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リーダーズ座談会

夫婦間の家事負担、男性側はどう考える? 共働き夫の本音

なかなか社内では相談できない悩みを語るオンライン匿名座談会。今回は特別編として、男性管理職が登場! テーマは、「夫から見た共働きの本音」。前回は妻側の意見を紹介しましたが、異なる立場から見た本音を探ります!



【参加者】
Aさん(29歳):建築業。今後子どもを持つことも考えている。最近課長職に昇進。

Bさん(40歳):IT関係。夫婦2人暮らし。10人の部下を持つ部長職。

Cさん(33歳):保険会社勤務。4歳と2歳の二児の父。プレイングマネージャーになっていることが悩み。

残業のせいで妻に家事負担をかけがち

ーー家事・育児の分担は夫婦でどう分かれていますか?
Aさん:正直なところ、僕は全体の2割程度の負担で、妻にほとんど頼ってしまっています。特に話し合ってきっちりと分担を決めたわけではなく、なんとなくの流れでそうなっています。

Bさん:私も残業が多く、帰りが遅くなりがちなので、平日の家事は在宅勤務の妻にほぼ任せっきり。その分、土日のメインは私。基本は「お互いできるときにできることをする」と決めています。でも、平日はどうしても出社前に洗濯物を干すぐらいしかできていません。

Cさん:我が家の場合、子どもが保育園児で手がかかることもあり、家事・育児の分担は話し合って決めました。基本的に朝と残業後の夜にもできることが僕。ゴミ捨て、保育園送り、皿洗いなどです。妻は時短勤務中なので、保育園迎え、料理、お風呂、寝かしつけを担当。お互いバタバタしているので、掃除は休日に2人で、洗濯はドラム式乾燥機を使って負担を減らすようにしています。

Bさん:会社から帰宅後の家事となると、できることが限られてしまいますよね。本当は平日夕方の家事が一番大変だということはわかっているので、申し訳なさはあります。

Aさん:そうなんですよね。やりたくないと言うより、残業などで物理的に家事に割ける時間が限られてしまっている現状はあります。

相手を責めるワードが出たら、限界の証拠

Cさん:家事を巡って夫婦で揉めることはありますか? 我が家はママ友との交流から「○○さんのところはもっと夫が家事をしているらしいよ」とチクリと言われることが……。

Aさん:作業量が偏った時に「こっちがこれだけやってるのに」 という不満が生まれますよね。

Bさん:以前、妻から「もっと仕事の効率上げて早く帰ってきて、家のこともしてよ!」と言われた時は、それはさすがに言わないでと思ってしまいました。

Aさん:おお、それは厳しいひと言 (笑)。やっぱりお互いのフィールドに口出しをするのは良くないですよね。例えば僕が、妻がしてくれた家事に対して「もっとこうしたら早くできるんじゃない?」と言うとか。

Bさん:そうですよね。でも、そういう相手を責めるワードが出てしまう時って、お互い不満が溜まりきっている時なのかも。私も「仕事の効率上げて」と言われた時、これは妻からのSOSなのだなと、日ごろの行いを振り返りました。そこから、せめて土日の家事は全てやろうと。

Aさん:こっちが意識しないと、土日もなんとなくの流れで妻の家事負担を増やしてしまっているパターンって多いかもしれません。

Cさん:やってもらって当たり前、という考えは絶対によくないですね。感謝の気持ちが薄れた時がケンカの始まり……(笑)。

どちらかが我慢するのではなく、夫婦間で納得してキャリアを歩みたい

Bさん:Cさんのようにお子さんがいると、共働きの大変さは増しますよね。

Cさん:そうですね。ただ、僕の会社は男性側の育休や育児時短勤務の制度が整っておらず、まだ誰も取得をしていません。「妻が時短で働いているなら夫は思い切り残業できる」と思われがちで、妻の家事・育児負担は大きいし、僕にも余裕がない状態なんですよね。

Aさん:家事分担の偏りって、結局僕たちの帰りが遅いことが問題。それはわかってはいるけど、自分だけではどうすることもできないんですよね。

Bさん:そう、こっちだって早く家に帰りたい! 残業したい人なんていないですよね(笑)。

Cさん:残業ありきの業務設計や会社の制度が変わらない限り、どうすることもできない部分はありますよね。僕だって早く帰ってもっと妻や子どもとコミュニケーションを取りたい。
Bさん:かといって社内での責任もあるし、いきなり早く帰れない。もっと帰りが早く、家庭中心にシフトした働き方ができる会社に転職したとしたら、シビアな話、年収が下がることも覚悟しなければならない……。

Aさん:そうですよね~。仕事量をセーブするために転職するのは勇気がいるなあ。でも、女性はそういう選択を迫られている現実があることを僕たちは知っておかなければならない。

Cさん:そうなんですよね。妻は自分の意思とは関係なく、時短勤務をするしかない状況。そこを強制するしかなかったことには、やはり罪悪感が残ります。

Aさん:Cさんのパートナーは、時短勤務自体に不満がある感じですか?

Cさん:いや、そこは納得しているようです。最近はお互いの今後のキャリアについても話すことが増えたのですが、妻としては子どもが保育園の間は一緒にいる時間をしっかり確保したいという気持ちで。下の子が小学生になったら妻もフルタイムに戻るつもりです。

Bさん:そういった話って大事ですよね。夫婦間で納得してそれぞれのキャリアを歩みたいし、家事育児の分担も、たとえどちらかの負担が大きかったとしても二人の間では了承し合えればと思います。

Cさん:まだまだ家事・育児・仕事のバランスが取りにくい世の中で、せめて夫婦は味方でいたいと思っています。

それぞれが社会とつながっていることも共働きのメリット

Aさん:共働きだと、Cさんのように自分のキャリアの話を妻にする機会も増えますよね。そういった時、妻から思わぬアドバイスをもらえることもあって、それぞれが社会とつながることで、視野が広がるメリットはあると思います。

Bさん:仕事の話も共有して、相談やアドバイスし合えるのは、とてもありがたいですよね。仕事は人生のコアな部分だから、一番近い人にこそ色々と話したい。

Cさん:そういえば、僕は母が専業主婦の家庭で育ったこともあり、父が家で仕事の話をしているのを見たことがなかったかも。仕事の話を家でしないなんて、自分には絶対無理ですね。大変だったこととか聞いてほしい(笑)。

Aさん:わかります。共働きのメリットはもちろん収入的な安心感はありますが、夫婦で悩みを語り合えるのも大きなメリット。

Bさん:お互いに仕事の応援もできる関係でいたいですよね。

Cさん:そのためには、大前提としてお互いをリスペクトして、感謝すること。働くことも大変なのに、そこに家事・育児が入るのは男女問わず誰だって無理しているのだから。

Aさん:リスペクトと感謝、共働き夫婦が上手く行く秘訣ですね。



共働き世帯が増えたとはいえ、まだまだ会社の制度が追いついておらず、夫の本心に反して妻の家事負担が増えてしまっている現状があるとのこと。こういったリアルな声が届き、世の中が少しずつでも変わっていけば、と願います。

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