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リーダーズ座談会

「顧客に社内ファイルを送信…」管理職女性の大失敗と、その乗り越え方

社内では相談しづらい悩みや本音を語る、女性管理職のオンライン匿名座談会。今回のテーマは、「仕事での大失敗」。どんなに完璧に見える人だって、失敗はあるもの。今だから話せる過去の失敗や、それをどうリカバリーして乗り越えたのか。ここだけの話が満載です!



【参加者】
Aさん(32歳):広告代理店勤務。育休から復帰し、チームリーダーに。

Bさん(49歳):IT関連企業の総務部に勤めるマネージャー。

Cさん(51歳):レジャー関係の企業に勤務。部下6人を抱える課長職。

事務系の失敗。根本原因は「確認不足」にあり

ー今まで仕事してきた中で「失敗した!」というエピソードを教えてください。
Aさん:たくさんありますが(笑)。未経験で広告代理店の営業職に転職した28歳の頃は、振り返ると失敗だらけでした。日々、取引先の方に指摘をたくさんされて、キャパがギリギリの状態で。自分の確認不足で広告の配信ミスをしたり納期を守れなかったり…。取引先はもちろん、社内の方にも迷惑をかけてしまいました。

Bさん:私も30代まで周りの人にヘルプを出せない性格で、仕事を抱えてしまう傾向がありました。その結果、結局キャパオーバーとなって、納期の大幅遅延を起こしてしまったことがあります。

Aさん:私だけじゃなくて心が軽くなります…。「人に頼るより自分でやった方が早い」とか思ってしまって、自分で自分の首を絞めてしまうんですよね。

Bさん:当時はチームメンバーのことも信頼しきれていなくて、なんともひとりよがりな考え方をしていました。

Cさん:お二人とは少し違う失敗なのですが、申請書類に写真を添付する際、別人の写真を貼り付けて申請してしまったことがあります。正式な許可書がおりてから発覚。大問題となりました。

Bさん:肝が冷えます…! でも、事務処理系の失敗は正直誰でもするし、いくら対策してもゼロにすることは難しいのかなとも思います。

Cさん:メール誤送信とか、添付ファイルミスとか、誰もが通る道だと思いたい! 社内用ファイルを顧客に送ってしまったこともありました。それ以来、メールを送る時は「3分後」に送信時間を設定して、その3分間で間違いが無いか再確認をするようにしています。
Bさん:特に事務処理系の失敗は「起こるもの」と念頭に置いた方が良いですよね。その上で、業務フローなどを常時アップデートする必要がある。

Aさん段々と「ここはミスが起きそうだな」というところもわかるようになってきますもんね。そういう箇所は自動化したり仕組み化することで、ミスが起こり辛い設計にして、私以外に引き継いでもミスが起きないようにしています。

Cさんそして事務処理系の失敗を防ぐ基本は、やっぱり確認の徹底だと思います。確認せずに後悔することはあっても、確認して後悔することはありません!

同僚との関係構築も、失敗しがち?

Aさん:コミュニケーション面での失敗ってありますか? 私は同僚とのコミュニケーションで失敗したことがあり。育休復帰後、「育児が大変」という話を何気なくして、女性の同僚と関係が悪くなってしまったことがありました。「育休・時短のフォローも大変」という主旨の返しをされ、ちょっと関係がこじれてしまって…。

Cさん:親しいと思っていたからこそ起こりそうな話ですね。

Aさん:私も無意識にデリカシーが無い発言をしてしまったのは失敗だったなと。それ以来、会社ではあまりプライベートなことは話さず、彼女とは業務上の会話だけを意識的に増やすようにしました。あえて仕事のアドバイスを求めたり…。そうこうしているうちに、仕事においてはスムーズに付き合えるようになったので良かったのですが。

Cさん同僚との関係って意外と難しいですよね。友だちとはまた違うというか。私は、口が固いと信じていた同僚から、話した内容が上司に筒抜けだったなんてこともありました。仕事の愚痴なんかも含め。

Bさん:怖いですね…。私は逆に30代頃、同僚のことをあまり信頼していなくて、できていないことや仕事をやらないことに対して、感情的な発言をしてしまうこともありました。これも失敗と言えば失敗。ある意味もっとドライで良いのかもと思い、「私は私」「彼女は彼女」と、割り切るようになってから良い関係になれたかもしれないです。

「失敗は成長の元」でもある

Aさん:部下の指導での失敗はありますか? 私はまだ管理職になりたてなので、ぜひ知っておきたくて。

Bさん:部下に任せた仕事の進捗が悪かった時、起動修正してあげる能力がなく、結局、私が全部業務を巻き取ってしまったことがありました。それ以来、「私の仕事の進め方」を押し付けるのではなく、本人なりの答えを導けるよう、コミュニケーションをとる機会を増やしました。自分なりの方法で仕事をやり遂げたら、達成感にも繋がってモチベーションも上がるのだと気付きましたね。

Cさん:私は、数ヶ月で提案を変えて部下を混乱させてしまったことがあります。最初の提案に取り組んでいた部下には本当に悪いことをしました。しっかり自分の非を認め、部下が納得するまで話し合いました。

Bさん:こうやって私たちも失敗してきたから、部下の失敗に対しては叱責することはないですよね? 次に同じことをしないためにどうしたらよいかを話し合うようにしています。

Aさん:わかります。失敗は誰にも起こることですからね。まず認めて反省し、迅速に相談してもらい、一緒に対策を考える。部下の失敗に対してはこの対応ですよね。

Cさん:逆に失敗をリカバリーできたことによって、顧客との関係が深まる場合や、業務に対する理解力や対応力が高まる場合もありますしね。

失敗ばかりではなく、成功にも目を向けて

Aさん:最後に、私、まだ後悔している失敗があって。社内のクリエイターさんに無理を言っていたら、その方が転職してしまったんです。顧客を優先しすぎて、無茶な納期を押し付けてしまったことも一因だったのかも…と、猛反省しました。今は顧客の要望があっても、必ずクリエイターさんの意見を聞いてから納期を調整したり、私自身のスケジュール管理に余裕を持たせて、周りに無理をさせないように気を付けています。

Bさん:なるほど。でも、その方の退職だってAさんだけが原因なわけではないでしょうし、今、対策ができているのなら前を向いて良いと思いますよ。

Aさん:ありがとうございます! くよくよするのを長引かせてしまってはダメですね。

Cさん:こうやって色んな人に失敗談を話すことも大事ですよね。話すことで失敗の原因を客観的に見れたり、そのうち笑い話にできるようになることもあります。

Bさん:そうそう! 究極、仕事で失敗しても死ぬわけじゃないですし。失敗だけでなく、成功したことや、自分なりによくやったということはたくさんあるはず。そういったことを思い出して、自分を肯定することも大切だと思います!



長く働いていると、失敗が減るだけでなく失敗に対するフォローも上手くなる。そしてその経験は、部下の育成にも必ず役に立つのだと感じさせられる座談会でした。そう考えると、管理職にとって失敗も必要な経験なのかもしれません。

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