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仕事に効く話

リーダーシップで悩んだときに読む本

このコーナーでは、本の要約サービス『flier』のフライヤー編集部が、リーダーやリーダーをめざす方々が抱えがちなお悩みの解決や学び直しに効く“本”の処方箋を紹介していきます。テーマは、メンバーとのコミュニケーション、部下の育成、リーダーシップ発揮、チーム力アップなど。あなたの「ブックメンター」が見つかりますように。

 

第3回のテーマは、「リーダーシップで悩んだときに読む本」。そもそもどんなリーダーをめざしたいのか? 自分らしさを活かしながら、チームとして成果も出すためには? そんな問いに対して、考えを深めるための処方箋となる本を紹介します。

リーダーシップ発揮の第一歩は「自己理解」

『自分を知る練習』

リーダーとして成長したい、チームを束ねて成果を出したい――。そのための大事な一歩は、「自分自身」を知ることです。スタンフォード大学経営大学院の調査でも、リーダーが伸ばすべき最大の能力の筆頭に、「セルフ・アウェアネス(自己認識)」が挙げられています。

気軽に、楽しみながら自分自身についての理解を深めていきたい方におすすめの一冊が、『自分を知る練習』。著者の土谷愛さんは、強みを知ることで人生が好転した経験をもとに、自己分析講座を開発し、幅広い世代から支持を得ている「強み発掘コンサルタント」です。

本書では、自分の価値観や強みを知る「本当の自己分析メソッド」を4ステップで解説しています。最初のステップは、"自分を見る「メガネ」を磨く" 。「自分に強みはない」というメガネをかけていると、視界が曇り、強みや長所が見つからなくなる、という言葉にハッとさせられました。このステップで自分の強みや可能性に目を向けることが、リーダーとしての土台を築くことにつながるのではないでしょうか。自分の強みや価値観を言語化したい方や、「自分らしいリーダーシップのあり方」を探している方に読んでいただきたいです。

「リーダーシップの本質」に迫る名著といえば?

『リーダーシップの旅』

そもそもリーダーシップって何だろう? リーダーシップとマネジメントの違いって何? そんな疑問をもつ管理職層やリーダーにおすすめしたい一冊が、『リーダーシップの旅』です。リーダーシップ塾を主宰する野田智義さんと、組織行動論の研究者である金井壽宏さんが、リーダーシップの本質に迫ります。

特徴的なのは、リーダーシップとリーダーのあり方を「旅」になぞらえて考察している点です。リーダーシップとは「見えないもの」を見る旅。ビジョンや理想を追求し、賛同者と共に歩んでいくことで、リーダーになれるのだといいます。

著者らは、「前に進む原動力」は人それぞれであるものの、特に大切なのは「夢と志」だといいます。人に語るだけでワクワクするような「夢と志」は何なのか? そう自問したくなる一冊です。実践と理論とのバランスが絶妙で、読むたびに新たな発見がある本です。リーダーシップの旅を楽しむための心得を学んでみませんか?

5%リーダーは、口角を2センチ上げる?

『AI分析でわかったトップ5%リーダーの習慣』

リーダーシップを発揮するためには、リーダー自身が仕事力を高めて、メンバーとの信頼関係を築いていく必要があります。そのためのヒントがつまった一冊が、『AI分析でわかったトップ5%リーダーの習慣』です。AIと人間による分析で、成果を上げ続ける「5%リーダー」の特徴とは何なのか? 

著者の越川慎司さんは、5%リーダーが実践する行動ルールをわかりやすく解説しています。たとえば、やる気がなくてもタスクが遂行されるようにプロセスを設計している、「異質同士の組み合わせ」で優秀な社員の弱みを補完する、などです。

また、5%リーダーは、表情や声のトーン、空気感、視線などの非言語コミュニケーションを大切にしています。彼らがメンバーの話を聴いているときを分析すると、口角が2cm上がっているそうです。これにより、「機嫌が悪いかも?」と相手に誤解を与えないようにする効果が期待できます。よりよいチームをつくるための行動指針を得たい方に、迷わずおすすめしたい一冊です。

人は「安全基地」があるから挑戦できる

『セキュアベース・リーダーシップ』

失敗してもいいから、メンバーにもっと挑戦してほしい。新たな取り組みを促すには、リーダーはどう振る舞うといいのだろう? こんな問いをもつ方を鼓舞してくれるのが『セキュアベース・リーダーシップ』です。

本書は、世界有数のビジネススクールIMDの教授陣による、「最高のリーダー」になるための教科書と呼べる一冊です。リーダーが安全基地(セキュアベース)になリーダーがセキュアベースとなり、フォロワーと心でつながるからこそ、フォロワーは果敢な挑戦をすることができるといいます。そうしたセキュアベース・リーダーの9つの特性を明らかにし、この特性を伸ばすための方法が紹介されています。

「思いやること」と「挑ませること」のバランスをどうとっていくといいのか? 自身の目指すリーダー像を再確認する際にも、本書が心の拠りどころになってくれるはずです。

組織で影響力を高めるために知るべき「ルール」とは?

『ビジネス・ゲーム』

リーダーとしてメンバーの力を引き出し、高い目標に向かっていくためには、「組織の理(ことわり)」を知ることが重要になってきます。組織の力学を知って、影響力を高めていきたい方に多くの示唆を与えてくれるのが、『ビジネス・ゲーム』です。

著者は、集団においてどのように動くかを「ビジネス・ゲーム」と呼んでいます。女性が十分な能力や意欲を持ちながらも、いまだにそれに見合った地位や評価を得られにくいのはなぜなのか? その理由は、女性が男性中心のビジネス社会でどのように振る舞うべきかを知らないまま働いていることにある、と著者はいいます。初版がアメリカで刊行されたのは1977年であるため、現代の日本では少し違和感を抱く点もあるかもしれません。ですが、本書の肝となる部分は長い年月を超えても参考になり、その意味で普遍性の高い一冊です。

ルールを熟知して、戦略を立てる。このことは、キャリアを形成するうえでも、チームの力を発揮させるうえでも重要だと、目を見開かされることでしょう。組織の中でうまくふるまい、影響力を高めていきたい方におすすめです!



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いかがでしたか? 心の拠り所になるような「ブックメンター」が見つかれば幸いです。
今後もフライヤー編集部は、リーダーの背中を押してくれるような本を紹介していきます。

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株式会社フライヤー / Flier Inc.

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