部下が変わる「評価のフィードバック」のコツって?
リーダーならではの悩みや、なかなか周りに聞けない気になるアレコレ。自分以外のみんなはどうしているの!? を、探るべく、様々な業界で働く女性リーダーの座談会を実施! 今回のテーマは、「評価のフィードバック」について。会社とメンバーの板挟みのリーダーならではの評価の悩みを、匿名で語ります!
【参加者】
Aさん(40歳):インターネットサービス企業勤務
5名の部下を抱える部長職。年齢が近いメンバーも多く、日頃から密にコミュニケーションを取っている。
Bさん(44歳):教育関連企業勤務
5名の部下を抱える部長職。会社の組織体制が変わることが多く、そのたびに評価基準に悩まされている。
Cさん(45歳):出版社勤務
20名の部下を抱える部長。人数が多いので、評価は精神的にも負担大。
避けては通れない、評価のフィードバック
- ――皆さんの会社では、どれくらいの頻度で評価のフィードバックを行っていますか?
- Aさん:査定にかかわる評価は半期ごとですが、中間フィードバック的な役割も含め、四半期ごとに一人30分行っています。
Bさん:私の会社では、中期と通年の年に2回、一人1時間程度じっくりと。社内で共通の評価シートをもとに、目標への達成度を確認し合う方法です。
Cさん:私も中期と通年の年に2回です。部下全員と30分を目安にしていますね。
Aさん:Cさんは部下が20名だから、フィードバックはかなりの時間と負担がかかる業務ですよね。評価のフィードバック方法は研修などありましたか?
私は会社側から特にフォローがなく、オリジナルで行っているのもこれで良いのかと少し悩んでいて……。
Cさん:転職経験者なのですが、以前の職場で1週間ほど研修があり、現在もその時教わった手法を活かしています。まずは本人の自己評価をきちんと傾聴すること。その上で、会社が求めていることをしっかりと伝える。そして、評価の理由は数字を用いて客観的に、かつ数字以外の理由も具体的に、といった手法です。
目標設定は部下に丸投げしない。評価の前に現状を振り返る機会を
- ――現状、それらの悩みを解決するために工夫されていることはありますか?
- Aさん:評価の伝え方が難しいケースについては、人事部長やマネジメント歴の長い先輩に相談し、伝え方を整理してから面談に臨むようにしています。相談先は一人だけだとその方の意見に強い影響を受けてしまいそうなので、複数名から意見をいただき、私自身の考え方を整理しておくようにしていますね。
Bさん:なるべく丁寧に評価の背景を伝えることですかね。人事制度や評価の基準が何年かごとに変わることがあるので、評価されるために何をするべきかは、部下に丸投げするのではなく、一緒に考えるようにしています。
Cさん:たしかに、評価の時にいきなり話すのではなく、年度初めに、現状の達成度と評価、今後の目標を部下とすり合わせておくと良いですよね。
あとは、やはりとにかく部下の話を聞くことは大切かな、とは思います。年に2回なので、本人の課題感や本音などもできるだけ引き出してあげる努力は必要。ちなみに、評価のフィードバックで話しているうちに新企画を思いついて実際にやってくれたこともありますよ。
フィードバックは、一方的に話す場にならないよう注意。まずは傾聴を意識。(※画像はイメージです)
評価のフィードバックは、メンバーの成長を促す場でもある
- Bさん:たしかに、評価で部下とのコミュニケーションが上手く行くと、自ら動いて新しいことにチャレンジしてくれる、ということはありますよね!
Aさん:改めて評価の場で、日常での気づきを文章と口頭で伝えることで、信頼関係が深まるのかも。フィードバック後はメンバーの自発的な行動も増えているような気がしています。
私は部下が5名なので、日ごろから目は行き届いていると思いがちですが、あえてきちんと評価のタイミングで伝えることこそ大切だと感じています。
Cさん:あと、評価の時に、全員にリーダーを目指してもらう方向で話をするのも良いのかも。まずは意識してもらうことでやる気にも繋がるので。1年ごとに1段階役職を上げることを目標にすると、全体のレベルの底上げに繋がっている気がします。
自分も会社に評価される立場で、部下の気持ちもわかるからこそ悩む評価のフィードバック。皆さんさまざまな工夫をされていました。自分にとっても部下にとってもフィードバックがプラスになるよう、参考にしてみてはいかがでしょうか。