります。

チーム内でのコミュニケーションは意識していても、他部署や他拠点のメンバーとのコミュニケーションの必要性を感じていない社員は意外と多いものです。この場合は会社の一体感を高める仕組みづくりや、他部署とのコミュニケーションの重要性を共有する必要が出てきます

また、他部署や他拠点と連携して仕事をする時は情報共有の仕組みをあらかじめ決めておくことが大切です。

自由にコミュニケーションを取りづらい環境である

「雑談」は報連相などの業務連絡とは別に、コミュニケーションの重要な要素です。職場での雑談は相互理解を促し、相手との関係性を良好に保ちます。結果として報連相をしやすい環境が生まれるのです。

そのため、職場での雑談が全く禁止されていたり、先輩や上司の目を気にして業務以外の会話が自由にできない雰囲気があると、コミュニケーション機会を阻害してしまいます。

またそのような環境では、上司や先輩、同僚に対して業務に関する質問や悩みも持ちかけにくいでしょう。結果的に社員はわからないことや悩みを己の内側に抱え込んでしまい、離職率の増加にも繋がるでしょう。

役割分担が不明確

仕事における役割分担が不明確な場合にも、コミュニケーションの不足は起こりえます。

自分の役割が定まっていない状態では、誰に何を質問していいのか、報告していいのかが不明瞭です。結果的に言われた仕事だけを行い、ミスやトラブルに繋がりやすい状態が生まれます。

仕事の役割と相談相手をあらかじめ明確にしておくことが大切です。

コミュニケーションツールに問題がある

近年リモートワークやテレワークを取り入れる会社が増えており、職場でのコミュニケーションが取りづらいケースも増えていると思います。また、他拠点の社員と連絡を取る場合も同様です。

直接顔を合わせない社員が積極的にコミュニケーションを取るには、利用できる共通の手段を整備することが大切です。電話やメールだけでは、どうしてもコミュニケーションが不足する原因になってしまいます。

また逆にコミュニケーションツールを複数導入すると、情報があちこちに散らばり使用が煩わしくなり、結果としてコミュニケーション自体が煩わしくなる可能性があります。

社内のコミュニケーションをスムーズにするには、会社が適切なコミュニケーションツールを整備し、運用を定め、社員に周知することが非常に重要になります。

コミュニケーション不足を解消するための対策

ではコミュニケーション不足はどのように改善すればいいのでしょうか?ここでは具体的な改善策を実施します。

1on1の実施

まず縦のコミュニケーション不足の解消に適しているのが「1on1の実施」です。

1on1とは上司と部下が定期的にマンツーマンでミーティングを行い、部下の現状を把握し成長を促すためのマネジメント手法の一つです。

1対1で話すことによって、普段の業務では話しづらい内容も話せますし、上司と部下の相互理解も進みます。定期的にマンツーマンで話していることにより心理的な距離も近づくので、相談しやすい環境も生まれます。

上司からは企業理念の共有や、チームの目標の再確認、本人に期待していることなどを直接伝えることができます。相互理解を深めるための時間であり、定期的に行うものであるため、上司はその時間が部下にとって有意義で居心地のいいものであるように心がけることが大切です。

フィードバックの手法についての記事はこちら
人材育成のためのフィードバック。管理職がすべき正しい手法

リーダーが率先して話しやすい環境を作る

入ってきたばかりの新人や社員は肩身が狭いものです。忙しそうな先輩や上司には声をかけづらく、そう言った環境では情報共有の漏れが発生しやすくなってしまいます。

リーダーは率先して、新人やチームメンバーに声をかけ交流することが大切です。

新人でも混ざれるような雑談の声かけをしたり、チームミーティングでの発言機会を意識して設けることも大切です。もちろんその機会がメンバーにとって負担にならないよう、チームが安全な場所であるよう気を配らなくてはなりません。そのためには、あらかじめチームミーティングで、相手の発言を否定しないことをルールにしてもいいかもしれません。

部下やメンバーとの信頼関係を構築するためには、リーダーが積極的にメンバーに歩み寄り、相手を理解する必要があります。その場がメンバーにとっても安心安全の場になれば、リーダーとメンバーの垣根が取り払われ、コミュニケーションの活性化につながっていくでしょう。

信頼関係構築についての記事はこちら
管理職とメンバーの信頼関係構築のポイント

社内・チームイベントなど交流の機会を作る

普段の業務が忙しかったり、メンバーが顔を合わせる機会が少ない場合、コミュニケーションをいきなり活性化するのは難しいかもしれません。

そんな時には、社内やチーム内でのイベントを実施するのもいい方法です。イベントは新入社員の歓迎会やランチ会などチームや部署単位で行えるものから、スポーツ大会、ファミリーデー、キックオフパーティなど会社で行う大きな規模のものまで様々です。社員の同意が得られるなら、社員の家族を交えて交流を深めることもいい機会になるでしょう。最近であればオンラインでできるイベントを検討するのもいいですね。

オフィス環境を改善する

コミュニケーションがとりやすいオフィス環境を整備することも方法の一つです。

例えば、固定席を廃止して好きな席に座れる「フリーアドレス」を導入すれば、別の部署の人と話をする機会が生まれます。またオフィス内にカフェスペースを設けることで、休憩時間のコミュニケーションも生まれるでしょう。

最適なコミュニケーションツールを導入する

リモートワークやテレワークが多い職場、また外回りが多い会社ではそもそも顔を合わせて話をする機会が少なくなってしまいます。

そういう時はチャットツールなどのコミュニケーションツールを導入すると良いでしょう。メールのやり取りはどうしても形式的になりがちですが、チャットツールであれば短文でフランクにやり取りをする事ができます。

ツールによっては用途別にチャットルームを分ける事もできるので、チャットの雑談スペースを設けるのも良い方法です。後輩や新人が投げやすいように、上司や先輩が率先して話題を提供できるといいですね。

まとめ

職場のコミュニケーション不足は、ミスやトラブルを誘発し、会社の信頼を落としかねない深刻な問題です。またそれだけでなく、社員の成長機会の損失や生産性の低下も招いてしまいます。

上司やリーダーが率先してコミュニケーションを図り、生産性の高いチームへと導いていけるといいですね。

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