上司と部下の板挟みに! 中間管理職のよくある悩み、どう乗り越える?のイメージ画像

リーダーズ座談会

上司と部下の板挟みに! 中間管理職のよくある悩み、どう乗り越える?

なかなか社内では相談できない悩みを語る、女性管理職のオンライン匿名座談会。今回のテーマは、「上司と部下の板挟み」について。中間管理職あるあるなこの悩み、みんなはどう乗り越えているの?



【参加者】
Aさん(37歳):出版業界。ウェブサイトの編集長を務め、5人の部下を抱える。

Bさん(32歳):運輸業。今年4月から一般社員から係長に昇進。部下は2名。

Cさん(45歳):IT業界。営業リーダーからSaaS分野の新規事業のリーダーに。現在の部下は1人。

中間管理職は、上司と部下の両者から責められがち

ーーみなさんは管理職として、上司と部下の板挟みに悩むことはありますか?
Aさん:あります! 最近だと、クリーンな働き方を実現したい上司からは「部下に休みをとらせろ」と言われますが、部下は仕事量オーバーで休みたくても休めない状況で、両者から私が詰められています。

Cさん:私は今の会社でのキャリアが長いので、ちょうど上司と部下の板挟みに悩む人の相談に乗ることが多く、橋渡しを求められることもあります。若手からは管理職のやり方に対して相談が来るし、管理職は若手の意思がわかっていないことはとても多いです。

Bさん:巻き込まれるのは大変ですね。

Cさん:まるでベテランのお母さんのようですよ(笑)。間を取り持つのですが一度取り持つと永遠に終わらず……。これってなんのための仕事だっけ? と思うことは多々ありますね。

板挟みになったら、部下の良い分から聞く

Bさん:私の場合、部下と言っても2人とも同僚で本音を言いやすく、今のところ板挟みな状況はまだないです。でも、今後部下が増えたら絶対直面しますよね。コミュニケーションが取りやすいチームの環境は整えておかないといけないなと感じます。

Cさん:そうですよね。板挟みになると、両者の話をヒアリングしていくしかないので、日ごろから上司からも部下からも「この人には話しやすい」と思ってもらえた方がいいと思います。

Aさん:私の場合、話を聞くのはまずは部下からと決めています。メンバーの状況をヒアリングして、仕事量と適正量を把握しておく。そして上司から板挟みのタネを振られても、すぐにいまのチームの情報を上司に共有できるようにしています。

Bさん:たしかに。チーム内の状況を正しく把握し、上司に相談できるようにしていれば、上司としても理不尽な要求はしにくいかもしれないですよね。

Aさん:まあでも、上司もさらに上の立場の人から言われることもあるし、それでも無理難題が降ってくることもありますけどね。

Cさん:会社で働く以上、結局はどの立場になっても誰かと誰かの板挟みなんですよね。

部下に「味方だ」と思ってもらえるコミュニケーションを取る

Aさん:だからこそ、片方の肩を持つと大抵失敗しますよね。かつて上司側の立場に立ってしまった時、部下とうまく意思疎通ができず、その子が転職してしまったことがあります。自分だけのせいではないとわかっていても、ツライものがありますよね。

Cさん:とりあえずこのままでいいかと、様子見したり、部下の話を聞かなかったりするとチームの統率がどんどんとれなくなりますよね。

Bさん:自分が部下の立場だとしても、納得感なく上司から言われたまま仕事をするのはモチベーションがさがりますもんね。部下との話し合いの場、大切ですね。

Aさん:上司と部下、双方の話を良く聞いたうえで、なるべく公平に。ただし最終的には部下にやや味方する方が良いかもしれません。部下は上の人がどう振舞うかをよく見ているので、一度人間的な信頼が失われてしまうと取り戻すのはなかなか難しい。

Cさん部下に「この人は自分の味方だ」と感じてもらうことが大事ですね。そのためにはコミュニケーション能力だけでなく、部下が抱える違和感を察知する洞察力も管理職として必要なスキルですね。

Aさん:日ごろから部下・上司の考えを汲み取って課題を浮き彫りにしておくことも大切。板挟み問題が起きてから対処するのは遅い気がします。
Bさん:部下の業務が順調に進行しているか常に確認・調整して、放置しない。そして課題は早いうちに潰すことですね。

板挟みの相談は、あくまで利害関係のない人に!

Bさん:ちなみに皆さんは、上司と部下の板挟みになった時、誰かに相談しますか? 中間管理職って社内でも複雑な立場で、悩みを人に言い辛いとも感じますが……。

Aさん:直接利害関係のない、別のチームや部署の、年の近い先輩や同期ですかね。利害関係があると、板挟み状態をよりこじらせてしまうので……。

Cさん:私は、上司のさらに上の上席に相談することがあります。視点を変えることで解決することが多いので。

Aさん:なるほど。たしかに他の立場から見たら板挟みのタネって意外と些細なことだったりするんですよね。簡単な業務改善だけでなんとかなることもあるし、第三者の視点、大事ですね。

管理職には、板挟みの根本原因を突き止め、改善する責任もある

Cさん:でも、色々対策しても、板挟みって根本的になくならない問題ですよね。Bさんは今は板挟みがないとのことですが、日ごろから上下の摩擦が起きないように気を付けていることはあるんですか?

Bさん:上司やメンバーとは定期的に業務時間中に対話する時間を作っています。不安・不満に思っていることを放置せずに吐き出せる機会を作る。私のように同僚同士であってもです。日頃から話しやすい雰囲気を心掛けてはいます。

Aさん:本音を言い合える関係値づくり、大切ですね。あと私が悩んでいるような休ませたい上司VS休めない部下という話は、根本的に人手不足が原因。大がかりではあるけど、組織自体の業務見直しをすることが、遠回りなようでいて近道だとは感じています。

Cさん:目の前の仕事に追われていると、板挟みもつい場当たりな対処になってしまうけど、本当にどうすることもできないならばきちんと上司に報告・相談して会社全体の問題として議論してもらうべきですよね。

Aさん:その通り。管理職になって裁量も出来ることも増えた分、みんながより良く仕事ができるよう、上に改善を提案する責任もありますよね。

Bさん:そういった事業視点、中長期的視野を持って仕事ができるのは、管理職ならではのこれまでとは違う新しいやりがいでもありますよね。

どんな業界でもよくある上下の板挟み。立場が違えば意見も異なるため、完全になくすことは難しいですが、摩擦を解きほぐすのも管理職の腕の見せ所。今回のメンバーが実践していることをヒントにしてみてくださいね。

  • line
  • リンクトイン

RANKINGランキング

  • 週間
  • 月間