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仕事に効く話

山口真由さん「社内の全員に理解してもらわなくてもいい。一人でも味方を見つけよう」

キャリア、仕事、人間関係、健康、家族、恋愛…。悩み多き、現代女性たちに、信州大学社会基盤研究所特任教授で法学者の山口真由さんが寄り添います! 今回は「働く女性の心と体のケア」に関するお悩み2つに回答します。

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山口真由さん

1983年生まれ。信州大学社会基盤研究所特任教授・法学博士。
東京大学を総長賞を受け卒業。卒業後は財務省に入省。退官後、弁護士として主に企業法務を担当。その後、ハーバード・ロー・スクール(LL.M.)卒業。ニューヨーク州弁護士登録。
東京大学大学院法学政治研究科博士課程修了。
現在「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日)「ゴゴスマ」(CBCテレビ)などに出演中。

ちょっとした仕事の愚痴、どうやって消化すべき?

≪相談者≫
Fさん(35歳):金融業。部下8名を抱える課長職5年目。現在一人暮らし中。

 
比較的若くして昇進したこともあり、同年代で仕事の相談ができる人がいません。

プレイングマネージャーなので、自ら実績を上げつつ部下のフォローもして…と、自分の時間をつくることすらも難しい中、壁にぶつかった時にどうしてもメンタルがすり減ってしまいます。

でも、仕事はやりがいもあるので、上司に相談するレベルの辛さではないですし、そもそも明らかに愚痴っぽい人にはなりたくないという気持ちもあります。

そうすると溜まる一方の愚痴とストレス。自分の中でどう消化し、メンタルをケアしていけば良いのでしょうか?
 


山口さんの回答「尊敬できる社内の先輩をメンターにしよう」

Fさんは、仕事にプライドがある分、弱みを周りに見せにくいタイプではないでしょうか? 自分が本当に困った時にSOSを発しにくくなっていませんか?

私も元々Fさんのようなタイプだったので、弁護士事務所時代は、ちょっとした挫折で心がポッキリ折れて辞めてしまいました。Fさんには私と同じようにはなってほしくない!

そこで、なんでも相談できるメンター的な方を社内で見つけておくと良いと思います。上司の中で、この人は尊敬できるという人を味方につける。定期的にランチに行ける関係になっておくと、いつでも仕事の悩みも言えるようになりますよ。

働く女性がつまずくポイントは、実はみんな大体同じ。だから上の立場の方の経験談が有効なのです。そういった方と会話をすると、自分が思っていることが単なる愚痴なのか、会社に対する正当な意見なのか、つまずいている証拠なのかを判断してアドバイスをくれます。そして社内で困った時には助けてくれる存在にもなってもらえるのです。

私は弁護士事務所時代、成長が早いタイプでした。でも、人を管理することは向いておらず、典型的なプレイヤータイプだったんです。組織からマネジメントを求められるにしたがい、評価が下がってきたので、挽回するためにがむしゃらに仕事を受けてしまい、質が下がり、さらに評価も下がって会社を辞めるという経験をしています。

当時、社内には私と似たようなプレイヤータイプの先輩女性管理職がいました。今思えばその方を味方につけていれば、辞めずに済んだのかもと思います。

私が何につまずいているかも客観的にアドバイスしてくれただろうし、プレイヤーとして専門分野を磨く道も見えたかもしれない。また、SOSを出せば仲裁してくれたのかなと感じます。

社内全員に理解してもらう必要はないですが、一人でも自分を理解してくれる同業種のメンターがいれば、案外乗り越えられることもあるのです。Fさんも信頼できる先輩と仲良くなって愚痴を言える関係になってくださいね。

女性特有の体の悩みとの付き合い方

≪相談者≫
Mさん(31歳):IT企業勤務。管理職歴2年目。

 
気分の浮き沈みが激しく、ここ数年特にPMSで思うように仕事が進まないことも。日常生活に支障があって困っています。

自分の体と上手に付き合っていくためのアドバイスをください。
 


山口さんの回答「体の不調は周りに言って良い」

私もとても生理痛が重くて。しかもニューヨークの司法試験の日に生理2日目が重なるなど、大事な時に限って振り回されてきました。当時は、痛みもメンタルの不調も我慢するしかないと思っていたんですよね。

でも、生理のトラブルだって怪我をしたのと同じで治療が必要です。花粉症の方が耳鼻科で薬をもらうように、今の私は婦人科に通い、PMS治療のためのピルを服用しています。
ちなみに私の場合、不妊治療中も心と体の不調との闘いでした。女性ホルモンを体内に入れるので、体もどんどん丸くなるし、メンタルも不安定。その後の妊娠中もつわりで気持ち悪いし、ちょっとしたことでもすぐ不安になってしまうメンタルの状況。

当時私は、自分の体のことで周りに迷惑をかけられないと仕事のペースも落としていませんでした。「これは一時的なことだから」と自分に言い聞かせ、なんとか乗り切りましたが、辛かったですね。

でも実際は、意外と周りは私の状況を理解してくれているものです。「何かあったらリモート対応できるように調整もしています」とも言われて、誰も理解してくれない中で、一人で頑張っていたわけではないと気付いて、ラクになりました。

だから「今の自分はこういう状況なんです」というのは周りに言って良いと思います。私たちは、女性特有の体の問題を抱えながら生きていて、それを男性モデルの職場に無理矢理当てはめるのは大変なことなのだから。自分の状況を伝えることで、職場や周囲の人も本人の状況に合わせた調整をすることができます。

そして、管理職という立場として、ぜひそういう状況にある人を気にかけてほしいなと思います。「何かあったら休んで大丈夫だよ」とか「よく頑張っているね」という声かけができる上司でいてください。

回答まとめ


・困った時にはSOSを出せる自分でいよう

・同業種のメンターがいれば、仕事のつまずきも乗り越えられる

・女性特有の体の不調も周りに伝えることで、自分も周りもラクになる




 
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