仕事に失敗した時に読みたい 優しく心に響く名言
心に響く名言を紹介する当企画。今回は、失敗した時に優しく寄り添ってくれる名言をご紹介。どんなに完璧に見える人だって仕事で失敗はするもの。そこで「私にこの仕事は向いていない……」と、諦めてしまうのではなく、失敗した時こそ、その後どう行動するかが大切です。偉大な先人は失敗をどのようにとらえ、前を向き、成功を手繰り寄せてきたのか。心に響くこと間違いなしの名言たちです!
失敗をプラスにとらえることができる名言
- 「私は、失敗を恐れたことがないの。よいことは、必ず失敗のあとにやってくるものだから」
- 出典:上野陽子著『コトバのギフト 輝く女性の100名言』(講談社)
≪アン・バクスター≫
1923年-1985年。アメリカ合衆国の女優。12歳からセオドーラ・アーヴィン演劇学校で勉強し、翌年ブロードウェイにデビュー。テレビを中心に活動するが、1940年「Twenty Mule Team」で映画界にも進出。1946年に『剃刀の刃』でアカデミー助演女優賞を受賞。代表作に『イヴの総て』『十戒』など。
1940年代からハリウッド女優として活躍したアン・バクスター氏。代表作の一つでもある『イヴの総て』でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされましたが、残念ながら受賞は逃してしまいます。10代のころから活躍し、華やかさも演技力もあった彼女ですが、その後も主演での賞レースにはなかなか恵まれませんでした。
そんなある意味で「失敗」を多く経験した状況の中でも、バクスター氏は着実に演技の幅を増やしていきます。そしてキャリアの後半はテレビ出演をメインに活躍。人気テレビドラマ『刑事コロンボ』シリーズにゲスト出演し、その実力を印象付けるなど、没後25年以上たった今でもアメリカの有名女優の一人として名を残しています。
まさにこの名言通りの結末。失敗に怖気づかず、新しい役を経験し、映画界からテレビ界へという新しい世界に飛び出す勇気があったからこそ、女優としてのキャリアを「成功」させることができたのかもしれません。失敗は通過点でしかないことを改めて教えてもらえます。失敗しても、むしろ次にくる「よいこと」を迎え入れる準備期間としてワクワクできそうですね。
失敗を恐れ、次の挑戦ができない人の心に響く名言
- 「10回新しいことを始めれば、9回は失敗する」
- 出典:雑誌『PRESIDENT』2015年6月1日号(プレジデント社)
≪柳井正≫
1949年生まれ。株式会社ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業後、ジャスコを経て、家業の小郡商事に入社。1984年、カジュアルウェアの小売店「ユニクロ」の第1号店を広島市に出店。1991年、社名を「ファーストリテイリング」に変更。同年社長に就任。2002年11月に一旦は代表取締役会長となるも、2005年9月、再び社長に復帰。
家業である紳士服店の経営を父から継ぎ、地元でユニクロを開店。いまや世界規模のファストファッションブランドにまで拡大させた柳井氏。誰もが知る経営者の一人であり、一見すると順風満帆なキャリアのようですが、数々の「失敗」も経験しているそうです。たしかに、ユニクロが一時業績低迷に陥っていたことなどは世の中にも知られています。
そんな「失敗」で学んだことから一つひとつ改善を重ねていったからこそ、現在、ユニクロがあるのかもしれません。低価格帯ながらも質が良く、流行を取り入れたブランドとして唯一無二のアパレルブランドとなったのではないでしょうか。
失敗は成功の母であり、失敗を恐れては、新しいことに挑戦できず、すなわち成長はできません。日本を代表する経営者でも失敗の数の方が成功より多いと思うと、一歩踏み出す勇気をもらえませんか?
失敗をした時に、何をすべきか教えてくれる名言
- 「スランプの原因をごまかさず、徹底的に落ち込む。落ち込んで落ち込んで落ち込み抜き、自分と向き合う」
- 出典:見城徹著『たった一人の熱狂』(幻冬舎)
≪見城徹≫
1950年生まれ。株式会社幻冬舎代表取締役社長。株式会社タッチダウン代表取締役社長。株式会社キャブ代表取締役社長。エイベックス株式会社取締役。編集者、実業家。慶應義塾大学法学部卒業後、廣済堂出版、角川書店を経て、幻冬舎を設立。五木寛之『大河の一滴』、渡辺和子『置かれた場所で咲きなさい』など数多くのミリオンセラーを世に送り出す。
新卒で入社した廣済堂では、初めて企画した『公文式算数の秘密』(1974年)が38万部のベストセラーとなり、角川書店時代には『月刊カドカワ』編集長として部数を30倍に伸ばし、41歳で取締役編集部長に。その後当時の部下5人と幻冬舎を設立、26年間で25冊のベストセラーを輩出するなど、“出版界の革命児”とも呼ばれている見城氏。
それでも「失敗」=スランプとは無縁ではなかったそうです。どれだけ情熱を持って働き、努力し、準備しても、予期せぬことで失敗は訪れる。そんな時、「仕方がないもの」と割り切るか、失敗の原因に向き合うか。失敗というチャンスが与えられた時、この点が次、成功するか否かの分かれ道かもしれません。
失敗すれば最初はもちろん落ち込みます。でも、そこで原因から目をそらし、忘れようと気分転換するのではなく、とことん落ち込み続けることが大切だそう。自分の何が足りなかったか、何が弱みなのかと向き合い、考え抜くことができれば、自分の殻を破り、新しい自分に出会えるはず。厳しくも優しい名言です。
失敗を明るく乗り越えられる名言
- 「崖っぷちありがとう! 最高だ!」
- 出典:『松岡修造の人生を強く生きる83の名言』(アスコム)
≪松岡修造≫
1967年生まれ。元男子プロテニス選手。日本テニス協会理事強化本部副部長。1995年ウィンブルドン選手権男子シングルスで日本人男子として62年振りにグランドスラムベスト8に進出した。現役引退後はジュニア選手の指導やテニス大会の運営、日本テニス協会理事を務める。タレント、スポーツ解説者、スポーツキャスターとしても活躍し、お茶の間の人気を博す。
ポジティブな発言と、情熱的な人柄でタレントとしても人気な松岡氏。スポーツ番組だけでなく、バラエティー番組でも目にする機会も多いですが、やはりその前向きなパワーあふれる言葉には励まされます。
スポーツの世界では、どんなに練習をしても勝ち続けることは難しく、試合は毎秒ピンチとの戦いといっても過言ではありません。松岡氏は日本テニス界のパイオニアとして、そんな経験を数多くしてきたからこそ、失敗=崖っぷちを楽しむ姿勢の大切さを説いてくれるのかもしれません。
たしかに、これまで紹介してきたように、失敗は成長・成功のためのチャンスでもあります。仕事でも、失敗を「最高の経験」として楽しむ姿勢でいられたら、自分だけでなくチームメンバーにも良い影響を与えられるはず。失敗に落ち込む部下を励ます時にも伝えたいマインドです。
構成:菱山恵巳子