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心が奮い立つ「名言集」

著名人が語った「ロールモデル」についての名言

心に響く名言を紹介する当企画。今回は、「ロールモデル」に関する著名人の名言をご紹介します。

女性の活躍推進が注目を集める中、しばしば取り上げられるのが、ロールモデル不在の問題です。周囲にロールモデルがいないときにどのような心構えを持てばよいのか、後輩たちのロールモデルを目指すうえで大切なことは何か。そんなことに気づかせてくれる、名言をセレクトしてみました。

目指すべきロールモデルの指針を示してくれる名言

「本当のロールモデルは自分の弱いところを年齢に関わらず見せていくこと」
≪信州大学特任教授・法学博士 山口真由≫
1983年生まれ、北海道出身。東京大学法学部在学中に司法試験に合格。同大学を首席で卒業後、財務省に入省。主税局調査課にて主に租税政策を担当する。その後、法律事務所で弁護士として勤務した後、ハーバード大学ロースクールに留学。卒業後にニューヨーク州弁護士に登録する。2017年からは東京大学大学院 博士課程 法学政治学研究科 総合法政専攻に在籍。2020年に同専攻を修了し、博士号を取得する。現在は、信州大学特任教授を務める。

本人が自虐も込めて“エリート中のエリート”と自称するほど、誰もが羨むピカピカの経歴を持つ山口真由さん。容姿端麗で頭脳明晰、順風満帆なキャリアを歩んで来たイメージの強い山口さんですが、山口さんが上梓した『挫折からのキャリア論(日経BP)』という著書の中では、挫折に次ぐ挫折を味わった、山口さんの苦悩のキャリアが描かれています。

新卒で入省した財務省では、試験勉強と仕事の違いに対応できず2年で退職。その後に勤務した法律事務所でも、本人曰く「仕事ができず」、次第に仕事が回って来なくなったといいます。ハーバード大学ロースクールを修了し日本に帰国後は、仕事がなくカップラーメンを買うのも躊躇するほど経済的に追い込まれたことも。

山口さんは、挫折を繰り返した一因として、周囲にロールモデルがいなかったことを挙げています。

そんな山口さんが、インタビューで語ったのが、
『本当のロールモデルは自分の弱いところを年齢に関わらず見せていくこと』
という言葉。

一般的に、“ロールモデル”というと、成功している面・かっこいい面を見せ、憧れの存在として後輩を引っ張っていくイメージがあります。しかし、挫折を繰り返し自信を失っていた山口さんが当時欲しかったのは、積み重ねてきた失敗や抱えている傷を隠さずに見せてくれる先輩だったといいます。

後輩に自分の弱さや傷を見せて、「それでも、なんとかなるよ」と、そっと勇気づける。そんなロールモデルを目指してみてもよいのではないでしょうか。

組織で孤独を感じたときに思い出したい名言

「知って欲しいのは、あなたには状況を変える力があり、
あなたの声は重要なのだということ」
≪アメリカ副大統領 カマラ・ハリス≫
1964年生まれ、アメリカ・カリフォルニア出身。カリフォルニア大学ヘイスティングス・ロー・スクールを修了後、サンフランシスコ地方検事を務める。その後、カリフォルニア州司法長官を2期務めた後、民主党からカリフォルニア州上院議員選挙に出馬し当選。カリフォルニア州で3人目の女性上院議員となる。その後、2020年アメリカ合衆国大統領選挙にジョー・バイデンの副大統領候補として出馬。見事当選を果たし、アメリカ合衆国第49代副大統領に就任する。

女性として、そして、アフリカ系・南アジア系として初めて副大統領に就任したカマラ・ハリス。検事時代、初めて法廷に立ったときに述べた「カマラ・ハリスは国民のために」という言葉に導かれ、若年層薬物犯罪者の更生プログラムの立ち上げや警察改革、反リンチ法案の主導、移民・難民の保護、結婚の平等を求める運動などを進めてきました。

キャリアを通じて、“女性初”、“アフリカ系初”、“南アジア系初”と、圧倒的マイノリティの立場で数々の変革に取り組んで来たカマラ・ハリスですが、その道が平坦なものでなかったことは想像に難くありません。
カマラの母は、「あなたは多くのことにおいて、それを成し遂げる“最初の人”になるかもしれない。でも、“最後の人”になってはいけない」と説いたといいます。その言葉どおり、ロールモデルとして壁を破り後進に道を作り続けてきたカマラ・ハリスが、マリ・クレール誌のインタビューで読者に語ったのが、『知って欲しいのは、あなたには状況を変える力があり、あなたの声は重要なのだということ』という言葉。

自分と似た属性・経歴を持つ人がいない場所に足を踏み入れた際、周囲から孤立し、無力感にさいなまれることもあるのではないでしょうか。カマラは、そんなときに、目に見えない多くの仲間が、同じような場所で奮闘していること、頑張るあなたを応援し、心から誇りに思っていることを忘れないで欲しいといいます。

周囲にロールモデルがおらず、組織で孤独を感じたときに、力をもらえる名言です。

リーダーとして大切なことを思い出させてくれる名言

「リーダーは、誰かに教えているときよりも、何かを学んでいるときに、より強力なロールモデルとなる」
≪ハーバードビジネススクール教授 ロザベス・モス・カンター≫
1943年生まれ、アメリカ・オハイオ州出身。津田塾の創始者津田梅子も学んだブリンマー・カレッジで心理学と社会学を専攻した後、ミシガン大学で社会学の修士号を取得。1967年には「19世紀における米国のユートピア共同体の研究」が認められ、博士号を授与される。その後、ブランダイス大学にて社会学の助教授に就任したのを皮切りに、エール大学の社会学および組織経営論の教授やマサチューセッツ工科大学のスローンスクールの客員教授を務める。その間、主に、社会学のアプローチから大企業組織におけるトークニズム(差別に対する、見せかけの平等や体裁のみの撤廃活動)の研究を行った。
また、1977年には経営コンサルタント会社「グッドメジャー」を設立し、企業組織や産業界の調査、企業のトップマネジメントへのコンサルティング活動を行っている。現在は、ハーバードビジネススクールの経営管理学教授を務める。

社会学の視点から、企業変革とイノベーションの研究に従事したカンター。男性が企業内で支配的な地位を占め、女性がトークン(形式的な存在)として扱われている実態を調査し、『企業のなかの男と女(生産性出版)』を上梓するなど、女性のキャリアに対しても深い関心を有している人物です。「少数派が構成人員の30%を占めると、組織の意思決定に影響力を持つようになる」という“黄金の3割理論”を提唱し、この理論が日本における女性活躍推進の数字目標にも影響を与えています。

そんなカンターがロールモデルに関して語ったのが、『リーダーは、誰かに教えているときよりも、何かを学んでいるときに、より強力なロールモデルとなる(Leaders are more powerful role models when they learn than when they teach.)』という言葉。

職場でリーダーになった瞬間から、メンバーの成長が大きな関心事となっていきます。リーダーシップの本質は、「メンバーの中にリーダーとしての資質を見出し、成長させ、次のリーダーに育てることにある」とさえ言われています。
カンターはリーダーシップの実現のために、メンバーに対し、自らが学ぶ姿勢を見せ、“学びの模範”となる存在であることを求めました。

メンバーの成長にばかり目が行き、自分の成長・学びがおろそかになりがちなときに、ハッとさせてくれる言葉です。

構成:Be myself 編集部

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