出会いの大切さを学べる、心温まる名言
新たな出会いが多い春のシーズンは、自分の可能性を広げるチャンスも多い季節です。その時のご縁がきっかけで、大きな人生の分岐点を迎えることも。
今回は、人とのご縁によって成功を収め、出会いの大切さを説いた著名人たちの名言をご紹介します。
新たな出会いへの一歩を踏み出したくなる名言
- 『小さな出会いを大切に育てていくことで、人生の中での大きな出会いになることもあります』
≪千利休≫
戦国時代に活躍した茶人。本名は田中与四郎(よしろう)。1522(大永2)年に和泉国(いずみのくに、現在の大阪府南部)堺の商人・田中与兵衛(よひょうえ)の子として生まれる。17歳で茶の湯を習い始め、その世界に没頭。23歳という若さで初めて茶会を開く。
堺が織田信長の直轄地となった1569年、今井宗久(いまいそうきゅう)、津田宗及(つだそうぎゅう)とともに茶頭に抜擢され、織田信長主催の京の茶会を見事成功させる。1582年に「本能寺の変」で織田信長が亡くなった後は、豊臣秀吉の茶頭として茶室の設計や茶器の鑑定、重要な茶会のプロデュースなどに従事。しかし、秀吉との間で茶の湯に対する考え方に違いが生まれるようになり、1591年に秀吉の逆鱗に触れ、切腹を命じられて最期を迎える。
織田信長、豊臣秀吉と、歴史に名を語り継がれる偉人のもとに仕え、自身も名を上げた千利休。『小さな出会いを大切に育てていくことで、人生の中での大きな出会いになることもあります』という言葉は、まさにそうした彼らとの出会いを指し示す名言です。
千利休は当然、はじめから茶の道で名の知れた存在だったわけではありません。茶会などを通して人との出会いを重ね、人づてにその才能が知れ渡ったことで徐々にその存在を認められていきます。
一つひとつは気にも留めないような小さな出会いでも、ご縁を大切に紡いだことで、一時代を築くような雲の上の存在のもとにまで、その名がとどろくこととなったのです。
何気ない挨拶やその時交わした会話がきっかけで、後に人生を変えるような大きな出会いをもたらすこともあります。仕事でもプライベートでも、出会いの機会を自分から積極的に作ってみてはいかがでしょうか。
ひとり悶々と悩んだ時に思い出したい名言
- 『人と出会ったおかげで、自分とも出会えた』
≪谷川俊太郎≫
詩人、翻訳家、絵本作家、脚本家。1931年生まれ、東京都出身。1952年、18歳の時に自身初の詩集『二十億光年の孤独』を発表し、国内外から注目を集める。以降、多数の詩集、エッセイ集、絵本、童話、翻訳書を刊行。脚本、作詞、写真集、ビデオなど、幅広く手掛けるようになる。
1962年に「月火水木金土日の歌」の歌詞で日本レコード大賞作詩賞を受賞。翌年には、手塚治虫原作のテレビアニメ「鉄腕アトム」の主題歌を作詞した。その後も、1983年『日々の地図』で読売文学賞、1993年『世間知ラズ』で萩原朔太郎賞、2010年『トロムソコラージュ』で鮎川信夫賞、2016年『詩に就いて』で三好達治賞など、数多くの賞を受賞。2,500編以上もの詩を発表し、92歳で最期を迎えるまで筆をふるった。
『人と出会ったおかげで、自分とも出会えた』という言葉は、生涯2,500編以上もの詩を書き続け、時代が変わっても賞を受賞し続けることができた大きな理由ともいえる名言です。
作品を作り続けることは、部屋にこもってひとり黙々と作業すること、という印象を持たれがちです。しかし、この名言から、谷川氏は人との出会いの機会を大切にしていたことがわかります。
詩とは、自然や人・事などから受ける感興や感動を表現するものです。自分の体験をアップデートし続けることで、表現のバラエティも豊かになります。谷川氏は過去の経験や人間関係に捉われず、新しい出会いを求めたからこそ視野が広がり、それまでの自分とは異なる視点を持ち続けることができたのでしょう。
新たな出会いや体験が豊かな心を育み、今まで経験したことのなかった自身の感情や考え方を引きだします。壁にぶつかり、正解がわからずにひとり悩んでしまう時こそ、人との出会いやコミュニケーションを大切にしてみてください。
出会いの数を重ねることの大切さを教えてくれる名言
- 『縁のつながりは、個人の力が及ぶ範囲を超えています』
≪林修≫
予備校講師、タレント。1965年生まれ、愛知県名古屋市出身。東海高校卒業後、現役で東京大学法学部(文科Ⅰ類)に入学する。大学卒業後は日本長期信用銀行に入社するも、わずか半年で退職。その後は、会社を起業して失敗したり、株取引やギャンブルで大損したりと、1,800万円もの借金を抱える。知人の紹介で塾講師のアルバイトを始めると、その才能が開花。指導力の高さが評価され、予備校講師になる。2009年から東進ハイスクール専任講師に昇格。2013年、東進ハイスクールのテレビCMで発した「いつやるか?今でしょ!」のフレーズが話題となり、13年度新語・流行語大賞年間大賞を受賞した。その後は、情報番組やバラエティ番組に多数出演し、タレントとしても活躍している。
『縁のつながりは、個人の力が及ぶ範囲を超えています』という言葉は、林氏が歩んできた山あり谷ありの半生を言い表すような名言です。
東京大学出身という肩書を持つ一方で、起業や株取引で失敗するなど、波乱万丈な人生を歩んできた林氏。そんなどん底とも思える状態から、予備校講師としてもタレントとしても一躍人気者になるに至りましたが、それは林氏自身の力だけでは成し得なかったことです。
知人の紹介をきっかけに塾講師となり、指導した生徒や同僚からの評価で昇進し、CMを見た人が面白いと評して話題になる―。林氏は自身に関わった多くの人の力によって、人生を大きく変えることができたのです。
人との出会いが多ければ多いほど、予期せぬ人生の転換がもたらされる可能性も大きくなります。現状を変えたいと思っている時こそ、新たな出会いを積み重ねてみてはいかがでしょうか。
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