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心が奮い立つ「名言集」

会社の人間関係に悩んだ時に響いた
哲学者の名言

心に響いた様々な言葉を紹介する当企画。今回のテーマは、会社の人間関係に効く言葉。哲学者たちが導き出した、現代の人間関係の“クスリ”となる名言をご紹介します。

■人間関係が円滑に進むコツ

「親切にしなさい。あなたが会う人はみんな、厳しい闘いをしているのだから」(プラトン)
≪プラトン≫
紀元前427年~紀元前347年。古代ギリシャの哲学者。ソクラテスの弟子で、アリストテレスの師でもある。死刑が求刑されたソクラテスの弁護・弁明をまとめた『ソクラテスの弁明』や、全10巻におよぶ対話篇『国家』などの著作で知られる。青年期はアテネイを代表するレスラーという異色のキャリアの持ち主でもある。

ソクラテスの弟子として、哲学と対話術を学んだプラトン。プラトンが28歳の頃、ソクラテスが「神々に対する不敬と、青年たちに害毒を与えた罪」を理由に投票によって死刑となります。それらを目の当たりにしたこともあり、ソクラテスに対し「厳しい闘いをしている」と感じ、このような言葉に至ったとされています(※諸説あり)

現代を生きる私たちも、他人を批判したい気持ちになる時は誰だってあります。特に、一生懸命働いていれば人間関係の悩みはつきもの。認めてくれない上司や、わかってくれない部下、ズルをする同僚など、他人に振り回されることは日常茶飯事。そんな時、相手を批判しぶつかるのは簡単。そうではなく、相手に対して「もしかしたらいっぱいいっぱいな状態なのかも」と思いを馳せてみてはいかがでしょうか。なにも相手を心の底から認め、寄り添わなくてもいい。ただ、「大変なのかもしれないな」と思える器があれば、自分の心も軽くなるはず。良い意味で相手の言動を受け流すきっかけにもなります。そして、少しの親切心を持って接すれば、気が付いた時には敵だと思っていた人も味方になっているかもしれない。他人に対して寛容でいることが、会社の人間関係が上手くいく秘訣です。

■苦手な人と仕事をする時に思い出したいこと

「垣根は相手がつくっているのではなく、自分がつくっている。」(アリストテレス)
≪アリストテレス≫
紀元前384年~紀元前322年。古代ギリシャの哲学者。プラトンの弟子。ソクラテス、プラトンとともに、西洋最大の哲学者の一人とされることが多い。科学的な探求全般を指した当時の哲学を、倫理学、自然科学などの学問として分類し、体系化。「万学の祖」とも呼ばれる。

17歳でプラトンが主催する学園・アカデメイアに入門し、プラトンから「学校の精神」と評されるほど勉学に励んだアリストテレス。天文学、気象学、生物学、生理学、詩学、政治学、倫理学、形而上学の元を確立した天才でもあります。そんなアリストテレスは、これまでの哲学者とは違い、「経験」と「観察」から真実を導き出す方法を実践。今でいう”ロジカル人間”の元祖ともいえるアリストテレスが残した人間関係へのヒントは、意外にも現代を生きる私たちの感情に投げかけるものです。

他人との垣根を感じることは、現代社会を生きる私たちにもよくあることです。例えば、「感情的に接してきて辛い」「いつも不機嫌で取り合ってくれそうにない」「挨拶を返してくれない」など、他人の嫌な面が気になる時に、垣根を感じるのではないでしょうか。その結果、こちらも相手に対してマイナスな感情を向けてしまい、自分でも垣根を作ってしまいます。でもそれは、相手のプラスな面に気付かず、マイナス面だけに意識が向いているからかも。まずは相手への偏見を認め、自分から垣根を取り外す努力をしてみては? すると、苦手だと思っていた相手でも、意外とスムーズに友好関係を築けるかもしれません。

■管理職なら知っておきたい上下関係の掟

「ものの理を説くことは、人をつき飛ばすことに等しい。」(アラン)
≪アラン≫
1868年~1951年。フランスの哲学者。アランはペンネーム、本名ミール=オーギュスト・シャルティエ。ペンネームは、フランス中世の詩人・作家のアラン・シャルティエに由来。代表作は『幸福論』。パリの名門校などフランス各地の高校で、哲学教師として働いていた。

代表作『幸福論』では、「人生は、元々つらいもの」という前提で、いかに笑うかで人生は変わるし、自分が上機嫌でいれば、周囲も変わる。つまり、幸福は自分の心持ち次第だと説いているアラン。自分の機嫌は自分でとるー。これは、現代で働く女性もぜひ身に付けたいスキルです。そんなアランが残したコミュニケーションの落とし穴がこちら。

正しいことを言ったはずなのに、なぜか理解してもらえない。そのような場面は働いているとよくあることかもしれません。しかし、人には人の正義や価値観があります。時に正論を振りかざすことは相手の正義や価値観を否定していると捉えられてしまうことも。部下を指導する場面など、働いていると正論を伝えなければならない場面には多々遭遇します。でもそういう時、真正面から押し付けるのでは、まさに突き飛ばしていることにもなりかねません。相手の言い分を傾聴し、伝え方への配慮を意識することで、上下関係はうまくいくのではないでしょうか。

構成:菱山恵巳子

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