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心が奮い立つ「名言集」

チームを上手く引っ張れない時に参考になる
女性リーダーの名言

心に響いた様々な言葉を紹介する当企画。今回は、管理職なら一度は悩む「チームを上手く引っ張れない時」に参考にしたい名言。歴史に名を残した・著名な女性リーダーたちの言葉から、現代のチームマネジメントに通ずる言葉を紹介します。

そもそもリーダーは、どうあるべき?

「リーダーは好かれなくてもよい。 しかし、尊敬されなくてはならない」
≪マーガレット・サッチャー≫
1925年 - 2013年。イギリス出身。イギリスの元首相。不況下の英国社会を立て直した功績が讃えられている。一方で保守的で強硬すぎる政策への批判も受け、「鉄の女」の異名も持つ。

34歳でイギリスの下院議員に保守党議員として初当選したサッチャー。45歳で教育科学相を務めると、教育予算削減に着手します。そこで、学校で7〜11歳までの子どもに国費で牛乳を配給していた点に着目。「栄養が目標摂取量に達していればいい」と判断し、この牛乳無償化を廃止しますが、これがきっかけで猛烈な抗議を巻き起こします。ライバルの労働党やマスコミからは「ミルク泥棒」と揶揄されるほど。

しかし、その一方では義務教育の統一制度が定まっていなかった当時のイギリスで、古いカリキュラムを見直し、生徒数を増やすなどの功績も残します。

50歳で保守党党首になると、持ち前の強靭な性格からいよいよ「鉄の女」の異名が広がり始めます。その後、54歳でイギリス初の女性首相に就任し、公共事業削減と民営化を掲げ、イギリスのこれまでの社会保障や福祉政策が大きく見直されるのです。

社会保障費の削減で失業者や貧困層からの批判も挙がりますが、資本主義本来の市場原理を保証する「新自由主義」により、イギリス経済の立て直しを果たしたのはたしかです。後に、このサッチャーの政策は、各国の保守党のモデルとして「サッチャリズム」と呼ばれるほど。

確固たる信念を持ち、反対意見になびかなかったサッチャ―。批判もありながらも、自分が目指すゴールに向け、明確な道筋を示すことで、結果的に歴史に名を残すほどの「尊敬」にもつながりました。逆に「好かれる」リーダーを目指してしまうと、自分の意見をコロコロ変えることになり、現場の混乱も招くことになります。どんなリーダーにも批判はつきもの。まずは自分が何を成し遂げなければならないかを念頭に置き、覚悟を示す。その信念にあとから人は集まります。これは、現代の管理職にも必要な「強さ」ではないでしょうか。

人を変える前に、自分を変えよう

「自信を持てば人はついてくる」
≪アナ・ウィンター≫
1949年 ー。イギリス出身。1988年から、アメリカ版『VOGUE』の編集長を務める。映画『プラダを着た悪魔』に登場する鬼編集長のモデルになった人物といわれている。 

ブロンドのボブヘアにビッグサングラス。ファッションコレクションの最前列で腕を組む姿でお馴染みのVOGUE編集長、アナ・ウィンター。映画『プラダを着た悪魔』での冷徹で厳しいイメージが強いですが、そのリーダーシップは超一流。その証拠に、世界で一番有名なファッション誌の編集長、つまりは企業の管理職を14年間も務めているのです。

リーダーとは常に決断の連続です。そこで優柔不断であったり指示がブレていたりすると、チーム全体が振り回されて、仕事の成功にはつながりませんし、部下も離れていってしまいます。やはり、自分を信じ、鋭い決断をすることこそ、リーダーには必要。時にそれが”冷徹”だと思われたとしても……。

アナは、かつて「あなたの長所は何ですか?」という質問に対して「判断力です」と即答しています。それだけ自信家な彼女。その強さに多くの人が魅了され、集まるのかもしれません。まずは自分が正しいと思う道を突き進むことで、あとから人も評価もついてくるのです。

「強さ」だけがリーダーではない

「私にとってリーダシップとは人を励ますこと。人々を刺激し、彼らができることを成し遂げられるように仕向け、導くこと」
≪クリスティーヌ・ラガルド≫
1956年 ー。フランス出身。2019年から欧州中央銀行総裁。弁護士。これまでにフランスの財務大臣や国際通貨基金(IMF)専務理事を務める。卓越したファッションセンスも注目の的。

女性初の欧州銀行総裁、クリスティーヌ・ラガルド。10代の頃はフランスのナショナルチームでアーティスティックスイミングの選手としても活躍。アメリカ系法律事務所「ベーカー&マッケンジー」で人権派弁護士としてキャリアをスタートさせ、チェアマンまで昇りつめます。その仕事が政府からも認められ、2007年には、G8の国々の中では初めて、女性としてフランスの財務大臣に抜擢されました。2011年にはこちらも女性初の国際通貨基金(IMF)の専務理事に就任、2019年からは欧州中央銀行総裁を勤めています。

リーマンショック後の欧州債務危機に対応してきた実績や、豊富な人脈、リーダーシップを支持され、数々の「女性初」のポストを歴任してきた彼女。自身にとってのリーダーシップ論は、これまで紹介してきた「強い」リーダーシップとは少々異なるように感じます。キャリアのスタートを弁護士として、弱い立場の人々に救いの手を差し伸べてきた経験もあるからなのか、「人に寄り添う」ことを大切にしているクリスティーヌ。「上手く引っ張れない」と悩む前に、まず自分からメンバーのために出来ることを施す。しかも「励まし」や「刺激」は、今すぐにでも実践できます。自分からメンバーに向き合い、ほんの少しの行動を起こすことで、チーム全体が変わる。結果的に慕われるリーダーになるのは必然です。「自分は、強いリーダー向きではない……」と思う方は、クリスティーヌのリーダー論を参考に行動してみては?

構成:菱山恵巳子

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