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社内コミュニケーションを活性化する重要性とは?事例を紹介

会社で仕事をするにあたって、必ず発生するのが他者とのコミュニケーションです。一つの会社には様々な役職・背景・価値観の人が働いており、業務を円滑に進めるためには「社内コミュニケーション」が重要です。

 

この記事では社内コミュニケーションの重要性や、不足する要因、活性化させるための具体的な取り組みを紹介しています。

社内コミュニケーションの重要性

社内コミュニケーションとは、社内で行われる日常会話や情報交換、情報共有など社員同士のコミュニケーション全般を指します。仕事とはいえ働いているのは人同士であり、関係性の良し悪しで仕事の生産性や成果に差が出てくることは十分考えられます。そのため成果を最大化したい、生産性をあげたい、という時には社内コミュニケーションが重要になるのです。

仕事に関係のない雑談などは不要では? という意見もありますが、普段からコミュニケーションが取れていない相手と、業務の時だけ建設的なやりとりをすることは難しいはずです。特に中長期に渡るプロジェクトなどは、社員同士が普段から活発にコミュニケーションがとれる関係性であるほうが、意思疎通や情報共有を細やかに行えます。また、問題が起きても意見交換を行いながら協力して解決に当たることができるでしょう。

社内コミュニケーションを活性化するメリット

実際に社内コミュニケーションが活発になることでどういったメリットがあるのか、紹介します。

業務の効率化

社内コミュニケーションが活発に行われることで、社員同士の関係性が深まり、仕事についてもカジュアルに話ができる環境が整います。

先輩や後輩、部下と上司が日頃からコミュニケーションを取ることで、報告や相談もしやすくなり、情報共有不足によるミスの予防やトラブル発生時の報告・相談のスピードアップが図れます。それは、結果的に業務効率化にも繋がるでしょう。

新しいアイデアが生まれやすくなる

ちょっとした雑談や意見交換から新しいアイデアが生まれるのは珍しいことではありません。何気ないコミュニケーションからプロジェクトや会社を成長に導く、とびっきりのアイデアが生まれてくる可能性もあるのです。

社員のモチベーションの向上

社内コミュニケーションが活発な会社は、職場の人間関係も良好な傾向にあります。職場の雰囲気が良いことや自由に意見を言える風土があることは、社員の存在感を認め自己肯定感を高めてくれます。

また情報共有やナレッジ共有が活発になることで働くことへのモチベーションも上がり、部署やチームの生産性の向上にも繋がるでしょう。

会社へのエンゲージメントの向上

自由に意見できる環境をつくることで、上司は部下の不満をいち早く拾えるようになります。自身の不満に向き合ってくれる会社であれば、会社に対するエンゲージメントも向上するでしょう。

近年離職率の上昇は様々な会社で問題になっていますが、社内コミュニケーションは会社への定着率を上げることにも繋がります。

社員の離職を防ぐための「リテンションマネジメント」については、下記の記事で詳しく解説しています。
優秀な社員の離職を防ぐリテンションマネジメントの重要性

社内コミュニケーションが不足する要因

では、そもそも社内コミュニケーションの不足はどのようにして起きるのでしょうか?会社によって要因は異なりますが、主なものを紹介します。

・雑談が好ましく思われない雰囲気がある

社内で雑談がし辛い雰囲気があると、必要なコミュニケーションも取り辛くなります。またそういった職場はとても静かなことが多く、話した内容が同じ空間にいる他者にも聞こえやすい問題点も。話す言葉に敏感になってしまうでしょう。

・異なる部署間でのコミュニケーション機会が少ない

部署や席が固定されており、部署を越えて仕事をする機会が少ない場合、他部署の仕事内容やメンバーの人となりを知る機会は少なくなります。「知らない」ことは無関心やバイアスを生みやすく、いざ一緒に仕事をする際に円滑に回らなくなる可能性があります。

・コミュニケーションをとる場所がない

社内に休憩スペースなどの場所がないと、自席で昼食をとったり、休憩時間も個々に過ごしたりしがち。そういった場合、社内の人たちと話す機会は減りコミュニケーションは不足してしまいます。

・テレワーク導入による雑談機会の減少

新型コロナウイルスの拡大以降、テレワークを導入する会社も増えました。オフィスへの出社機会が減ると必然的にコミュニケーションの機会も減少します。テレワークでも自由に雑談ができる仕組みを会社側で整える必要があるでしょう。

社内コミュニケーション活性化の手段

では、社内コミュニケーションを活性化させるには具体的にどうしたらいいのでしょうか。会社が積極的に導入すべき、コミュニケーション活性化の手段を紹介します。

フリーアドレス

フリーアドレスとは、社員ごとに固定席を設けず自分の好きな席で働くスタイルのことです。社員のパソコンがノートパソコンであれば事務職であっても固定席を設けずに運用することは可能です。

フリーアドレスにすることで、異なる部署の人と話したり、顔見知りになったりする機会も増えます。またフリーアドレスだと書類を机に積んだりしないのでスペースが開放的になりやすく、自然と話しやすい環境にもなります。

リフレッシュスペースの導入

休憩室やラウンジ、食堂など、業務を行わない場所は絶好のコミュニケーションスペースになります。ランチタイムなどの休憩時間に気兼ねなくフランクに話ができるため、相互理解にもつながるでしょう。

1on1ミーティング

上司と部下のコミュニケーション量を増やし関係性を築きたいのであれば、1対1で行う1on1ミーティングもオススメです。

1on1ミーティングは定期的に実施することが大切です。継続的に続けることで、部下の目標と会社の目標の両方を共有しながら、マネジメントを行うことができます。また上司と部下の相互理解も進み、信頼関係を築けるため、部下は困ったことを上司に相談しやすくなるでしょう。

上司と部下の信頼関係構築のポイントについてはこちらの記事もご覧ください。
管理職とメンバーの信頼関係構築のポイント

社内SNSやチャットツールの導入

テレワークやリモートワークの浸透や、社員の外出が多い会社では、社内コミュニケーションをとることが難しい場合もあります。

そういった時は、社内SNSやチャットツールなどの導入が効果的です。

メールだと文章が堅くなりがちでも、チャットツールであれば気軽に送ることができます。他部署との情報共有用のグループを組んだりするのも効果的です。

また雑談用のチャンネルを設定するのも、リモート下のコミュニケーションとして効果的です。雑談用のチャンネルを設定した場合は、まずは管理職やリーダーの方が率先して話題を放り込むようにすると、社員も投稿しやすくなるのではないでしょうか。

社内報やメールの配信

会社が大きくなり、他部署との交流があまりない時に効果的なのが、社内報や社内メールの配信です。

各部署の良い仕事を賞賛したり、新人を紹介したりと、社内のことを知る機会を増やしていくことで、他の社員に興味を持ち、親しみを感じます。例えば他部署の仕事紹介で見た内容が、自分の仕事に繋がり、話を聞いてみたいと思うようになることもあるかもしれません。

相互理解を促す研修の導入

半期に一回、一年に一回など、相互理解を促す研修を導入するのも良いでしょう。

研修は一回で終わっては意味がないので、その研修を通じてどうやって今後のコミュニケーションに生かしていくかを考えることも重要です。

相互理解を深めるための手法として「アシミレーション」や「リバースメンタリング」も注目されている事例です。これらについても下記の記事で紹介していますので、ぜひご覧ください。

上司と部下の相互理解を進めるアシミレーションとは
世代間の意思疎通が進む教育支援制度「リバースメンタリング」とは

社内コミュニケーション活性化の成功事例

最後に、企業の社内コミュニケーションの成功事例を紹介します。

私が人材育成のお手伝いをしている自治体向けコンサルティング企業の事例です。
新型コロナウイルスが落ち着いた頃のこと。入社2年目の若手社員が自ら発起して、部署を横断した会社正式行事としての「お花見」企画を経営層へ提案しました。

その企業では、経営層が日頃より人を重んじるメッセージを発信していました。なので、社員もその文脈で、お花見イベントに価値があると提案したのです。結果は大成功!当日参加した社員が楽しんだことはもちろん、社長からは「初めての試みを入社2年目の社員が発起し、予算交渉し、先輩社員まで動かして企画運営した気概がうれしかった」との評価も。

その後、以前はどこか他人行儀だった他部署とのやりとりが、お花見を楽しんだ共通体験のおかげで、気軽に頼み事などの連携が取れるようになり、業務がスムーズに進むようになったそうです。また、入社2年目の若手社員が、経営層へ持ち込み企画を直談判した突破力を見て、先輩社員たちにも良い刺激になっているとのこと。職場の空気が活性化されていると人事担当の方がうれしそうに語っていました。

このように、仕事と関係のない環境で、一緒に過ごすと、お互いの意外な一面を垣間見て親近感が沸き、そのネットワークが仕事でも活かされることがありますよね。コミュニケーションをとり、お互いを理解し尊重し合うことで、結果的に組織が強くなり、繁栄していくのです。

まとめ:社内コミュニケーションを活性化しよう

社内のコミュニケーションが活発になれば、社員のモチベーションも上がり、エンゲージメントも上昇するなど会社にとってプラスの効果がもたらされます。

社内コミュニケーションを活性化するには、社員の自由意志に任せるだけではなく、会社や管理職・リーダーが積極的に仕組みづくりに取り組むことが大切です。

河村 晴美のイメージ画像

河村 晴美

NHKクローズアップ現代に出演した『叱りの達人』
今まで25年間、トヨタ自動車、東京海上日動、大阪府警察本部など、のべ15万人へ講演
研修の実績あり。新卒入社した有線放送会社で同期入社700名中で5位の営業成績を挙げ
るものの、部下育成はおでこに蕁麻疹が出るほどストレスで自信を失う。心理学やキャリ
ア形成、コーチング、西洋哲学(言語分析)などを学び『リスペクト&ユーモアで伸ばす
叱り方』でパワハラ予防の専門家として活躍中。好きな映画は、スターウォーズ、鬼平犯
科帳。京都女子大学卒
叱りの達人協会(有限会社ハートプロ)
我慢や力押しせずにラクして相手が動き出すコミュニケーションのコツを知りたい方はこちら
https://shikarinotatsujin.com/present/#merumaga

【書籍】
「やる気をONする叱り方」(PHP研究所)等多数あり
【メディア出演】
日本経済新聞、読売新聞、産経新聞、朝日新聞、奈良新聞、NHK、
読売テレビ、関西テレビ、Abema TVなど多数。
KRY山口放送ラジオ『どよーDA』レギュラー出演中
【趣味】
落語鑑賞や神社仏閣めぐり、宿坊体験など
母親より書道を3歳の時より指南され、墨の香りに癒される

 

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