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マイキャリアストーリー

『周りに助けてもらった分は、後から恩返しすればいい』
ハーゲンダッツ ジャパン コーポレート本部部長 倉本 亜紀さん【前編】

誰しも迷うキャリアの決断。管理職として活躍する女性はいつ、何に悩み、どう決断してきたのか。キャリアの分岐点と、決断できた理由を語っていただきます。

今回は、ハーゲンダッツ ジャパン株式会社でコーポレート本部部長を務める倉本亜紀さんにお話を伺いました。

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倉本 亜紀(くらもと あき)さん

ハーゲンダッツ ジャパン株式会社 コーポレート本部部長
新卒で入社後、総務部経理課に配属。
営業推進部営業推進課に異動後、2000年に第一子出産に伴い約1年間の産休・育休を取得。2013年よりハーゲンダッツ全商品の在庫及び配送管理を担う物流部に異動。15年にマネージャーに昇格。24年より現職。人事業務全般を担当している。

「ハーゲンダッツが好き」、その思いが仕事の支えになった

品質への徹底したこだわりで、多くのファンに愛され続けるハーゲンダッツ。「好きな商品に携わりたい」と新卒で入社した倉本亜紀さんは、32年のキャリアの中で6部署を経験してきました。
現在はコーポレート本部部長として、ハーゲンダッツ ジャパンで働く社員の環境整備を担当。新卒・中途採用の企画運営や、入社後の研修や教育など育成制度の整備、勤怠管理や健康管理など幅広く管轄するほか、オフィスのレイアウトや備品管理、社内イベントの企画運営やCSR活動のリードなど総務の役割も担っています。5人のメンバーとともに、「社員一人ひとりが安心してパフォーマンスを発揮できる環境づくり」を進めています。

ハーゲンダッツ ジャパンへの入社を決めた理由を、「アイスクリームが大好きで、入社したらたくさん食べられるんじゃないかと思ったから」と笑う倉本さん。大学では栄養学を専攻し、“食”への関心が強かったといいます。
「きっかけは、高校時代に尊敬していた女性の先輩が『スポーツ選手を食事でサポートしたいので栄養学を勉強する』と言って進学していったこと。そんな学部があるんだと知り、いろいろと調べた結果、私も同じ道を選びました。実際に学び始めると、食は私たちが生きる上での“基本”なのだと、ますます興味が湧いてきました。せっかくなら、大好きな食に関わる仕事がしたい、できるなら好きなものを扱う会社がいいな、とハーゲンダッツ ジャパンへの入社を決めました」
もともと、仕事である以上、さまざまな業務を任される可能性があると覚悟はしていたという倉本さん。それでも、入社後に総務部経理課(現・経理財務課)に配属されたときには戸惑いがあったそう。学んできた栄養学とはかけ離れた業務領域に苦労し、「今思えば、新人時代、慣れるまでが一番つらかった」と振り返ります。
「支えになったのは、同期や周りの先輩方の存在でした。同期それぞれが、三者三様の業務を担っていましたが、そんな中でも皆、“ハーゲンダッツが好き”という思いは共通していました。先輩方と話していても、好きな商品をお客様に届けたいという思いが皆強く、提供している商品への愛情が感じられた。それが、社内のポジティブな雰囲気を作り出していたのだと思います」

芯は強く、しなやかに対話していく。目指したいマネージャー像に出会えた

入社後に任された経理業務、その後のショップ企画(当時。店舗は2013年をもって国内から撤退)を経て、営業推進部営業推進課に異動になった倉本さん。受注業務をはじめ営業サポート業務全般に携わることになりました。営業推進課では、「ここで長く必要とされる人材でいたい」という思いを強くしたといいます。
「経理のときは『自分には知識がない』という自信のなさが付きまとっていた感覚がありました。営業推進課に来たことをきっかけに、今度は、自分から積極的に何でもやってみよう、声を上げていこうと考えるようになりました」
業務量に物足りなさがあるときには、「まだ余力があるので、もっと仕事量を任せてほしい」と課長に直接話に行ったこともあったそう。営業部をはじめ、複数の部署との接点が多い仕事を担当したことで、「何かあれば相談できる」社内人脈を作れたことが、今につながる財産になっています。

中でも大きかったのが、上司だった女性の課長との出会いでした。当時は社内でも珍しいマネジメントポジションの女性で、営業部門と対等に意見を交わす姿がカッコよかった、と話します。
「私が営業推進課にいた90年代後半は、ハーゲンダッツのショップが全国に広がり、店舗数もピークを迎えていました。商品の知名度も人気もどんどん広がり、百貨店のみの取り扱いから、コンビニエンスストアやスーパーでの販売へと販路を拡大するなど、会社が一丸となって事業成長に向き合っていました。

その流れで、営業本部から営業推進課への要求も多くなっていましたが、課長は、出来る限り要求に応えながらも、できない要求、無理な要求、すべきではないことに対しては、意見としてきちんと伝え、コミュニケーションをしなやかに進めていました。大変な様子は周りに見せずに、芯の強さは曲げないというバランスがとても素敵だった。こんな風になりたいと思わせてくれる存在で、今も、目指したいマネージャー像の一つになっています」

→「後編記事」につづきます





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写真:MIKAGE
取材・執筆:田中 瑠子

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